5.vs原作主人公1、外伝主人公でもやはり主人公
予選はなんなく終わる。
強い人も居たけどヴォルフやアメリアちゃん程の実力者はいなかった。
本選は32人の勝ち抜きトーナメントで行われる。ヴォルフやアメリアとは別のブロック。会うとしたら決勝戦ですか。
私の1回戦の相手はレイドラという男。
…レイドラ!?
『Battle Colosseo 外伝2~始まりのColosseo~』の主人公(1Pのカーソルが初期位置に存在しているキャラ)じゃないですか。
オレンジ色の胴着にくすんだ金髪をもつ勝ち気な表情の男だ。いかにも強そうな風格を携えている。
「さぁかかってこい!」
「お相手、よろしくお願いします。」
《ROUND1 FIGHT!》
「天牙爆裂拳!!」
拳からオレンジ色の衝撃波が飛んでくる。
ワープで避ける。開幕超必殺技撃ってくるとはなんという思いきった事を…、私がワープ持ってなかったら危ないとこでした。相手は走ってこっちへと距離を縮めようとしてくるのでワープで距離を拡げようとします。
あれ、なんか距離縮まってるんですが。ダッシュ力ありすぎじゃないですかねぇ。
というか、私、牽制技打てなくて厳しいんですが。ええい、しょうがないですね。
出来る限り離れた場所へワープしたらゲージをためます。集中!
痛ぁ!アッパー喰らって痛いです。ってあれ、コンボしてこないんですか?バックステップで下がっては牽制飛び道具から走るor前転で近寄ってアッパー、バックステップってあれ?私、公式戦で技抜け披露してないよね?
やばい、このままでは私タイミング掴めずってやば、『まだ見ぬ世界への渇望』及び『黄泉より蘇りし我が怒りの鼓動を聞け』発動!
「な、まさかコンボ喰らう間もなくLIFEが0になるなんて。」
「去年も使っていたなその技。しかし1ラウンドになんかいも使える技ではあるまい!」
正解です!とは言え殴られつづけても良いことはないし、とりあえずこのラウンドは貰おう!
「とりあえず、一殺!」
『永遠に凍り続ける世界』発動。
相手の牽制小パンチに重ねて発動する私の十八番。これ本当に優秀です。
《K.O!WINNERセレナ!》
「まだ、始まったばかり、でも、もうじき終わる。」
ゲージ的な意味で。15-8=7。つまりあと2ラウンド以内に1ゲージ溜められれば私の勝ちな訳です。
正直『永遠に凍り続ける世界』『黄泉より蘇りし我が怒りの鼓動を聞け』『まだ見ぬ世界への渇望』の3コンボは卑怯だと思う。なんとも言えない勝確技ですし。
《ROUND2 FIGHT!》
「流星天牙爆裂拳!!!」
《K.O!WINNERレイドラ!》
……………………………………………………………………え?ちょっとまて。
開幕青い波動が飛んできて私を貫いたんですよ。なんですそれ。
開幕一撃とか聞いてない。レイドラにそんな技はなかったはず。
…原作空白期だから新技の可能性がありましたか。まさか相手もそんなバグみたいな技を持ってるとは。
《ROUND3 FIGHT!》
今度はあの一撃を放ってこない。
私の『黄泉より蘇りし我が怒りの鼓動を聞け』のように特定条件でゲージをMAXにする技を持ってるのかも知れないし『まだ見ぬ世界への渇望』のように回数制限があるのかもしれない。。さっきゲージを確認してる暇なかったし……………ん??え?ちょっと待って、ゲージなんか減ってない?相手が0なのはまぁわかる。でも私も2まで減ってる!
さっきの一撃ってまさかゲージも削るの!?全部減ってないのが幸いだけどってもう来たぁ!
「喰らえアッパー」
「吹き飛びなさい!」
アッパーに合わせて特殊抜け発動。ギュイーンと音をたててレイドラを吹き飛ばす。コンボと違って単発技は抜けるタイミングが難しくて怖かったけどセーフ。なんとか成功しました。
折角出来た隙を大事にしたいので、ノームと設置サラマンダーを手早く撒いてしまいます。
しかし、レイドラも流石は本選出場者。ノームはジャンプで、サラマンダーはNGで処理され、牽制飛び道具のオレンジ色の波動が飛んできます。
こちらのクリスタルランサーと相手の牽制飛び道具が相殺し合う。
ちっ!相手のがNGのお陰でゲージ回収率が良い。
ゲージ溜め合戦に追い込めるか?いや、相手からすれば1ラウンド目私を殴り殺したおかげで私の脆さを知ってるし、『永遠に凍り続ける世界』を警戒して乗ってこないでしょうね。なら、
「グングニル!」
ここからは色々と綱渡り。
ガー不の槍が相手を突き刺し倒す。
設置サラマンダーを相手のダウンに重ねる。無論NG。ふざけんな。
「虎砲!」
「ぐぶぅ?!」
そこそこ近い距離からゲージ飛び道具撃って来やがったこいつ!
予想外で反応が遅れた、今のLIFEとゲージは!?206と2。相手は約70%と1。
妖怪いちたりない!呼んでないのですからここにまで来ないでください!
仕方がありません、
「雷よ、払いなさい!!」
私の声に従い天より雷が落ちてくる。私に。
運ゲーには勝った!去年に引き続き賭けに負けたように見えるかもしれない、でも違うのです!
ノーゲージであるこの技、威力は90ちょっとほどで私のDEFだともうちょっと喰らうけど耐えきれる。
これで、『守りを捨てし猛者』発動!ゲージが一気に増えていく!
ノーガードでなくてはいけないという制約がきついけどその価値はあるこの技能。特にゲージ依存な私には奥の手に近い。このLIFEになることが滅多にないけど。
あのLIFEでガード出来ない私が相手の攻撃を上手く捌いて生きていられるとでも?ここからは当たったら最期です。
レイドラも私のゲージが異常なまでに溜まっていくのを見て顔色が変わる。
だが、何かをするにはもう遅い。
「グングニル!!!」
本日2度目のグングニル。ガー不のそれはレイドラを行動する前に貫いて…ガキン!
グングニルNG!?ヴォルフですら成功率2%程度のそれをこの状況で行ったというの?主人公補正でも持ってるんですか!?
この体力で『永遠に凍り続ける世界』を狙うのは恐い。外す気はしないけどタイミングミスったら終わりな上にゲージをそこまで溜められる気がしない。ゲージ溜まるの待ってくれるわけでもないし。
「お前は強敵だ間違いない、故に俺もこの技を出す!」
!?やばい、相手のゲージ的にレイドラが出すのは攻撃時完全無敵の
「タイガァーボンバァー!!!」
師匠のジングから受け継がれし虎の一撃をレイドラが放つ。
虎のオーラを纏い突進をしてくるレイドラ。ワープも間に合いそうにありませんし、ガードはできない、抜けもこの突進は多段ヒットではないために意味をなしません。故に本当に、本当に仕方がありません、ゲージはギリギリ足りそうですし
ごめんなさい。
「『我に真似された主が悪いセレナver』発動!タイガーァーボンバー!!」
『タイガーボンバー』を真似て無敵同士でやり過ごす。魔法技では無いのでゲージが倍必要なのは辛いですが致し方ありません。
「な、っっっ!?俺と、同じ師匠の技を!?何故!?」
その隙をいただきます。
ワープして距離をとって、時間稼ぎのノームと設置サラマンダーを撒き、それを持ち直したレイドラが潜り抜けてくるのを瞬時にワープで近づいて投げる。
私の最後の砦、唯一の接近技とも言るこの技はワープで近づき現れた瞬間に掴んで投げる。ただそれだけ。それだけだけど、NGもガードも出来ない投げです。そして投げてしまえば、
「焼き払え!サラマンダー!」
投げ飛ばされたレイドラを焼き払う衝撃が襲う。それは割合ダメージのサラマンダー、出してすぐ爆発させた。一気に半分近く減るレイドラのLIFE。もうここまで来れば勝負は決まった。
永く、苦しくも、楽しかった闘いもこれで終わり…。
「頭を垂れよ!サラマンダー!」
ダウン追い打ち効果のあるサラマンダーがダウンしたばかりのレイドラを襲い…
《K.O!WINNERセレナ!》
勝利のアナウンスが聞こえる。。
………勝った。勝った!!勝っっっっったぁぁああああああ!!!
初めて、闘技会本選で勝てた!それもレイドラに!
やばいです、これは予想以上に気持ちいいいい!
「見事。私を追い詰めたものです。もう一度言います。見事。」
勝利台詞は忘れずに言いました。これは誇りですから。
「見事。私を追い詰めたものです。もう一度言います。見事。」←昨年一回戦敗退
「………。」←昨年準決勝敗退
格上に対して煽る主人公の図