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この世界での日常

超かぐや姫面白かった!更新ペースは上げていきます、すみません

四月八日 朝 晴れ


 「お主」


 「うう・・・ん」


 「お主・・・お主!」


 「うるさぁ・・・」


 「起きないと遅刻するぞ、昨日の夜に起こせと言ったのはお主だぞ」


 「んん・・・」


 「いや、んんではなく。起きよ!学校に遅刻するぞ!お主!!!」


 「・・・うん」


目の前でふよふよと浮かぶクリカラのグリップを掴みながらベットから起きると窓に向かい。


 「うるさい・・・」


窓から放り投げた、よし。ん、あさひだ。あったかぁ・・・


 「何をするのだ!我を投げるな!危ないではないか!」


 「・・・んぁ、どうしたの?」


 「覚えておらんのか!?さっき我を窓から投げたのだぞ!」


 「おぉ・・・浮いてる」


 「念動魔法(シスドーレ)だ。ゆっくりとだが浮かんで動くことができる。我は手足がないからなこうする事でしか移動できん。全く!寝ぼけるのも大概にするのだな!」


窓から見えるのはクリカラが浮く姿。どうやら寝ぼけてクリカラを投げてしまった様だ、きっとうるさかったのだろう。


 「んー・・・ああ、おはよ」


 「おはよう、出来れば早めに中に入れて欲しいのだが」


 「あ、ごめん」


窓の前からどいてクリカラを中に入れる。しばらく朝日を浴びた後目が覚めてリビングへ行く。ニュースを見ながらいつもの朝支度を済ませてマンションを出る。


 「窓から剣を投げる奴がおるか、どうなっておるのだお主は」


 「だから悪かったって言ってるじゃん。朝起きるの苦手なの、だから目覚まし時計とスマホで対策してたのにクリカラが壊したんでしょ!」


 「我もその件に関しては謝ったであろう。それにその目覚ましの代わりに我に起こす様言ったのはお主だ。いくら我が斬れるものを選べるからといっても窓から物を投げるのは」


 「分かった、分かったから!気をつけるって!はい!この話終わり!」


 「全く・・・」


私の中に入っているクリカラと言い合いながら駅に向かう。今日も天気は良くもう冬の寒さはどこにもない、そうだ、お花見とか行きたいなぁ・・・


 「む?なんの音だ?」


ブルン、ブルンとけたたましい音に反応したクリカラは私に訊いて来た。


 「バイクじゃない?朝からうるさいなぁ・・・」


マフラー?だったけ?あれを改造して音を大きくしてるみたいだけどうるさいだけだ。あれの何が良いのかさっぱり分からない。


しかしその音は横断歩道を渡ろうとした時私を取り囲んだ。


 「え?」


囲んだのは赤い三つのバイク、近くにいた歩行者はバイクに驚いて走って去っていった。


 「おうおう!見つけたぜ!あの時の借り、今返してやるよ!」


私の目の前に止まったバイクから降りて来た人がヘルメット越しに怒りを込めて言った。


 「お主、あの獣人に何かしたのか?」


 「ちょっと獣人なんて言わないで差別用語よ。今はクーリエって言うのよ。あのクーリエ達は三日前に夜中にうるさかったから殴り込みに行ってボコボコにした人達よ」


赤いバイクに頭の上の耳の為に穴が開けられたヘルメット、間違いない、クーリエの暴走族集団愛絶兎論(メタトロン)だ。近くのコンビニでブンブンうるさくって眠れなかったから文句言いに言ったら喧嘩になったんだよね。


 「何をやっておるんだお主は!?」


 「だって夜の11時にブンブンブンブン音鳴らしてくるのよ!?意味が分からないわ!話に行ったけど分かり合えなかったから拳で会話したまでよ」


 「どうしてそんな事に・・・」


 「共通語に統一されてから数百年立つけど肉体言語は大昔から使われてるからこれが一番速い」


クーリエは速さと持久力に優れた種族、動物の耳や尻尾が付いた人間様なものでその走りの速さと疲れ知らずの持久力で昔は配達の仕事で活躍しており今はその名残で配達人と意味のクーリエと呼ばれる様になった。


 「テメェ一人に負けてたせいで愛絶兎論(メタトロン)が舐められてんだよ!お礼参りしなきゃ気がすまねぇ!」


 「お主!ここはなんとか穏便に!」


 「あら、この前は6人だったのに今回はその半分?わざわざ負けに来たの?」


 「テメェ・・・!市中引き摺り回し決定だ!」


 「な、何で煽ったのだ!!?」


 「え?そりゃあ喧嘩売られた買うでしょ。それに制服で学校バレちゃったし学校とかに来られても困るからここでやらないと」


 「なんで数千年も経ってそこ辺の常識は変わっておらんのだ!?」


 「いやいや、何言ってるの?ここは多種族国家だよ?色んな人達がいるんだし喧嘩するのは当たり前でしょ。むしろ内戦とかにならないで喧嘩で済んでるんだから治安良い方でしょ、実際日本国は平和指数トップ3よ」


 「これでか!?もっと、こう、あるだろ!?」


 「変ね、昔の方が治安悪かったんじゃないの?周りを見てよ、誰も気にしてないでしょ?」


そう言って周りを見渡してクリカラに状況を見せつける、動画を撮ってる人に心配そうに見た後立ち去る人、この周りにいる人達のほとんどの人は気に留めてない。


 「ええぇ・・・」


 「コラー!そこで喧嘩してる奴ら!」


向こうから走って来たのは防護服に身を包んだ二人の人間の警察だった。


 「うぇ、警察だ」


 「警察?」


 「治安維持組織みたいな感じ」


 「なるほど、騎士団と同じか。ならこの騒動を止めてくれるだろう」


しかし、警察官が放ったのはクリカラの予想とは真逆だった。


 「横断歩道で喧嘩するな!交通の邪魔だ、歩道でやれ!」


 「ええええええ!!?何故止めない!?」


 「怒られちゃったじゃん、喧嘩売る場所ぐらい考えてよ」


 「目の前にいたテメェが悪いんだよ」


ゴチャゴチャ言いつつも横断歩道から退いて歩いて着いた先の歩道で決着をつけることになった。三人はバイクを押して来てその辺に停めている。警察の人はこちらの方を見てはいるがそれだけだ。


 「早くかかって来て、こっちはあなた達と違って暇じゃ無いの。私から仕掛けちゃうと弱い者いじめになっちゃうし」


 「テメェ・・・!だがな今回はその減らず口を塞ぎに来たんだよ!コレでな!」


三人のクーリエが取り出したのは良い感じの鉄パイプ、中々の攻撃力がありそうだ。前回は武器無しのステゴロで私が勝ったけど今回は武器を持って来てご満悦みたい。


電車が来るまで後15分、さっさと片付けちゃいましょ。


 「愛絶兎論(メタトロン)総長アイネとその一味!テメェを潰す!」


 「私立多種族共同雛菊女子高等学校一年、優理!邪魔をするならぶっ飛ばす!」


この世界において喧嘩は日常茶飯事だ。多種多様な種族が暮らすこの国では常に種族間の軋轢があると言ってもいい、もちろん譲り合えるところはそうするが譲れない部分もあるのだ。そうなった時起こるのは話し合いだが・・・それで解決する事は少ないだろう。それ故に喧嘩は起こる、避けては通れないものだ。自分の意見を通すには戦うしかないのだ。少なくとも私は自分の意見を黙ったまま相手に従うなんてそんな窮屈な生き方はできない。



 「しゃおらぁああああ!」


 「よっと!」


後ろに飛んで三人からの攻撃を回避した後着地する。速い一撃だが真っ直ぐ来るなら見切りやすい。相手も道具を使うならこっちも道具を使うとしよう。


 「クリカラ、バット出して!」


 「ここでか!?せめて、言い訳できる様な状況にしてくれ魔法は他人に見せたくない」


 「なら、これでいいでしょ」


私は手提げ鞄に手を突っ込んだ後クリカラに合図する。


 「ええい!それで良いわ!」


手提げ鞄の中で収納魔法(ノーストス)を発動させバットを徐々に引き抜くと相手からは鞄からバットが出て来た様に見えるだろう。


 「どうなってんだそれ!?明らかに入るサイズじゃないだろ!?」


 「マジックよ、それ以外に何があるの?さぁ、病院に行きたい奴だけかかって来なさい!」


 「ええい!かかれ!」


したっぱ二人が鉄パイプを振り下ろしてくるが左手の手提げ鞄と右手の金属バットで防御すると総長のアイネが突っ込んでくる。


 「ガラ空きだ!」


 「ふん!」


頭に振り下ろされる鉄パイプを右足で蹴り飛ばして、右手のバットをかち上げ後左の敵、したっぱ1の脇腹に向かって振る。


 「グワっ!」


怯んだ隙に手提げ鞄をぶん投げて更に怯ませて次には右の攻撃をかち上げた敵、したっぱ2に向き直ると鉄パイプをフルスイングで私に当てようとしていたがバックステップで距離を取り回避した後その隙を逃さず。


 「チェエストォオ!!!」


ヘルメットが装着してある頭に向かって全力でバットを振り下ろして地面に叩きつけ、追撃の蹴りも忘れない。


よし、一体は片付けた。あとは二人!


 「くそ!マジで人間かよ!?」


 「う、うわぁあああ!」


したっぱ1が攻撃してくるがバットでガードした後相手の持ち手を蹴り、鉄パイプを手放させる事に成功した。奴らの自信の元は武器だ、ならそこを狙う。


 「舐めんじゃあねぇええ!」


総長のアイネが低めの攻撃を繰り出し脚を狙ってくるがジャンプで躱した後膝蹴りをヘルメットにぶちかます。


 「ぐぅう!」


 「覚悟しなさいよ!」


膝蹴りでヘルメットのバイザーを割った後フルスイングの構えを取り全力で腹めがけてぶちかますと勢い良くぶっ飛び倒れ伏した。


 「こ、これでもくらええ!」


鉄パイプを拾いに行っていたしたっぱ1は鉄パイプでは勝てないと悟ったのかそこら辺にあった自転車を拾って投げてくる。


 「よっと」


それを逃げずにキャッチした後上空に投げて私も跳躍。そのまま空中で自転車をしたっぽ1に向かって蹴り飛ばしてしたっぱ1は車輪と熱いキスをした。


 「はい、おしまい。どう?立てる?」


 「く、くそ。お前人間じゃ無いだろ・・・」


 「人間よ。何?私がオーガにでも見えるの?病院で目と脳をついでに見てもらいなさい」


 「クソ!覚えてろ!いつかまたリベンジして深夜のコンビニでエンジン吹かしながらたむろするあの生活を取り戻してやる!」


 「二度とさせるか!うるさいのよアレ!」


捨て台詞を吐いた後愛絶兎論の三人はバイクに乗って去っていった。きっと病院に薬草の錠剤を貰いに行ったのだろう。


私が勝ったのを警察官は見届けた後パトロールに戻っていった。相手は三人で武器持ちであった事から過剰戦力では無いかどうか気にかけてくれていた様だ。


 「よし、片付いたわね。クリカラ、バット片付けて」


 「それは良いが・・・我は争いの無い平和な世界を目指して戦っていたのだがなぁ・・・」


 「そんなの無理でしょ。こんなに色んな人がいるのよ?争いが無い方がおかしいし不健全でしょ。人は平和を願いながら争いをする二律背反の生き物よ。でもクリカラ達が戦ったお陰でこの世界があるのよ」


 「・・・それもそうか。少なくともあの頃よりかは皆笑顔で血も流れておらんな」


 「そうよ、そこは誇らないと。さあ、今日こそ電車にちゃんと乗らないと!」


 「そうだな。しかしあの子ら大丈夫か?」


 「大丈夫よ、手加減はしたしこのくらいで倒れてたら喧嘩なんて売ってこないでしょ。私だって鉄パイプで殴打されても学校にはいってるだろうし」


 「そうだったな、割と丈夫だったなお主らは」


 「そうよ、私だって子供の頃車に轢かれたけど二日入院するだけで済んだし。やっと思い出した?」


 「ああ、そうだったな。お主らは丈夫で治癒効果のある薬草なんか傷が塞がるんだった。我の時代は魔法に頼っておったからの」


 「そういや、昔は薬草をそのまま齧ってたって本で見たけど魔法があった時もそうなの?今みたいな錠剤じゃなくって」


 「本当だ、魔力が尽きた時は回復魔法も使えないからそのまま食べてたぞ」


 「うへぇ、錠剤でもマズイのに生って・・・」


「というかお主、強いな。訓練でもしてあったのか?その身体能力、普通の女子(おなご)とは思えん」


「昔から合わない人とよく出会うのよね私。だから喧嘩に慣れちゃって。身体は昔からこうなのよね、スポーツテストでも毎回上位だし」


「はぁ・・・なるほど」




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