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14.vs昇り龍、波乱のオークション会場、嫉妬するのは好きだから

 天空都市ワーシン。どちらかといえば物流や人の中継点と言える都市であり転移ポータルや他の天空都市への連絡便などが数多く出ている天空都市である。


 その為ローマンと比べると観光するには適していないものの、様々なものや人が流れてくるだけのことはあり、商店街を見て回るだけでもそこそこならば楽しめるし、何よりもこの都市にはオークション会場がある。


 オークション会場は24時間やっていて、いく時間によっても出ている商品が変わるため暇が出来たらフラりと立ち寄る人が続出する人気施設だったりします。

 


 「オークションに行くんですよね。そういえばこれって売れます?」

 「あったのう、そんなものも。」


 マライアちゃんが出したのは氷山フェンリルで採れたという透明な結晶。


 「私と闘技会TAGの部でで優勝してからにしましょう。そうすれば話題性も相まって高く売れると思います」


 マライアちゃんとのTAGで負ける気はしません。相性が良すぎるのと、契約者二人というのがあるのでしょうが


 今回の目的は服です。私とマライアちゃん、モジャアモジャ、アルカの衣装を整えたいですから良い服ないかなーって。布でも可ですよ?良い仕立て屋をローデンさんに紹介してもらえば良い事ですし。


 オークション会場である白い建物へと到着。

 実は私このオークションには参加したことありませんが会員なんですよね。出品者として登録してありますのでその証のカードを見せます。

 私と一緒に三人まで入れるとの事なのでマライアちゃん、モジャモジャ、アルカの三人と入る事に。私達の服のためですから一応。

 ドクターとジング爺とナハードはなんか適当にふらついてるそうです。

 先程ルーとアーディアがじゃれ合いながら何処かへと行きましたし、ナハードの護衛をジング爺にしっかりと頼んでおきます。


 施設に入ると突然私の手の中に一本の槍が顕れます。

 ナハードのお店のときといいまたですか?!


 

 「最近グングニル出すぎじゃありませんか!?」


 「物騒ですよねー」


 「…その槍投擲用なんだよね、なんか嫌なことあった?」


 別に投げ槍な気持ちにはなってませんから安心してくださいよー。


 このオークションでは様々なものを取り扱っており、幻のギターや伝説の武器といった物から昨日採れた無農薬野菜や天然物の鰻など売っています。


 視聴席へといき、たまたま空いていた席へと座りオークションを見始めます。


 《お次はなんとー、最近頭角を現してきたストリートファイトの星ケンノのサインだー!》

 《お肌が荒れちゃう、そんなときに創業78年のコロンクリームはどうですか?》

 《俳優ローリーコンが使ったサングラス。希少価値がついてます!》

 《天然氷で作ったかき氷が有名なナツメ屋のかき氷一年間食べ放題パスポート》

 《本日目玉の一つ、ヴィアインの時計だー》

 《今年の闘技会の観戦チケットA席三枚組並んでいます。》

 《高級羽布団セットいまなら枕カバーもつくぞぉ!》

 《お次は地上にある『楽園』の家丸一つの譲与権利を得るための権利の出品だー》


 は?貰う為の権利を得るために権利が必要なの?

 結構どうでも良いものが多く、目当ての品が出て来ないと思ったらなんか面白そうなものがきた。 


 《マスターシェンロンに勝てれば家がもらえます。ただし、負ければなにも貰えません。その野良試合を挑むための権利の出品となります。10000から》


 「20000」「22000」「23000」「27000」「50000!」


 50000とか空気読めないやつがいるよって?私ですがなにか?

 50000で家が手に入るなら安いですしマライアちゃんの家に居候していましたが小屋なくなってしまいましたし。

 ちょうど拠点を手にいれたかったところなので渡りに船です。


 野良試合なら私が負けることは無いでしょうし。だって呪術とかクリスタから教えてもらったちょっとした技術とかのお陰で私開幕5ゲージ(・・・・・・)溜まってますので。


 《50000を入札したID:11724197さんが落札だー。今ここでの闘いとなりますが良いですかー?!》


 ここで?!やるとしてももっと別の場所かと思ってました

 うーん、どうせだし聞いてみよう


 「BGMはありですかー!?」


 《おおーぅ。BGM持ちかぁ!良いぜぇ、マスターシェンロンは強敵だ是非ともたおしてくれよ、チャレンジャー!!》


  

 「と言うわけですので、拠点を獲るために行ってきます。アルカBGMは任せましたよ。」


 「どうせ闘技会となったらコロッセオでひくのだし、構わない。」


 「ピアノずっと背負ってたよねそういえば。」


 「ふむ面白いな、これも一興か」


 ピアノを下ろして弾く準備をしてます。


 「がはははは、威勢が良い嬢ちゃんじゃねえか、それに『浮遊』持ちたぁ珍しい。……まぁ精霊と契約してるってのがもっと珍しいか」


 マスターシェンロン。白い髭を囃した白髪の厳ついおじさまですね、ただその鍛え抜かれたその身体から溢れるオーラはかなりのものですが。


 ジング爺が凄い人物だったということが良くわかります。相対しただけでもわかります。

 マスターシェンロンはレイドラやザゴンよりは強い。零士と同じかそれ以下といったところでしょうか。


 そのマスターシェンロンよりも確実に強いといえるのがジング爺です。

 あの人は零士よりも強いですから。


 ちなみに私は一撃が多すぎるために比較してはいけないと思いますよ?

 試合形式でなくてもグングニルや稲妻といった即死技を使えますしベクトルが違うんですよね。


 精霊の事を知っていることからも強者であることが窺えます。


 《今回はLIFE150%の開幕ゲージMAX一本勝負だ、さぁ準備はいいな!》


 「いざ、尋常に!」

 「勝負!」

《ROUND1 FIGHT!》

『BGM:アルカオリジナル曲27』

 BGMが聞こえます。それっぽい曲ですが私らしくはないですかね。まぁ無茶ぶりに答えてくれただけでも彼女と契約した意味はあった

 蹴りがくる。回避は間に合わないので氷壁をだして防ぎます。クリスタ直伝の技ですよこれ


 「流石に少しはやるじゃねえか!ならまだまだいくぜぇ!!」


 「遠慮したいですね、サラマンダー!」


 ワープして距離をあけすかさず設置サラマンダーを置きます。


 「設置なんぞしゃらくせえ!」

 「設置拒否ですか!?何でこの世界の近接特化の方はそういった小技を持っているのです?!」


 腕を振るって設置を除去されてはサラマンダーさんも活躍出来ません。


 契約執行をする程のことではありませんしどうしましょうか…

 即一撃はいさようならはつまらないでしょうし


 「とりあえず弾幕で削りつつゲージ貰いますね。」

 「ガハハ。ふざけおって前に進みにくいじゃねえか!」

 「進みにくいだけでNGしてノーダメじゃないですか!しかも全弾」


 このまま少しずつ近寄られてしまうのかな?とか思っていたのがいけなかったでしょうか、


 舞台の下から炎で包まれた一振りの剣が舞台を突き破って現れます。

 同時に私の前へと現れるグングニル。


 ―         ―

――               ―

 ―        ―

 ―              

 ―         ―


 なんか、喋り声が聞こえ……?


 〈うわぁ…レーヴァテインじゃんあの剣〉


 何時のまにやら帰ってきていたアーディアが視聴席にてぼやいてますね。なにか知ってそうですがこちとら試合中なんですよね。


 剣をグングニルが吹き飛ばしそれを追尾するように去っていきました。


 …………………さて、


 「……試合を続けましょうか?」

 「……そうだな」


 とはいっても今のでお互い攻める気力が無くなってるんですよね


 舞台に空いた大穴それを挟んで対峙している以上私が圧倒的有利ですから。


 「その穴の真ん中で砲台しても良いですか?」


 「ふざけろ馬鹿野郎!」


 「まぁそうですよね。でもどうします?私は見ての通り遠距離型なのでそちらに渡るとか嫌ですよ?」


 「だよなぁ。しょうがねえ見せてやるよ、昇る龍というものをな!!」


 「龍降臨(ドラゴンインストール)!!」


 身体が赤く染まり龍のシルエットが背後に見える気がします。

 目付きが更にやばくなりました

 何よりも身体強化がされていくのが目に見えてわかります。  


 「龍はなぜ昇る火知ってるか?」

 「昇ってないとカッコ悪いだろぉ!それと同じさ、俺は今、昇り龍となる!」


 闘気が目に見えます、ヤバイですねあの量見えるって半端ではないですよこれ。


 「仕方ありません、私も少しお見せしましょう。今、私は流星となる!」


 「昇り龍の通り道ぃ!!!」

 「天呪氷殺拳in流星キィィーーック!!」


 地上から穴を飛び越えるかのように飛び上がり、全力の空中体当たりを放つマスターシェンロン。

 一気に空高く飛び上がり、先に放った暗い水色の波動へと追いつき飛び蹴りを重ねて一つの技へと昇華させて、放つ私。


 ぶつかり合う私達。爆発音。痛みが一気に襲ってきて吹き飛ばされる私達。


 そして、『まだ見ぬ世界への渇望(私はまだ死ねない)』が発動して起き上がる私。


 開幕ゲージMAXの変則ルールでなければ引き分けでしたが、技能の差で勝てました。あとあの突然現れた剣のお陰もありますが。


 「どうも、ありがとうございました。」

 《見事勝利を得たのはチャレンジャーセレナだぁぁぁーー!!!》


《K.O!WINNERセレナ!》


 「良い曲ありがとうございましたアルカ。家ゲットしましたよマライアちゃん!」

 「今度はちゃんと詰めておこうね曲。」

 「あははは、布も服も手に入れずに家を手に入れてしまったねー。」


 笑顔でマライアちゃんに毒を吐かれました。


 「そうですね、私用にしっかりと専用曲を作っていただきたいですし。」


 戻りアルカたちと話をしているとマスターシェンロンがやって来た。


 「ガハハハハハ、やるじゃねえか嬢ちゃん、この空にもつええやつは居るもんだな。今年の闘技会は俺も出るぜ!」


 とか捲し立て、一枚の券をくれました。どうやらこれが引換券となっており『楽園』の総合案内所とやらに行けば場所教えてくれるそうです。


 そういえばマスターシェンロンは精霊の事を知ってましたね…聞いてみましょうか。


 その瞬間視界がネジ曲がりました。



 「!?」


 世界が塗り変わる。この感覚は前、ルーと闘ったときに感じたのと同じで、景色がどんどん変わっていきます。この間と違うのはぐちゃぐちゃといろんな色を混ぜた感じがするところでしょうか。


 直後私の身体のみが沈む。マライアちゃんとモジャモジャは塗り変わった世界に降り立てたというのに私は沈んでいくんですか??


 沈んでいると誰かに手を掴まれます。


 「本当はもっと親睦を深めてからがよかったんですが、主の危機とあれば仕方ありませんね。」


 気の強そうな白髪ポニーテールで棒つきキャンディーをくわえた女の子が赤い蝙蝠のような翼を出して私の手を握ってました。


 「わかると思いますが主、あの泥棒剣とは話がついたので後で紹介します。そんなことより、主かなり状況になってますよこれ」


 「…………………グングニル?」


 「ええ、主がこの世界に来た後はじめての相棒となったグングニルです。ところで闇精霊を今呼んでみて下さい」


 言われた通りルーを呼ぶが来る気配がない。おかしい、いつもなら呼ばなくても来るはずなのに。


 「多分このオークション会場その物に張られている罠かと。精霊喰いと呼ばれる精霊を捕らえて少しずつ補食して行く怪物がいるのですが恐らくそれがこの会場に潜んでました」


 グングニルだという彼女が私をしっかりと握りしめ直す。


 「この空間に来れるのは本来精霊のみ。ですが精霊二人は契約者が近くにいた為に契約者ごと連れてこれました。そして主は精霊扱い(・・・・)されてます。その為に闇精霊無しでもこの空間にこれました。」


 「もしかして、ルーは今補食されていますか?」


 「恐らくはそうでしょう。そして、今助けなければ主もあのまま補食されていました。」


 何処か足を着けるところに辿りついたようです。私には全部絵の具をぶちまけたような空間が続いている様にしか見えないためにわかりませんが。

 グングニルが私を立たせてくれます。


 「主、さっきもいったけどもう少し本当は親睦を深めておきたかったけどこのままだと主はまともに闘えない。精霊でありながら力を発揮できない主に対してこの空間はあまりにも毒過ぎる。将来的にはするつもりだったし、早まるだけだと思えばなにも苦ではない。だから」



 「契約しよう、主」

「こちらにて出品物お預かりいたします」

「…これは出すものではない」←ピアノ背負い


というやり取りが最初あったとか

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