▼156▲ 強制手巻き寿司プレイ
エイジンとグレタが真新しいキッチンに来てみると、広いテーブルの上に所狭しと、刺身、玉子、煮しめ、野菜、肉等の色とりどりの寿司ネタが並べられ、端の方には木製の寿司桶に入った酢飯と、大量の海苔が用意されており、各自が好きなだけ取って好きなだけ盛って好きなだけ巻いて食べられる様になっていた。
「これ、あんた一人で全部準備したのか。すごいな」
エイジンが感心すると、イングリッドは、
「下ごしらえは大方済ませてありましたので。時間も十分ありましたし」
さも大した事でもないかの様に答え、
「ですがエイジン先生の方は、せっかくの十分な時間を無駄に過ごされた様ですね」
少しムスッとしたグレタの表情を見て、大体の事情を察した様である。
欲求不満気味のグレタだったが、食事が始まると、立食形式を活かしてエイジンの側に始終くっついて回る内に、次第に機嫌も直って行き、
「エイジン、これ美味しいわよ、食べてみて」
「ちょっと待て、今両手が塞がってる」
「じゃ、食べさせてあげるわ。『あーん』して」
そんなバカップルな行為まで臆面もなくやり始めた。
「とりあえず片手を空けるから待て」
「あーん」を頑なに拒むエイジンの鼻を、素早く近寄って来たイングリッドが、さっと手を伸ばしてつまむ。
息が出来なくなり、エイジンが口を開けた瞬間、
「お嬢様、今です」
「はい、『あーん』」
自分で巻いた太い手巻き寿司を、そこに無理矢理突っ込むグレタ。
イングリッドがエイジンの鼻から指を離すと、グレタは無邪気な笑顔で、
「よく味わってね」
突っ込んだ手巻き寿司を、両手が塞がっていて抵抗出来ないエイジンに強制的に最後まで食べさせ、結果、エイジンはグレタの指まで舐めさせられてしまう始末。
「美味しい?」
そう言って、エイジンに舐められた指で自分の唇をなぞるグレタ。
「ああ。だが、こんな食わせ方は悪質だ」
「そうですね。まるで、お口で無理矢理ご奉仕させられるプレイの様でした」
「あんたがやったんだろ!」
横からしれっと感想を述べるイングリッドに食ってかかるエイジン。
しかしその後もグレタとイングリッドの巧みな連携プレーにより、エイジンはお口でご奉仕、もとい強制「あーん」を何度もさせられたのだった。