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9.vs格闘王、現実は非常で理不尽は常に横に有り

 

 闘いはもうすぐです。

 私は前世の記憶を呼び起こします。とはいっても1年前の記憶ではありますが。


 家庭用版の『Battle Colosseo 外伝2~始まりのColosseo~』にて零士が使えるようになった。ラスボス仕様の時とはLIFEが半分になり(それでも普通に高い)一部弱体化した状態で。



―――――――――――――――――――

 ・近距離~中距離なら無敵のダッシュ移動によってノーリスクで接近でき、そこから猛烈なラッシュを仕掛けることができる。ノーゲージで6~7割持っていきゲージも絡ませればキャラによっては10割されることも。

 ・超必殺技『バーストキック』は空中からの攻めとして有効な対策が取れない、と言われている程強力な攻め手であり出し得技。使用ゲージ1にも係わらず生当て5割持っていく。

 ・守りに入っても高性能な飛び道具や無敵の突進技を持っており、なによりも基本の体力が全キャラ中二番目に高いため、多少のダメージを覚悟して無理矢理攻めると言う選択肢もある。

 ・投げが唯一1F。投げキャラのボーグレムでさえ5Fだと言うのに一人だけ最速。

 ・投げからつながる『3段蹴り』は出した後の硬直が皆無。

 ・どの状況においても平均以上な結果をもたらす『回転蹴り』は二回放てば当たらなくてもゲージが1本溜まるゲージ回収率の狂ってる技。

 ・パンチ同時押しのEX版は判定が中段。更にキック同時押しで下段のEX版も装備している。

 ・どちらも全ての通常技をキャンセルして出すことができるうえに、性能も優秀で見切ってガード、NGするのは困難。

 ・半分以上の攻撃が必殺技や超必殺技でキャンセルが可能なので攻勢を維持しやすい。

 ・超必殺技『ファントムキャノン』はかめは〇波のパクリのような技で、空中でも出せるうえ、気弾の判定が非常に大きく技自体も長いためにジャンプ回避は不可能。しかも技後のスキが全く無い。発生が零士の持ち技の中では遅い方ではあるが全体的に見れば充分早い。

 ちなみに『ファントムキャノン』は相手との向きが変わっても自動的に振り向いて出すため、くぐろうとしても無駄。


 ・弱体化したのは『回転蹴り』『ダイブアタック』を除いた技のゲージ回収率下降。

 ・起き上がり時無敵の削除

 ・『3段蹴り』→『ダイブアタック』と繋がらなくなった。

 ・壊れ技『ダイブアタック』の大幅弱体化。無敵削除及びダメージ半減。発生までの時間が増えた。

 ・ゲージ溜めの速度1/3


 また、家庭用版のアーケードモードだとラスボスとして現れたときの仕様がアーケード版とは全く違うのだ。

 1ラウンド目…プレイヤーモードの零士の75%のLIFE+AIの動きが甘め。

 1ラウンド取られてからの2or3ラウンド目…プレイヤーモードの零士のLIFE150%+AIの動きが強化。


 性能が落ちたぶん動きがかなり良くなっているので結局どっちもどっちである。


―――――――――――――――――――


 以上が原作の性能まとめだったはずです。記憶が少し曖昧なので間違ってたり思い出せない箇所があったりと信憑性にやや欠けますが、理不尽性能だったことは間違いないので多分あってるんじゃないでしょうか。


 F( フレーム)というのは格ゲーで使われている時間単位の事で、1/60秒で1Fとなります。


 どうとっても狂っている性能ですよね。個人的にはワクワクしてはいますが流石格闘王です。          

 若草色のサスペンダーを素肌に着込んでいる金の短髪が映える男が立っていた。彼こそが格闘王零士、理不尽の塊である。



 「さあ、かかってこい!」

 「手合わせ願います。」

《ROUND1 FIGHT!》

 零士は無敵の移動技を持っている為要塞化したところで抜けられてしまう。攻撃の瞬間を狙って攻撃?突進技に無敵がついてるので無理です。


 なので趣向を替えてみましょう。無敵を使って飛び込んできた相手が攻撃しかけてくるのに合わせて『焼き尽くせサラマンダー』を起爆。任意のタイミングで起爆出来る設置技とか最高ですよね!


 〈主様!?このラウンドは『まだ見ぬ世界への渇望(私はまだ死ねない)』&『黄泉より蘇りし我が怒りの鼓動を聞け』使用で安定ですよ!?〉


 ルーが驚く声が聞こえる。そう実際零士は性能がトチ狂っているため元々はこのラウンドでこちらの一撃。次ラウンド相手に私が撲殺。最終ラウンドで初手一撃を見切って『永遠に凍り続ける世界』か運任せの『稲妻』。これが多分零士に勝てる数少ない…いえ、唯一といって良いほどの方法です。

 『一撃の押し付け合い』。頭がおかしくなりそうですよね


 相手も私の『永遠に凍り続ける世界』は理解しているだろうから開幕一撃撃つかどうかが勝負ではある。

 何せ通常攻撃では無敵だろうとなんだろうとタイミングさえしっかり合わせられれば私の『永遠に凍り続ける世界』は発動可能なのですから。  


 それでも私は一撃合戦へと持ち込みたくはなかったので。少しでも抗おうかと。

 やはり、魔法で遠距離主体の身体とはいえ元々格闘技に憧れていた身ですから。初戦くらいは格闘王と呼ばれる存在とはクリーンに闘いたいです。当分闘技会には毎年出場予定なので。



 零士の強みはとにかく無敵が多くと隙が無さすぎる点です。無敵移動は設置をくぐり抜けるだけで処理はしていません。その為、設置を使ったコンボができるわけです。

 サラマンダーでぶっ飛んだ零士は設置サラマンダーにぶつかり、そのままノームの落とし穴に落ちてくれました。その隙に設置サラマンダーを蒔きつつ、集中集中、ゲージを溜めます。


 無敵の移動と突進は強力ではありますが早さはそれほどではありません、その為設置潜り抜けて来る頃には再びゲージが溜まっており、


 『サラマンダー!』


 すかさずガードする零士。でもそれただのEX版サラマンダーなんです。ガードしても割合分は削るんです。そしてそのままグングニル発動。ガー不が刺さります。

 

《K.O!WINNERセレナ!》


 あれ?予想よりも落ちるのが早くないですか。


 〈主様ー、やっぱり彼1ラウンド目は遊ぶ呪いみたいのが掛かってるわねー、つまり危惧していた『家庭用版ボス仕様』とやらではないですか?〉


 それならLIFEも75%になっているから簡単に落ちたのもわかりますが…。これ『Battle Colosseo 外伝2~始まりのColosseo~』のシナリオではないのですけどね。


 申し訳ありませんが一撃合戦へと戻りましょうか?


 〈1ラウンド取れたなら主様勝ちですよ?だって次のラウンドでゲージ溜めて最終ラウンドは『まだ見ぬ世界への渇望(私はまだ死ねない)』コンボでゲージ溜めたら『焼き尽くせサラマンダー』を三回撃て良いだけなのですから。〉


 …良いのそれ?


《ROUND2 FIGHT!》

 ドン!と零士が地面を叩いた。割れた。私の足元が。でも浮遊により効果は無い。同時に威力は高いけど遅い飛び道具『ブフ・ショット』を数発零士は放つ。


 私は浮いているのに何故?


 直後、真下から青い光の奔流が私を呑み込んだ。


 〈主様!?何を呆けているの、『ファントムキャノン』を地面に撃ってこの穴から出してきた、唯それだけです!〉


 ルーが言うけどそんなのあり!?と思ってる間に技が終わり、


 「ぎゃん!?」


 『ブフ・ショット』が突き刺さりLIFEを0にします。抜け?移動しないからまた喰らうのが落ちですし。


《K.O!WINNER零士》


 『まだ見ぬ世界への渇望(私はまだ死ねない)』用のゲージが未だ溜まって居ないのですがどうしましょうか?


 〈相手も貯まってないのが救いですね。〉


 後はヴォルフのようにゲージに対する技を持っているかどうかが鍵です。


《ROUND1 FIGHT!》

 〈主様ぁ!!!〉


 遅かった。ルーの警告は本当に遅かった。何故私は忘れていたのであろうか

 『Battle Colosseo 外伝2~始まりのColosseo~』のアップデート版作品『Battle Colosseo 外伝2~始まりのColosseo NEO~』の家庭用版では彼らの後日談的なものがギャラリーで見れる。


 格闘王零士は第一回闘技会から第二回闘技会の間に何があったのか、悪の組織とかかわりあい持ってしまい卑怯な手などをそれとなく使うことでチャンピオンの名を維持ことに固執するようになった。


 同社のアクションゲーム『悪の組織をぶちのめそう!』という作品で隠しボスとして彼が出てくるという話をネットで見たことあるし、彼は悪の組織とやらに所属していると考えで良いのかもしれない。


 彼はフライングでゲージ溜めを行っていた。

 5ゲージ溜めていた彼の『ストロングキャノン』が私を貫いて私は倒れる。だってゲージ無いし。


 

《K.O!WINNER零士!》



 なんというか呆気ない幕切れではあります。

 フライング溜めを審判は見逃したのは何故か?ドクターのようにそれも『技』なのでしょう。世知辛いものです。     


 「正座しなさい。主様。」


 影からぬっと現れたルーが私へと正座を要求してきました。頬を膨らませています。

 まぁ、実際ルーの言う通り一撃合戦へと持ち込めば勝てた見込みはあります。それでも私は一撃合戦等ということはしたくなかったのです。


 そんな私の心情を察したのかルーは小さく微笑むと


 「おそらく来年も出てくるでしょう。ですからその時、ええ、その時こそ私の力をも使ってあの男を倒してしまえば良いのです。」


 それだけ言うと私に抱き着くようにして体を重ねてそのまま私の体内へと溶けていくように消えていきました。

 影へと消えるのと同じ動作なのになんか、こうグッと来るものがありますね。なんか慰められているというのでしょうか…

 ルーは重い。重いけどその分真剣に考えてくれているのでしょう。それはとてもありがたいことです。


 出会ったの昨日なんですけどね?



 こうして私の第二回闘技会は終わった。結果はベスト8

 来年こそは優勝すると密かに心に決めて私は観客席へと向かうのでした。 

「理不尽の塊である」←一撃数種、技抜け、復活技持ちかつ、最近新しい戦法身に付けました。

「………………。」

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