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9/9

前世の終着点、今世の始発点

 「・・・ふぁ・・・んん・・・」


 「ん?起きたか、おはよう」


 「おはにょ・・・んん・・・」


朝・・・かな?まだ眠い・・・昨日遅くまで起きていたからまだねむぃ・・・もう一眠り・・・


 「・・・ん?待って今何時?」


あれ、昨日アラームかけたっけ?スマホの方はかけて・・・無いね、そのまま寝てた。けど置き時計の方はかけてたはず・・・


枕元に置いていたスマホを確認すると午前8:40・・・


 「なんだ8時40分か・・・学校が始まるのが9:00からだから・・・遅刻だぁああああああ!!!?」


ベットから跳ね起きる!マズイ!マズイ!遅刻だ!


 「なんでアラームなってな・・・何コレ?」


ベットに備えてある棚に置いていた置き時計は見事な芸術作品になっていた。タイトルをつけるなら現実逃避かな?液晶が粉砕されており破片が散らばっている。


 「な、何コレ?」


 「あー・・・すまない、我のせいだ。」


 「あなたがやったの?」


 「急に音がして驚いてな、反射的にお主の体を動かしてしまって拳を当ててしまった」


 「な、何してくれてるの!?自分がした罪の重さ理解出来てる!?え、はあ?はあ!?もう信じられない!」


急いで身支度を整え制服を着てマンションを出る、駅まで走れば五分で着く!電車は・・・ええい!調べてる時間は無い!駅の電光掲示板見れば分かる!都会の電車の多さ舐めんな!


 「何をそんなに急いでおるのだ?」


 「学校!学校に遅刻しそうなの!あなたのせいで!あー!もう!最悪!ただでさえ朝弱いのにアラームなかったら起きなれないの私!」


 「我のせいか、済まぬ。学校はどこだ?魔法でなんとかしよう」


 「え!?本当!なんとかして!流石に入学二日目から遅刻は印象悪すぎ!」


 「ふむ、それでは体を借りるぞ」


 「どうぞ!遅刻しないならなんでもして!学校はあっち!」


学校の位置を指差した後クリカラが話す。


 「分かった、では行くぞ!、強化魔法(リーンカー)撹乱魔法(ディランス)!」


 「へ?」


クリカラは私の体に憑依して魔法を唱えると勢いよく跳躍した!


 「ええええええ!!?」


クリカラはそのまま壁をさらに蹴って建物の上に立った後私が指差した方向に向かって駆け出した!


 「うわぁあああ!!!」


速い!速い!?なんなのこのスピード!?クリカラは私の体でジャンプして建物を乗り継ぎ住宅街を駆け抜けていく、風を感じるのは気持ちがいいが恐怖心の方が圧倒的に強かった。


 「この調子なら後10分で着く、これでいいな?」


 「よくない!よくない!スピード落として!怖い!」


人の身で自動車以上のスピードを出すのは流石怖いって!ジェットコースターは好きだけどこれは無理!だって生身で安全レバーなんて無いもん!


 「しかしスピードを落としたら間に合わんぞ」


 「うう・・・じゃあ目を瞑って走って!」


 「無茶を言うな!後、余計に怖いだろうそれ!」


 「ああもう!どうしてこうなるの!?」


住宅街をあっという間に駆け抜けて雑居ビルの屋上に飛んでまた跳躍してホテルの屋上にある看板の上に着地する。


 「うわぁあ!高い高い!落ちたら死んじゃう!」


 「安心しろ、落ちても我が守る」


 「そもそも落ちないで!てか、誰かに見られたらどうするのコレ!?」


 「それも心配ない。撹乱魔法(ディランス)をかけている。この魔法は認識を撹乱させる魔法で周りには黒い影の様に写っている」


 「魔法って最高!でもこんなのは今回限り!」


 「そうだな、あまり目立つのは避けたい。お主よ、跳ぶぞ。構えておけ」


 「へ?」


意識を目の前に向けるとそこには龍昌市で有名な日本国で最大級の大きさと歩行者数を誇るスクランブル交差点があった。待って、もしかしてここを飛び越えるの!?向こうまで何十mあると思ってんの!?


 「ゆくぞ!」


 「ちょ、まっ」


私は止めようとしたがクリカラが跳ぶ方が早かった、跳躍した瞬間足場の建物の床にヒビが入る音がした。その音を尻目にクリカラは私の体を使って高く、高く跳んだ。下にはスクランブル交差点を行き交う人と少しうるさい広告達がある。夢としか思えない様な光景、しかしこれは現実。心から溢れでくる恐怖心とこれをどこかで楽しんでいるのか湧き上がってくる喜びの躍動が私に現実だと突きつけてくる。


 「おぉ・・・すご・・・ってこれ着地どうなるの!?」


 「心配いらん、魔法を信じろ」


クリカラの半信半疑でいると着地の瞬間が来た、ドスンッ!と強い破砕音が響いたが脚に来る衝撃は思ってたよりもずっと少なかった。建物も穴が開くこともなくコンクリートが少し散らばっただけだった。


 「おっお!?ヘビーにふんわり、見事な着地」


 「強化魔法(リーンカー)の耐衝撃機能に魔力を注ぎ込んでおいた。しかしここまで強化すると魔力の減りも早いな、今日はあまり魔法は使えんぞ」


 「魔法なんて日常生活でそんな使うもんじゃ無いでしょうし大丈夫よ。学校に急いで!」


 「そうか、我の時代とは違うのだった。今は電気時代か・・・」


その後もクリカラに任せて建物の上を走って跳んでとしているうちに雛高にたどり着いた。



 「はぁ・・・はぁ・・・こ、怖かった・・・」


 「体を返すぞ、ほら早く行かないと走った意味がないぞ」


 「ああもう!ありがとう!行くから!」


強化魔法と撹乱魔法を切ってクリカラが体を返してくれる。その後走って自分の教室に向かっているととある人物と廊下出会った。皇さんだ、護衛の人もいる。


 「・・・蓮護さん」


 「あ、皇さん。おはよう!」


 「おはようございます。もしかして遅刻?」


 「まだ遅刻じゃない!セーフだから!」


 「そう・・・それじゃあ邪魔する訳には行かないわね」


 「うん、またね!」


 「待て!」


叫んだのは私でも皇さんでもない、クリカラが私の中で叫んだ。


 「え?どうしたの?」


心の中で私は言葉を返す、クリカラはふざけた様子もなく真剣に言った。


 「あの子だ」


 「なにが?」


 「あの子なのだ!」


 「だから何が!」




 「皇といったか、あの子が魔王の生まれ変わりだ!」




 「はぁあああああああああああああ!!!!?」


どうゆう事!?皇さんが魔王の生まれ変わり!?と言うことは私の恋人にならないといけない人!皇さんが!?


 「え?どうしたの?」


 「あ、いや、ごめんなさい!」


思わず声に出ていた様だ、誤魔化す時間は無い、私はそのまま走り去り教室を目指した、そしてそのままクリカラに問いただす。


 「どうゆうこと!?皇さんが魔王の生まれ変わり!?」


 「間違いない!あの者左手の甲から紋章を感じた!お主と同じだ!」


 「いや、いやいや!皇さんも私も女の子なんだけど!?」


 「けど、確かにあの者がお主の運命の相手、魔王の生まれ変わりの子だ!」


 「あー!もう!一体どうなってるの!??」


こうして私の望んだ青春は音を立てて崩れ落ちた。


私はこれから皇さんと恋人にならないと世界が滅びる運命に悩まされることになる。


勇者と魔王の学園恋愛黙示録がこの日この時始まったのだ。



世界が滅びるまで後270日。

ここまでが序章となっております!引き続き優理の物語を楽しんでいただけると幸いです!

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