6-1 《宗教のことは忘れなさい》
しょう子:『神との対話』の内容は、キリスト教の教えとはだいぶ違うのね。
A:そうだね。セックス観だけ見ても、大違いだったね。
しょう子:既成の宗教はそれに反発しないの?
A:著者ニ一ルもそれを心配していっているよ。「こんなことをいったら、イスラム教では、冒涜罪で死刑になってしまいますよ」ってね。
しょう子:死刑……。
宗教については、『神との対話』ではどういっているの?
A:「宗教のことは忘れなさい」といっている。
しょう子:えっ!それって、宗教はいらないってこと?
A:そうじゃないよ。既成の宗教が今の世界を作り上げたのだから、それが今はうまくいっていないというなら、宗教のことは忘れなさいといっているんだ。
しょう子:忘れてどうするの?
A:自分の内なる声、霊性に戻りなさいというんだ。
しょう子:霊性に戻る……。
A:『神との対話』では、キリスト教、イスラム教、仏教などの既成の宗教を指して、「組織的宗教」と呼んでいる。
それに対して、個人の心の内にある信仰心、宗教的な心を「霊性」と呼んで、「組織的宗教」とは区別しているんだ。
しょう子:たしか初めのころ、宗教心についての意識調査のことをいってたわね。
A:2008年にNHKがした日本人の意識調査のことだね。
魂やあの世といった“宗教的なもの”は、若い人ほど信じている人が多い(半数くらい)という結果が出たんだったね。
しょう子:その“宗教的なもの”というのが、霊性ということかな?
A:そうともいえるだろうね。
しょう子:自分自身の内にある宗教心に戻りなさいということね。
A:そう。
既成の宗教も、初期の頃は、内にある霊性を大切にしていたんだ。ところが長い時間がたち組織化が進むうちに、その本質からずれてきて、今ではぬけ殻のようになってしまっているというんだ。
しょう子:初心に帰れ。
A:神は、すべての人間に平等に語りかけ、導いている。
人間の魂と神は通じているから、心の奥深いところにある魂で神を訪ねれば、神を見いだすことができるというんだよ。
それが自分の内なる霊性に戻りなさいということなんだよ。




