表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
古武術詐欺師に騙された悪役令嬢は今日も無意味な修行に励む  作者: 真宵 駆
▽おまけ1△ 古武術詐欺師は今日もせっせと悪役令嬢を騙し続ける
193/554

▼193▲ 二匹の猿とその飼育員による放送出来ないコント

 その後も名家の令嬢グレタと名家のメイドのイングリッドは、全裸で猿化したまま寝室までエイジンにまとわりつき、下半身に巻いていたバスタオルを剥ぎ取った挙句、


「ウキー」

「ウキー」


 一緒にベッドに入る様に要求した。猿語で。


「せめて人の言葉を話せ」


「ウキッ?」

「ウキッ?」


 とぼけた顔でエイジンの要求を無視する二匹の猿。


「あんたら、いい大人がこんな事してて楽しいか?」


「ウキー!」

「ウキー!」


 すごく楽しそうに答える二匹。


「今のあんたらの姿を動画に撮って、明日の朝それを居間の大画面テレビで見せてやろうか」


「キーッ!」

「キーッ!」


 この提案が気に入らなかったたらしく、怒りの声を上げた二匹はエイジンに襲い掛かり、ベッドの中にグイグイと押し込んだ後、自分達もその両隣に潜り込んで、


「ウキー」

「ウキー」


 何かを要求する様に甘えた声で鳴いた。


「猿山の飼育員になった気分だ」


 そう言いながら、エイジンはグレタの頭に手をやり、


「人の言葉を話したら、このままなでるんだが」

「なでて」


 まずグレタを猿から人に戻す事に成功する。


 そのまましばらくグレタの頭を優しくなでていると、


「ウキー」


 反対側で放置されていたイングリッドが、猿語で何かを要求してきた。


「人の言葉で話さないと何も分からないんだが」


 そう言って無視するエイジンに対し、


「バナナをください」


 イングリッドもようやく猿化を解く。


「まだ猿ネタ引っ張るのか。冷蔵庫から取って来ればいいんだな?」


「いえ、エイジン先生のバナ」

「やかましい」


 言い終わる前に、ペチ、とイングリッドの額を軽く叩くエイジン先生。


「グレタお嬢様は頭なでなでで、私は額ペチですか」


「しょうもないボケをかました後、ツッコミが入る代わりに、頭を優しくなでられたらどんな気分だ?」


「死にたくなりますね」


「そういう事だ」


 エイジンはそう言って、イングリッドの頭も優しくなで始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ