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Easy Gameと前世の負債

階段を登り落ちて来た穴を見るが蔓の化け物はいなかった、どこかに行ったか見える範囲にはいないのか。


 「さっき魔物とか言ってたよね、今までそんなの見たことないんだけど」


 「数千年に人の敵だったものだ。お主の様子を見るに今の世ではほぼ絶滅している様だな」


 「え?じゃああれは生き残り?」


 「そうだ。我の発する魔力に引き寄せられこの山に生息しておるのだろう」


 「え、何それ怖。でもこの山に魔物がいるなんて聞いたことないけど?」


 「魔物は魔力を喰らい彷徨うもの。それゆえに魔力の無い者は眼中に無いのだ、お主は魔力がある故狙われたのだろう。この世界に魔力を帯びている物など我ぐらいしか残っておらんだろうからこの山に数少ない生き残りが誘われて集まっておるのだろう」


 「へー、え、私魔力あるの!?」


 「あるぞ、しかも多いな。再び体を借りるぞ、すぐに済む」


 「はいはい、頑張って」


クリカラに体を渡すと剣を握って穴の近くに行った。

息を整えて、クリカラは勢い良く飛び出した!


 「ッ!」


それは正解だった。あの蔓の魔物は穴の上に待機しておりクリカラが出た瞬間に蔓を伸ばしたが飛び出したクリカラには届かなかった。


 「あの魔物は・・・名はなんだったか。寄生型には間違いない」


蔓の化け物は策が破れたがめげる様子は無く蠢く蔓をクリカラに伸ばした。


 「我も衰えたが魔物もか。ここまで魔力が少なくなれば仕方ないか」


クリカラは慌てる様子も無く迫り来る蔓を冷静に切り払い対処した。クリカラの動かす私の体はとても自分の体とは思えない。最小限の動きで迫り来る蔓を切り伏せながら少しずつ蔓の化け物に近づいていく。それに焦った蔓の魔物は更に蔓を伸ばすがクリカラには通じない。


 「甘い!」


上から下から左から右から。多方向から襲いかかって来る蔓をクリカラは剣で切り伏せる。その剣術は洗練されており見ている私は魔物がいるというのに安心する程だった。


 「参る!」


蔓を全て切り伏せた後クリカラは疾走する。蔓の魔物は体を作っていた蔓が少なくなり伸ばせる蔓は残り少ない。しかしそのことが分かっているのか蔓の魔物は捕虫袋の中の消化液をクリカラに向かって吐き出した!


 「ッ!強化魔法(リーンカー)


魔法を唱えると先ほどまでの動きが一段と速くなり迫り来る消化液を素早くかわして跳躍。


 「破邪顕正(はじゃけんしょう)!」


月とクリカラが重なる。剣が月明かりに照らされキラリと光るとその刹那、加速。一瞬にして蔓の魔物に接近し振り下ろし、回転斬り、袈裟斬り、逆袈裟斬りを放ち蔓の魔物はバラバラになった。


 「こんなものか」


 「凄い・・・これが勇者の剣・・・うん?待って、なんで勇者の剣がこんなに動けるの?剣って振る側じゃ無くて振られる側でしょ?」


 「勇者が来世の為に技を我に教え込んだのだ。この憑依にも魔力を使うから使いぱなしには出来んがな。体を返すぞ」


 「うん、ありがとう・・・はぁ・・・なんだか大変なことになっちゃった」


 「夜を更けている、明日の為に早めに寝床に着くぞ」


 「それ夜に呼んだあなたが言う?」


蔓の魔物が奪っていった懐中電灯を回収して夜の山を降りていった。近くの駅で電車に乗り家に帰る。


 「はぁ・・・ようやく一息つけるね」


電車に乗った後座席に座り一息つく。

夜だからか乗っている人は朝より少ないがそこそこいる、さすが日本国の一番大きな都市だ。クリカラとは心の中で会話できるので声を出さないで済む。


 「落ち着いたところだし聞きたいんだけど私が勇者の生まれ変わりって本当?前世とか言ってたけど」


 「ああ、最初から話そう。色々伝わっていない様だったからな。まず数千年前魔族と魔族に使役された魔物がこの世界を支配していた。それに立ち向かったのがお主の前世の勇者だ。勇者は仲間と共に魔物を倒し各地を旅して魔物から街や都市を守り遂に魔王を倒した」


 「おお・・・本当にゲームのお話みたい」


魔王を倒すなんて前世の私やるじゃん。


 「しかし魔王にも訳があってな魔王は強力な魔法を持っておりそのせいで親しい人がいなかったのだ、勇者は魔王と何度も戦ううちにその事に気づいてどうにかしたいと思ったが・・・戦いは避けられなかった」


 「どうなったの?」


 「どうにもならなかった。勇者は死闘の末魔王を倒した、しかしどうしても魔王を救いたかった勇者は約束の魔法を発動させた」


 「約束の魔法?」


 「我と共に女神様から勇者に授けられたものだ。女神様と約束をしてその約束を叶得る為に女神様は勇者に力を貸す、勇者は約束を果たす為に力を尽くすが約束を果たせなかった場合はペナルティがある魔法だ」


 「うーん?つまり強力な魔物を倒す為に力をくれ!って言ったら女神が力をくれるってこと?」


 「その認識で間違いない。しかしその場合、魔物を倒せなかった場合にはペナルティがあるがな。それと求める力とペナルティの重さは比例する。つまり求める力が多いほどペナルティもキツくなる」


 「ペナルティねぇ・・・勇者は魔王を救う為に約束の魔法を発動させたんでしょ?何をしたの?」


 「それが来世で恋人になるということを約束だ」


 「・・・うん?こいびと・・・恋人?」


その言葉に耳を疑う。え、どうゆう事?私が勇者の生まれ変わりなら・・・魔王の生まれ変わりがいるって事!?


 「え、それは・・・つまり勇者の生まれ変わりである私と魔王の生まれ変わりである誰かと恋人にならないといけないって事・・・?」


 「そうだ」


 「え?・・・ええ?えっと、その、その魔王の生まれ変わりの人と恋人にならないとどうなるの?」


私は恐る恐る聞いた、世界が滅びるーとかじゃ無いよね?


 「世界が滅びる、期限は一月一日までだ」


 「ええええええええええええええええええええええええ!!!!!??」


腹の底から叫んだ、驚きのあまり座席から立ち上がった。

え?なんで!?なんでそうなるの!?


 「落ち着け、周りを見ろみんながこっちを見ているぞ」


 「あ、ごめんなさい」


周りにいた人達に謝りながら座席に座り直す。クリカラに問いたださないと。また心の中で会話をする


 「どうゆう事!?世界が滅びるって!しかも正月が期限!?」


 「ああ、時間はないな。だが魔王の生まれ変わりと恋人に成ればいい話だ」


 「いや、いやいや!恋人って・・・ええ?そもそも私本当に勇者の生まれ変わりなの?」


 「ん?ああ、そうか。魔力の使い方が分からんのか。右手を見てみろ、魔力を通してやる」


クリカラがそう言うと右手の甲に何かの紋章が浮かんできた。


 「うわ!何これ!?」


 「約束の魔法により魂に刻まれたものだ。その紋章はお主が勇者の生まれ変わりの証だ」


 「・・・うっそ・・・本当に私が・・・?」


 「安心しろ、魔王の生まれ変わりと恋人になれば世界は救われる」


 「安心できるか!というか魔王の生まれ変わりって誰!?おじさんとかだったら世界滅ぼす方向に行くけど!?」


 「そうならない様に女神様が調整してくれた。同年代だと思うぞ。輪廻に手を入れて調整するのはかなり酷な様でなその分代償が世界の終わりだ」


 「ええ・・・なんで私がそんな事・・・私、普通の女子高校生なのに・・・」


 「気持ちは分かるがどうにかしないと世界の終わりだぞ。まずは魔王の生まれ変わりを見つけるぞ」


 「・・・せめて優しい人であります様に」


電車に揺られて家に着くと私はシャワーを浴びてパジャマに着替えた後流石に山に登ったらして疲れたのでベットに入った。


勇者と魔王、前世と来世、勇者の生まれ変わりと魔王の生まれ変わり・・・私どうなるのかな・・・せめてこれが酷い夢であります様に。

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