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プロローグ

ピンポーン

「こんにちはー、書留でーす」

(……あれ? いっつもはこの時間いるんだけどなぁ。ま、こんな日もあるか)

 そう云って男、後島密は不在票に諸々書き込み、目の前の受け箱へ投函する。

「また○ツ(まるつ・不在留め置きのこと)かよ」

今のご時世一発配達の家が減っていくばかり。○ツ、所謂不在再配達は赤字の元凶であるため上から下まで減らす努力をしているのだが、なかなか上手くはいっていない。同業他社の猫や脚も苦労しているらしい。ネット上では夜間配達や留め置き等色々言われてるが、実際局留めは指定があれば配達しないし、夜中配達なんかコストもかかるし何より近所迷惑で即会社と受取人双方に苦情殺到である。(大家さんや管理人に双方叩き出されるのがオチ)

 そんな愚痴を言ったり思ったりしつつ単車に跨がって走り出し、路地裏の狭い交差点で一時停止しようとしたその瞬間

「え?」

突然後ろから衝撃と共に宙に投げ出され、スローモーションで景色が流れていく。気付いたら目の前にブロック塀があり、全身に激痛が走ってきた、

(つ……いと……つ?)

漸く考える余裕が生まれるが、それより段々寒くなってくる

(痛いし、寒いし、動かない……)

住宅街のため、今の音を聞いた近所の主婦達がベランダや庭からこちらを見ては悲鳴を上げている。中には電話で救急車を呼んでいる人もいて、その後サイレンが近づいてくる気配もする。しかし徐々に意識が薄れていき

(まだ殆ど回れてないのに……。てかブツ無事なのか?)

だが最後まで密は自分の仕事の事を考えていた。


 後方から追突したワゴン車の運転手からは薬物反応が出たが、そのニュースを密は知ることは無かった。

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