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月僧カレンとの出会い

 「ふふっふん、ふふん、ふふふ!」


思わず小躍りしたくなる、というか小走りはいつの間にかスキップに変わっていた。が、その浮き足だった気分のせいで道のちょっとした段差に躓いてしまった。


 「おわ!」


地面に手をついて受け身を取ろうとするが衝撃はやって来ず代わりにお腹に感触があった。


 「大丈夫?怪我してない?」


通りすがりのテングルドの女性がスカートから触手を出して私の事を受け止めてくれたのだ。


 「あ、すみません!助かりました」


お腹に回してくれた触手が私を起こしてしっかりと地面に立たせてくれた。


 「ふふ、いいのよ。怪我しなくてよかったわ。その制服、雛高のでしょ?楽しみなのね」


 「あはは、はい。楽しみすぎて浮かれてました」


うう、はしゃぎすぎたか。このテンションのまま学校に行ってたらなんかやらかしてそうだったから少し我に返ってよかった。


 「気をつけてね、それじゃあ」


 「はい、ありがとうございました」


テングルドの女性は触手をスカートの中に直した後歩いて去っていた。テングルドは温厚な人が多いけど私の体重を一本の触手で支えられる程筋力がある。


うんうん、少しは落ち着こう。昔からママから落ち着いて行動しなさいと言われてきたじゃないか。テンション上がりすぎて変な事しない様にしないと。


深呼吸を繰り返して駅に着くと定期券で改札口を通る。


雛高近くの駅に行く為に5番乗り場に行くとホームには沢山の人がいた。最初は都会の駅の複雑さに困惑していたが今の私は通用しない。もっと複雑になって出直してくるんだな!いや、ごめんなさい、それは勘弁してください。


私の乗る電車まで少し時間があるしスマホでネットニュースでも見ていようとした時、奥の乗り場に同じ雛高(ひなこう)の制服の子がいた。確かあっちの乗り場は雛高とは逆方向のはずだが・・・


 「・・・声かけようかな」


まだ電車が来る前まで時間はあるしもう何か違っても間に合う。声をかけないと後悔しそうだし困ってそうな人を助けないのは私の生き方に反する。


五番乗り場から隣の六番乗り場に行くとそこにはもう電車が来ていた、そしてさっき見かけて子はその電車に乗り込もうていた。まずい!早く声をかけないと!駆け足でその子が乗り込んだ場所に乗り込むと雛高の子はまだデッキにいた。この電車に乗る人は少ない様でもう乗る人はいなくなった。


 「あの!」


 「きゃ!」


私が勢いよく入って来て大声を上げたからか雛高の子は驚いてしまった。ご、ごめんなさい。驚かせる気はなかったの。


 「驚かせてすみません、えっと雛高の人ですよね?この電車、雛高とは反対側に行きますけど大丈夫ですか?」


 「え、そうなんですか!?あ、ああすみません勘違いしてました・・・」


ほ、良かった。何か逆方向に用事があるとかじゃなかったみたいだ。というかよく見ると耳が長いしこの人エルフだ。


髪は私と同じくらいの長さで腰まであるけど私と違ってサラサラの金髪だ。目はまるでエメラルドをそのまま嵌め込んだ様な綺麗で思わず見惚れてしまう翠眼。優しそうな顔つきに私よりも背が高い、170cm以上は確実にある。


雛高の制服が良く似合っており美人だった、エルフは相変わらず美人やイケメンが多いなぁ。雛高のリボンの色は学年によって決まっている為私と同じ赤色ということは同じ一年生だ!


つまりこれは同級生の女の子と友達になるチャンス!


 「あの!私、蓮護優理(れんごゆうり)って言います。お名前聞いてもいいですか?」


 「はい、月僧(つきそう)カレンです」


 「月僧さん!良かったら一緒に学校行きませんか!」


私は声を振り絞り月僧さんにお辞儀をしながら右手を差し出して声をかける、ここで月僧さんと友達になれれば私の青春の第一歩となる。


 「・・・なんだか、プロポーズみたい」


 「え?」


た、確かに今の私の姿勢といい交際を申し込む時みたいだ。

それを言われると恥ずかしくなって来た!うう、もう少しテンションを静めてくるべきだったか!?恥ずかしくなって右手を引っ込めようとした時その手が握られる。


 「蓮護さん、こちらこそお願いします」


 「は、はい!喜んで!?」


まさか手を握られるとは思ってなかったので動揺で変なことを言ってしまった。


 「ふふ、本当にプロポーズみたい」


 「ふぇ!?」


その言葉と微笑んだ笑顔にに思わずドキッとする。だって月僧さん本当に綺麗で可愛いから。でもこのままじゃあ私の一緒に学校行きたいって気持ちが薄れてしまう様な気がする!それはいけない!私は本気で月僧さんの一緒に学校行って友達になりたいのだ!私は月僧さんが握ってくれた手を両手で掴み訴えかける。


 「で、でも!一緒に学校行きたいってのは本当でそこから友達になりたくって!」


 「え、ええ!?」


「私、転勤多くて親友とか出来なくってだから高校では親友いっぱい作って青春したいの!だから私の!親友になってください!」


私は両手を掴みながら再び頭を下げてお辞儀する。


・・・あれ?これじゃあさっきと変わらないじゃないか!!?てか、初対面で親友になってくださいは変な人だよ!プロポーズみたいなこと言ってないで訂正を!


 「ま、まずは友達から・・・で。ダメです・・・か?」


 「はえ?」


顔を上げるとそこには顔を真っ赤にした月僧さんがいた。

あ、すごい。やっぱエルフって耳まで赤くなるんだ可愛い。


 「い、え。友達からで。はい、友達からお願いします」


 「うん、これからよろしくお願いします。蓮護さん」


よっっっしゃゃややあああああああああ!!!!高校生初めての友達出来たーーーー!!!!ふはは!このまま友達作りまくって最高の青春を過ごしてやるぜーーー!!!


 「ってごめん!電車降りなきゃ!」


 「そうだった、忘れてたね」


私は当初の目的を思い出した、危ない危ない興奮してる場合じゃないよ私。月僧さんの片手を握り、手を繋いて電車を降りようとする。


 「ドアが閉まります」


 「へ?」


 「え?」


無慈悲なアナウンスが聞こえた後、無情にも目の前でドアは閉まって私達を雛高とは逆方向へ運んで行った。


・・・どうしょうこれ?

 

「・・・ま、間にあうかな?」


 「ギリギリになりそうだね」


 「本当にごめん!私が変な事言ったから!」


 「ううん、わたしが間違えて逆方向の電車に乗っちゃったからだよ。とりあえず座って最寄り駅から雛高に行けるルート見つけよう」


 「う、うん。ありがとう、私テンパっちゃうとダメで・・・」


 「大丈夫だよ、一緒に学校行こう」


 「うん、ありがとう月僧さん!」


電車の席に座ってスマホで新しいルートを見つけてほっとした。


 「・・・しゃ・・・ゆ・・・わ・・・」


そんな時に何かの声が耳に入って来た。


 「うん?何か言った?」


 「え?ううん。何も言ってないよ?」


 「うーん?何か聞こえた様な気がしたんだけど」


 「そうなの?私には何も聞こえなかったけど・・・」


 「そっか、それじゃあ気のせいだね」


でも、確かに聞こえた様な気がするけど・・・


まあいいか!気のせい気のせい!

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