3-1 《死ぬことはできない》
しょう子:人間は何のために生きるの?
A:これまでのところをまとめてみるよ。
しょう子:はい、お願いします。
A:神は自分自身つまり神性を体験したいと願い、神性を展開して宇宙を創造した。
人間はいわば神の分身で、魂-精神-身体からなっている。
人間が人生の中で、様々な出来事を通じて神性を体験することによって、神は自分自身を体験的に知ることができる。
神性全てを体験しつくした時、魂は神の分霊として完成し、母体である神に帰る。
しょう子:人間の生きる目的は神性を体験することなのね。
A:そのとおり。もう少し現実的にいうと、生まれ持った個性とか人間性を人生の中で成長完成することが、人間の生きる目的なんだよ。
しょう子:何のために人間性を成長させるの?
A:魂が神に帰一するためだよ。
最初に、神によって宇宙は創造されたといったね。その宇宙は、物質的な世界と霊的な世界からなっている。
物質的な世界とはこの現実世界で、霊的な世界とはよくいわれる霊界のことだよ。
人間が物質的な世界(現実世界)に生まれる時、魂はその個体に宿る。そして「死」といわれる時に、個体から魂が離れるんだ。
しょう子:「死といわれる」って、変ないい方ね。
A:ふつう「死」というと、消えて無くなってしまうようなイメージがあるだろ。だからわざわざそんないい方をしたんだ。
しょう子:じゃあ、死によって消えて無くなるんじゃないのね。
A:死は「生命の形」を変えるだけで、消えて無くなるのではないと、『神との対話』ではいっている。
しょう子:形を変える……
A:霊的な形に変わって霊的世界に行くということだよ。
だから物質的な世界から霊的な世界に移る通過点を死といった方が、より近い表現だろうね。
しょう子:通過点……。
A:霊的世界は、現実世界で体験したことが反映され、魂の成長度合いに合わせて、それぞれの世界を創り出す。
しょう子:霊界に行って、魂はそこに永住するの?
A:(笑)。永住とは面白い表現だね。答はイエスともノーともいえる。魂がどうしたいかによるんだ。
しょう子:どうしたいかって?
A:「魂は母体の神に帰ることを目指す」と前にいったよね。そのように創られている。
神に帰るには、魂は神性全てを完璧に体験しなければいけないんだ。体験途中の魂が、体験を完璧にするにはどうしたらいいと思う?
しょう子:もしかして……、人生を繰り返す?
A:当たり!
しょう子:そうか。それで前世だとか、生まれ変わりだとかいうことがあるんだ。
A:魂は、それを自分で決める。今のレベルの霊界にとどまるのもよし、さらに上を目指すのもよし。
ただし、どの魂も母体の神を目指しているから、体験途中なら、そこに永住はしないだろうね。
著者のニールさんは、今、648回目の人生を歩んでいるといっているんだ。
〈つづく〉




