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7.vsドクター、脅威で狂気な変幻自在

 コロッセオ。今から私の第2回戦が始まります。


 昨日は緊張せずにぐっすりと眠れました。


 そして今日の服装も昨日と同じです。センスの欠片も感じ取れません。えぐえぐ。


 目の前に立つのは変幻自在と異名を持つドクターNEO。紫色の髪を七三分けして眼鏡をかけてるインテリ風なイケメンです。白衣を着て下が紫色のシャツとこちらもセンスがない格好をしています。


 まさにセンス無さ決定戦みたいな状況です。それなら負けても良いかなと思います。


 試合開始寸前となりました。さぁ、醍醐味の1つとも言える試合前の掛け合いをしましょう。


 「実験、開始ぃ~!!!」

 「なんの!?」


《ROUND1 FIGHT!》

 ツッコンダー。ツッコミしてしまいましたー。負けてしまった感が凄いです。ドクターNEOがなんかどや顔してます。まぁ試合では負けませんが。


 今回は簡単に要塞化に成功します。なにせドクターNEOは自己強化型。ほら、今も注射やら薬やらでドーピングしてます。


 ドーピングは試合中に行い次の試合の開始時に薬物反応が残ってなければ大丈夫となります。


 「キタキタキタキター!!これは世界が私を見てくれているぅー!SUPER MODE!!」


 バリバリ音がするドクターの身体はとうなってるのでしょうか?私、気になります!

 なんか飲み薬飲んだり…あ、銃を自分へと撃った。あ、煙が口から上がってるなんぞあれ。


 ……設置撒いてからゲージ溜めしてるのですが、そろそろ8溜まりますよ?そしたら『永遠に凍り続ける世界』撃って、2ラウンド使ってゲージを4本回収すれば勝ちなんですが。


 ―きゅいいいいいいいいぃぃぃんんんんんんんんん!!!!!!―


 五月蝿いです!というよりなんか光って……………。


 キュイン!


 ………え、死んだ?私が言うのもあれですが、また一撃必殺技ですか?ふざけてます?『まだ見ぬ世界への渇望(私はまだ死ねない)』使用判定のために与えられた時間で考えられることは少ない。『思考加速』ではないので。

 …使わずに次のターン一気に攻めましょう。        

《K.O!WINNERドクターNEO!》


 この状況をどう見るか。さっきのあの一撃の条件を考える。

 この世界では一撃には必ず制限がある。

 例えば、レイドラの『流星天牙爆裂拳』。私の『まだ見ぬ世界への渇望(私はまだ死ねない)』の情報と交換で教えて貰ったんですが、あの技相手が一撃を放った場合の次ラウンド専用カウンター技だという。

 最終ラウンドや1ラウンドとられた時だと意味をなさないと言える。


 例えば、零士の『ストロングキャノン』。最終ラウンド限定の5ゲージ技。最終ラウンドさえいかなければ怖くないとはいえ、彼の場合素の強さも高いために一撃はおまけと言える分類だ。


 例えば、私の『永遠に凍り続ける世界』。8ゲージ(・・・・)必要な当て身技。

 そもそもこのゲーム元々6ゲージがMAXです。人間成長するものというわけなのか、私のせいなのか、何人かは6ゲージ越えてますが元々6ゲージが限界なこの世界で8ゲージ必要なのは、100点満点のテストで120点とれと言われている様なものです。充分制約といえます。


 そして、今の攻撃は恐らく

《ROUND2 FIGHT!》

 きゅいいい――

 チャージが必要。ってまたですか!?

 ワープで一気に近付き片付けるべきか、いえ、近づくのは得策ではありません。今のドクターは完全ドーピングモード、近距離で闘おうだなんて正直きついものがあります。なにせこの状態ならレイドラですら10:0とか言われるほどの性能を誇るのですから。


 ならなぜ私がドーピングを許したか?

 それは私が遠距離弾幕型だからです。近寄りさえしなければそんなに怖くはないはずでしたから。


 「焼き払え!サラマンダー!」


 火球がなんか光って溜めてるドクターを燃やす。中断されるチャージ。やはりアーマーなんてついていませんでした。ついてたら無理だっ…いえ、設置サラマンダーぶっぱで余裕ですからむしろついてくれた方が良かったかもです。


 ドクターがこちらを見る。その目は獲物を見つけたかの様な狂気を孕んだものであった。

 「やはり魔法とは良いね!去年から君の魔法は興味深かったんだ、魔法の廃れたこの時代にそれだけの魔法を使う腕前、是非もっと見せてくれたまえ!」


 それ、試合前の掛け合いで言いませんか!!!それならこちらも対応したというのに…。


 ってドクターの姿がぶれる。その姿が虎になる、しかし私は慌てない。彼のその変身は姿しか変わらない(・・・・・・・・)事を知っているから。


 黙って要塞を築きクリスタルランサーを撃つ。

 虎の姿となったドクターはこちらへと突撃してくるが近寄ってくると同時にワープで距離を開ける。


 そのまま飛び道具でなぶり殺す。

《K.O!WINNERセレナ!》


 やはり遠距離で完封できそうですかね。

 なにか引っ掛かるというか、魚の骨が喉に引っ掛かるような感覚がありますが…。


《ROUND3 FIGHT!》


 「R2及び3、投薬。」


 注射が刺さる。油断はしていない。開始のときには後ろにいたのだ。


 「新たな魔法を見せていただくためにお教えしよう。今のは私の技である『幻想トリック』という技で一つの対象に完全なる幻想を見せるか複数の対象にそれなりの幻想を見せる技。私開始のときには最初から貴女の後ろにいたのである!」


 「複数幻覚で審判すら騙したというわけですか。」


 「そう!そして貴女へと与えた薬の内容は、ズバァーリー、『回復の禁止』『一撃の使用不可』である!復活も回復扱いだから虎の子の回復即死当身コンボは出来ないですよ!さぁ、新たな魔法を私にお見せくだされぃ!さぁさあ!それができなければ死になさぁい!」


 ワープで距離を開けつつ思考を巡らせる。…ゲージは『まだ見ぬ世界への渇望(私はまだ死ねない)』用に残しておいた6ゲージ。

 ドクターは距離を詰めにかかっている。さっきとは早さが段違いだ。


 一撃封印のせいで運ゲーグングニルも、運ゲー稲妻も出来ない………いや、さっき面白いことをドクターがいってませんでした?

 …………もしかしたら行けるかもしれません。というかこれしか方法はありませんね…、問題は先程私が騙されてなければ使用していたゲージは2ゲージ。後1ゲージは溜めなくてはならない。


 ………覚悟を決めましょう。ワープしてすぐに止まりゲージ溜めをするために集中をします。が、すぐに痛みがやって来ました殴られたようです、さらにそのままコンボへと繋げられて一気にLIFEが減っていきます、ギリギリのところで技抜け!


 「でぇい!」


 ギュイーン、とドクターを吹き飛ばす。同時に『守りを捨てし猛者』発動。ゲージを確認。ギリギリですが、なんとか足ります。


 では正真正銘運ゲーと参りましょうか、『我に真似された(パーフェクト)主が悪い(コピー)セレナver』発動。


 「八百長となるかどうか…稲妻よ!」

 パチンと指をならせば『運命を賭けて稲妻よ払え』発動。


 ドクターへと稲妻が落ちる。稲妻落ちれば対象は死ぬ。私の勝ちです。             


《K.O!WINNERセレナ!》


       


 先程何が起きたかですね、後でドクターへと話をする為にも纏めておく必要がありますし少し整理しておきましょう。

 今回私が封じられたのは『回復の禁止』と『一撃の使用不可』。

 そして回復にはゲージが含まれていなかった。これは回復というよりも溜めるという考え方のせいなのでしょうか?

 とりあえずこれが前提条件です。では考えていきましょう。 


 まず『我に真似された(パーフェクト)主が悪い(コピー)セレナver』で『幻想トリック』をコピーします。使用ゲージは推測道理に2ゲージでした。

 次に『幻想トリック』により【私をドクターと認識する】様に仕向けました。誰に?対象は()です。

 ドクターは私に言いました、「一つの対象に完全なる幻想を見せる」と、それならば天も騙せるかと思ったわけです。


 騙せるか不安でしたが結果は恐らく無事に騙せました。選択肢がドクターのみならば100%ですから、運ゲー一撃が八百長一撃へと変わったわけです。

 もしかしたら天を騙すことなど出来なかったのかもしれませんが、まぁ50%に勝てたということで今回は良しとしましょう。

 勝ちは勝ちなのです。価値ある勝ちなのです。

 …………………………。なんでもないですごめんなさい。


 そして、『一撃の使用不可』なのは私ですので天が放つ分には構わない様です。

 ただこれは際どいラインなんですよね。グングニルを利用したとして私が放った扱いになるのか、グングニルが放った扱いになるのか…、いえ恐らく私でしょうけど、投げるのも私ですし

 稲妻放つのは天ですし、私はあくまでちからを借りている扱いなのでしょうかね。これは実験して見る必要がありそうです。


 まぁ思考を巡らせるのはこらくらいにして、これでベスト8確定です。

 そしてトーナメント表を見る限り次の相手は恐らく伝説の格闘王零士でしょう。


 今から戦略を練る頭が止まりません。それほど楽しみです。


 なにせ今回の目標なのですから。                 

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