第16話 2日目終了です
なんと!焼肉の出来上がりだ!焼き鳥かな?兎の肉は鶏に似てるって言うし。魔物はどうだろう?
焼き鳥なら、タレがあると美味しいのになぁ。でも塩でも美味しいよね?何も味がないと、ちょっと……。
『ああ、もう!勝手に何するのよ!私は生の方が好きなのに!焼くとぱさぱさして嫌なの!』
1つの肉の塊を雪ちゃん、月ちゃん、花ちゃんがかじっている。3つに切り分けて上げればよかった……。
『うむ、他にも狩りをしてくるかの。スターマイン、妾たちは行くが、一緒に来るか?』
「行くって?」
『扉のあちら側じゃ』
そう言えば、雪月花ちゃんは扉から出てきたんだ。1ミリの厚さのペラペラな扉から。
雪月花ちゃんが扉の前にたつと扉が開く。中をのぞくと、階段だ。
「あ、階段。ということは安全な場所だっけ?」
『安全?まぁ、妾たちの住処だからの』
『他の魔物は恐れて近づかないわよ』
「そっか。じゃあ、一緒に行ってもいい?そろそろ眠ろうと思うの」
ログアウトするという意味だけど、ダンジョロイド的には眠った状態になる……という説明で大丈夫だよね?
『ねんねするのね、雪ちゃんスターマインといっちょにねんねするっ!』
『その前に狩りじゃ』
『もどったら一緒に寝ましょう。好きな場所で寝てね』
扉の向こうへと足を踏み入れる。
「ありがとう。じゃあ、えっと、1日のほとんどの時間を寝ないといけない日もあるから、次にいつ目が覚めるか分からないけど心配しないでね?気を付けて狩りに行って来てね」
階段の踊り場で別れを告げると、雪月花ちゃんは狩りのため階段を下りて行った。
「住処だって言ってたから、また会えるんだよね?えへへ……」
ペット不可のマンション暮らしだからあきらめていたけれど、夢だったんだ犬と暮らすの。
まさかその夢がダンジョンの中で叶うとは!……でも待って、勇樹が戻ってきたら代わりにログインする必要もなくなっちゃうんだよね?
時々代わりにやらせてもらう?いや、自分でもダンジョロイド買う?
……いや、車くらいの値段するし、維持費もかかるし……。勇樹みたいに配信もできないし。だって、魔物と戦うなんてできないんだもん。
でも、雪月花ちゃんにはときどき……いや、毎日会いたくなっちゃよね。すごくかわいい。
お話もできちゃうんだよ?
あ、しまった。配信中だった。
……どうしよう、今日の配信、絶対つまらなかったよね?
薬草探してふらふらして、花冠をせっせと編んで、犬と戯れただけ……だ。
怖くて配信の画面が見れない。コメントとか見る勇気もない。
何人見ていたかすら見るのが怖い。
本当に、勇樹、ごめんね。動画登録者数激減してたらどうしようか……。
マイクロドローンに顔を見せて、両手を合わせてごめんなさいっ。
えっと、それから。
「ま、また、見てね?」
声は聞こえないだろうけど、それだけ言って慌ててログアウト。
VRゴーグルを外しコックピットから出る。
風呂につかりながら、ふと思った。
「あ、でも雪月花ちゃんかわいかったし、もふもふ勢が逆に増える可能性も?動物系動画配信とかも人気なんだよね?そっちで人気でれば減った分と増えた分でなんとかなる……?う、うん。まだ1か月は始まったばかりだし、これからも魔物倒せないから、そっち目指してみようかな!」
かわいい義弟のため、お義姉ちゃんがんばるよ!よし!そうと決まれば、明日もかわいい雪月花ちゃんをもふるよ!えへへ。
うむ。かわいいの基準は人それぞれなりよ。




