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雨天無能家の日々  作者: 雨天無能
6/10

春和


天候:晴れ

環境:街道

状況:お昼時(でもお弁当は忘れた)


春和です。


一週間もの長雨が上がり、提出期限が近い書類を提出するために、都に移動中なんです。


辺境から馬で、馬車じゃないんですよ、しかも榛名に二人乗りです


一週間も続いた雨のおかげで街道はむかるみ馬車では逆に時間がかかるとの判断だったんですが、愛馬の金剛にボイコットされるとは思いもしませんでした


おかげで旦那様と一緒に榛名で移動する羽目に


なんでこんな事になってるんでしょうか


そもそも、あの長雨のおかげでいつもの定期便は来ず、次の便は来週、つまり二週間定期便が来ないって事に。


明後日には今週の定期便が来る予定なんだから、それまで休止にしなくても。


「長雨で街道がむかるみ馬車が通行出来ない場所があるんだから仕方ないだろ」


あら心の声で愚痴をこぼしていたつもりだったんですが声に出てましたか。


「そもそも、なんで街道なのにこんなに不便なんですか。」


「石畳で舗装すれば天気なんて関係ないのに。」


「いや、主要街道なら国家事業として陳情もあがるだろうけど、この街道は主要でもないし、それほど重要でもないからな。」


「私らの住んでる辺境って利用価値も低い本当の意味でも辺境だからね。」


「そもそも国家事業でもなければかかる費用と人材が大規模過ぎるからね。」


「まあ、もう少ししたら主要街道に出るし、そこまで我慢だね。」


「あら、お昼もですか?。」


「そうだね、誰かさんのせいで朝も慌ただしかったし、お昼も忘れちゃったしね。」


「仕方ないじゃ無いですか、まさか鞍を載せる段階になって金剛にボイコットされるなんて思ってなかったんですから。」


「おかげで、荷造りからし直す羽目になっちゃったんですからね。」


「なんで、そんなに荷物が有ったの?。」


「都に屋敷が在るとは言っても一泊二日です、着替えやドレス、衣替え用なんかも考えたら。」


「いや、なんでこのタイミングって、ドレスなんて必要無いでしょ。」


「どうせ、都に来るってあの方達は読んでるでしょうから夜会を画策してますよ。」


「明日の昼には都から帰る予定なんですけどね。」


「私のは?。」


「向こうの屋敷にある服でいいでしょう。」


「え?、持って来てないの?。」


「荷物に入りませんでした。」


「うん、決めた。無視して帰ろう。今すぐ帰ろう。」


「書類の再提出と修正で結局、都に行く羽目になるんですよ。」


「しかも、あの方達に都合がいい日付でよびだされるですよ。」


「当然、夜会も予定に組み込まれた状況で。」


「いま行くのと、逃げられない状況に追い込まれて行くのとどちらがいいですか?。」


「なんで春和さんはそんなに楽しそうなのかな?。」


「逃げ出せない状況に追い込まれている旦那様を見て楽しんでるだけですが?。」


「あの人達も大概だけど、一番扱いが非道い人が一番身直にいたよ。」


「今更じゃないですか?。」


でも、おなか減ったな


はしたないけど


もう少ししたら都の城壁も見えるし都でお昼にしましょうかね


ちょっと奮発してもらって


「また声に出てるぞ。」


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