表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
古武術詐欺師に騙された悪役令嬢は今日も無意味な修行に励む  作者: 真宵 駆
▽おまけ1△ 古武術詐欺師は今日もせっせと悪役令嬢を騙し続ける
187/554

▼187▲ お笑い芸人を殺す魔法の言葉

「で、朝起きたら案の定、みんな浴衣がはだけ放題でな。もっとも俺はあいつらに脱がされた様なもんだが」


「何が悲しくて、わざわざ呼び出されて、男一人女二人で温泉宿ごっこをしてイチャついてた話を聞かされなきゃならないんですか」


 翌日の夕方、例の倉庫に呼び出されたアランは、エイジン先生からいつもの「ちょっとHな体験談スペシャル」を聞かされて辟易しつつも、色々想像してしまったらしく、顔が真っ赤になっていた。


「枕にしてはやけに柔らかくて生温かいと思ったら、グレタ嬢の胸が直に俺の顔に」

「すいません、帰らせてもらいます」


「帰る前に聞いておきたいんだが、あの二人を夜中だけ猫に変える魔法とかないのか?」


「メタモルフォーゼ系の魔法は非常に高度なものですから、私の手に負える代物じゃありません。それこそ伝説級の魔法使いじゃないと扱えませんよ」


「駄目か。猫なら一緒の布団で寝ても抵抗ないし、自分から風呂に入りたがる猫なら、とても飼い易いんだが」


「それ以前に『自分に逆らう奴は猫にしてしまえ』って発想が、とても暴君なんですが」


「朝には元の姿に戻してやるだけの優しさは持ってるぜ」


「優しくないです。第一、ベッドにもぐり込んだ猫が翌朝には裸の美女に戻ってるんですよ」


「じゃあ、俺と一緒にいない時だけ人間に戻す」


「発想が暴君を通り越して鬼畜になってます。逆に聞きますが、確かにやり過ぎとは言え、二人の美女から積極的にアプローチされるのが、そんなに不快ですか?」


「不快とは違うかな。何かボケ続けてるのに誰からもツッコんでもらえないお笑い芸人を見て、『分かった。もういい。あんたは頑張ったよ』、と声を掛けたくなるあの感じかも」


「それは『不快だ』と言われるよりキツいかもしれませんね……」


 お笑い芸人を殺すのに刃物は要らない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ