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『自信作』

掲載日:2026/10/23

 企画の立ち上げから、ずっと頭の中で『自信作』を考え続けておりました。

 期は、熟した。

 開始一日前に、一気に書き上げました。


 創作意欲を取り戻すには「締め切り」が有効だと思います。

 これこそ、まさに「先人の知恵」なのです。

 自信作(こじんきかく)の季節(うけつけかいし)になった。

 あの人は、天才だけど、変態だからなぁ。

 なかなか、満足させられるものを創作するのは、大変な事である。


 とりあえず、服をみな、脱いだ。

 い、いや、俺は変態ではない。

 妙なシガラミやプライド、ウケ狙い、余分なモノ、イラナイ考え。

 こうしたものを全て脱ぎ捨て、裸一貫、心機一転で創作に臨む。

 大切な事だと思うのだ。

 つまり、まずは身を清める、という訳だ。

 誤解してはいけない。

 そう、それは、やましいことを考える(おまえら)方に責任があるという訳である。

 最近の創作AIさんやイラストAIさんは、ポリシーポリシーとやかましいのである。

 そんなにポリポリしていたら、客が誰もいなくなるじゃないかと心配しそうになるのだ。

 いや「変態はお前だけだから何の問題にならない」と、たかがAIごときに説教されそうなので、このくらいにしておいてやる。


 それはさておき。


 裸の肌に、塩を摺り込む。

 手で塩を掬い、丁寧に、撫で擦るように。

 全身をくまなく、白く清く、覆いつくすのだ。

 故に、裸になる必要がある。当然だろう。

 だから、邪心を抱くような輩は、ポリシーポリシーと……(それはもういいってば)

 ぬくもりあるルームに入って、じっくりと汗を流す。

 ご同輩も、続々と入ってくる。

 みんなで、タップリ、汗を流していくのだ。

 世の中のしがらみ、義理人情、上下関係、人としての情愛、生理的な嫌悪感……

 そうしたものは、全て、汗となって、全身にまぶした塩と共に、流れ去っていく。

 すべて流れていく中で、一つだけ残るものがある。

 『自信作』へのプレッシャーである。

 いや、これはそのための儀式。

 そうやって自分を追い込み、汗を流し、身を清めた上にこそ訪れる至福。

 それこそが、そう、それこそが『自信作』ではないだろうか。

 そう、そうにちがいない。そう思いませんか?

 それをだな。いとも簡単に作れるからといって、AIに丸投げするだなんて、あまりにヒドい、あまりに冒涜だと思わないのですか?

 あ、あの人はAIに賛成派だったな。

 イカンイカン、作品の内容ではなく、ポリシー(かんがえかたの)違いだと言われて排除されてしまうではないか。

 だってさぁ、そんな機械的な市販品みたいな作品なんか、ツマンナイじゃないのさ。

 やっぱさぁ、こういうのは人間が書いてナンボだと思うんだよネェ。

 ……こうやって文体をまぜまぜしてやれば、実はこれ、AIが書いたとは思われないに違いないのだ。

 ふふん、どうだ、参ったか?(なにいってんだ? 実際、メッチャ手書きじゃないか)


 この施設(きかく)、温泉もあるのだよ。

 もちろん、天然である(しいな ここみな)のだよ。

 塩化物・若干の炭酸水素要素も含まれる、冷泉系である。

 ただ、かけ流しじゃないのが、少しだけ残念ではある。

 こちらの温泉も、ご同輩とともに、じっくりしっかりと漬かり込む。

 人気があり過ぎで、常にイモ洗いのよう(みんなよくやるよ)な状態ではあるのだが、そこがいい。

 みな『自信作』を書きあげたい、そこにあやかりたいと思っているらしいのだ。

 理由?

 おれが、そう思っていることが、何よりの証拠ではないか。

 他の人の考えなど、おれごときがはかりかねるなど、無理無理絶対に無理。

 しかし、その行動は、その考えを、その思いを、その作風を、その変態ぶりを、つまびらかに明らかに、おてんとうさまの下にさらけ出すものだとは、思わないのですか?

 だからこそ、温泉(こじんきかく)は、いい。

 だからこそ、温泉(こじんきかく)は、裸の付き合いなのですよ。

 偉い人には、それが分からんのですよ。足なんて、足なんてどうでもいいじゃありませんか!

 ……何を言ってるんだ? 

 これは『自信作』なんだぞ?

 そんなことで、大丈夫か?

 いや、大丈夫だ。あの人は、どんな駄作でも、かならず最後まで目を通してくれる。

 そうに、違いない。(と、この辺でプレッシャーを掛けておこう)


 さっぱりして、湯から上がり。

 とりあえずビールと行きたいところだが。

 まだ『自信作』の構想を練り上げていないのだ。

 テイストは、甘い甘い恋愛ものにしようか。

 それとも、酸っぱい失敗経験談にしてやろうか?

 じっくり練り上げられ、熟成した人生の深みをチョイスしてみようか?

 ひたひたと、塩辛い旨味で浸してみるのも、面白い。

 ピリリと辛い要素も、欠かせないな。

 柑橘系のさわやかなキャラクターも、加えてみようか。

 うん、創作、楽しいなぁ。


 そんな作者としての考え、思い、熱意、情感、技術、能動、変態性(それは必要なのか?)。

 計り分け、配合し、調整し、混ぜあわせたファクターを。

 両手で、この腕で、この頭で、揉み込んでいく。

 透明なモニターの中が、やがて、おれの創作物で染まっていく。

 あふれる息遣い。

 作品に込められた思い。

 ブクマを、評価を、おくれよ!(ん?)

 それらが、命を得て、一個の生物として、この世の中に生まれいづるのである。

 これこそ、創作の醍醐味。

 こんな楽しいものを、AIさんに任せきりにしてしまうだなんて、なんたる喪失、なんたる失態だろう!

 ただし、今ここで、よし、できた、うん、傑作!

 などと、そう思ってはならない。

 今はまだ、勢い任せに仕上げているだけ。

 じっくり、保存して。時間が経つのを待て、待つのだ、待つのだよ。

 アラや練り込み不足、ツッコまれどころなど、そういう人間としての雑味は、後から気付いたり、現れたりするのだ。そういうものなのだよ。

 時間を掛けて、後から見直すことで、その良しあしも分かるし、今後の参考にもなるのだ。


 よし、完成。

 いい出来だと思う。

 これこそ、おれが胸を張って言える『自信作』だな。

 さあ、たんとお食べ。たんと、おあがりよ!






 カリカリ、ポリポリ。

 シャクシャク、ゴクン。


 いい漬かり具合だなぁ。

 日本人は、やっぱり、漬物でしょ。

 手作り(にんげん)の味(そうさく)を覚えちゃうと、市販(AI)の作品をわざわざ購入して食べよ(よも)うだなんて、全く思わないね。


 おととしくらいから始めた、自家製の漬物づくり。

 今年も、美味しい漬物を、漬けちゃうんだもんね。

 まさに、おれの『自信作』。


 なんか、文句でもあるの?



                    (おしまい)



挿絵(By みてみん)


 企画者ですので、色々な作品を読まれるのだと思います。

 本作品は、箸休めに、ドウゾ。


「先人の知恵」=お漬物の作り方

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― 新着の感想 ―
白河さん、こんにちは。先に言います、 めちゃくちゃこの後日本語おかしくなります。ちゃんと読み込んだ上で感想を書いてますが、日本語おかしいです。 この作品を読んで思ったんですけど、内容はイマイチ掴めな…
初めまして。この企画、参加してみたいなと思いまして、まずは読んでみようと最初に読んだのがこちらの作品でした。 いきなり企画主が変態だとぶっちゃけ、続けて作者様も素っ裸になり……。あれ、どうしようノリ…
ラストにびっくりΣ(゜Д゜)思わず笑ってしまいました。
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