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わが教会に どんな ご用かな

教室に戻り鞄を取ると星花さんが来た。


 「さっき飛び出して行きましたけど何かありました?」


 「えっと、月僧さんが教室のドアの前で落とし物してたから届けてたんだ」


 「そうなんですか、何事かと思いました」


セーフかな?無理に月僧さんから聞き出そうとしても友情関係にヒビが入るだけだろう。星花さんからの質問を誤魔化した後星花さんのことも知りたいと思って遊びに誘った。


 「あ、そうだ星花さん良かったらこの後」


 「待てお主。この後教会へ行くのでは無いのか?」


 「あ・・・そうだった」


 「忘れておったのか・・・」


心の中で響くクリカラの声で思い出した後星花さんに謝る。

はぁ、面倒な用事があるんだった。


 「ごめん星花さん!なんでも無い!じゃあね!」


そのままお別れを言って教室を出ると龍昌市にある教会への道のりをスマホで検索し始めた。意外と近くにありバスで10分程、バスは乗り継がないで良さそう。


バスに乗った後クリカラが外の景色を見て息をのんだ。


 「ここの景色も随分と変わった・・・あの荒れた野原と人々の血で汚れたラセツの地が今はこんなに人で溢れておる」


クリカラが見ている先はビルの海、人の波、車のいう名の魚達。日本国でも一番都会な龍昌市は近代化の象徴とも言えるだろう。数千年前、それも魔法がある時代にいたクリカラにとっては珍しいものだろう。


 「ラセツ?それが数千年前のここの名前?」


 「ああ、ここは魔王との最終決戦の地だったのだ。魔王と勇者の全戦力がこの地に集まり多くの血が流れた」


 「本当?日本国の歴史にはそんなの無かったけど?」


 「それがおかしいのだ。あれ程の戦いが記録されておらんとは。しかもお主、魔法を知らなかったであろう?」


 「うん、ゲームでしか聞いた事ない」


 「魔法は魔王の魔法によって破壊されこの世界から魔法は消え去ったが魔法が存在していた事は記録していたが・・・」


 「うん?魔法が破壊された?じゃあなんでクリカラは魔法使えてるの?」


 「それは我が女神の創造物だからだ。我には敵の魔法は効かず斬りたいものを斬れ、決して壊れない。それゆえに魔王の魔法は効かずこうして魔法を使えるのだ」


 「へー、すご。流石女神が作った剣。まとめると魔力とかはまだ残ってるけど人が使える魔法は全部消えたって事?」


 「そうだ、我ぐらいしか今は魔法を使えぬだろうな。魔力は魔法が使えなくなった事で使われなくなったのだ。分かりやすく言うなら電気に関する道具が全て使えなくなったが電気まだある感じだ」


なるほど、魔法無くなっちゃったのか使ってみたかったな


 「うん?私に魔力があるって言ったのよね?教えてもらったら魔法使えるの?」


 「まぁ、我が教えれば使えるだろうが・・・向いてないだろうな」


 「え?今酷い事言った?」


 「魔法使いに大切なのはいつも冷静である事だ、お主には向いておらん」


こいつ、遠回しに落ち着きがないって言ってる?そういえば魔法で昨日の事全部見てたんだっけ。


そんな話をしているとバスが教会前に着いた。女神教会は白とガラスの建物で屋根の上には光を模した女神の紋章が立派に飾ってある。大きな門は開けられており歓迎されている様だ。


 「女神ね・・・どう?なんかお告げとか来た?」


 「まだだ、中に入って祈りを捧げれば応えてくれるかもしれん。中に入るぞ」


 「はぁ・・・教会なんて子供の頃呪われた物を触って聖水貰いに来た時以来だよ・・・苦手なんだよね、こう、堅っ苦しいっていうか」


 「お主には合わんだろうな。教会の様式はそんなに変わっておらんな懐かしい」


教会の敷地に足を踏み入れ門をくぐるとステンドグラスと宗教画が私を出迎えた、都会にある為人も多く通うのか教会の中は広く明るい雰囲気だ。


 「今祈っていいのかな?誰もいない・・・」


 「いや、あそこの椅子から煙が出てるぞ。誰かいるのでは?」


 「煙?なんだろ?ボヤじゃないよね?」


並んでいる教会席の一番奥からそれは見えたので近づくと。


 「あ〜ダル。この時間に祈りに来るやつなんていねぇよ、あータバコうめぇ」


・・・そこには教会椅子に豪快に寝転びながらタバコに吸っている女の人がいた。清楚なシスター服はスリットが中が見えそうなくらい開けられ彼女の性格を表している様だった。おでこの上ら辺に長く力強い一本角が生えており大きな体格とその大胆な性格が彼女をオーガだという事を表していた。


 「あ、あのー」


 「あ?・・・なんでいんの?」


シスター?の人は私を見て驚いた後携帯灰皿を取り出して吸っていたタバコの火を消して立ち上がった。


 「今の見なかった事にしろよ?次バレるとクビなんだよ頼むぞ」


 「あ、あはは・・・今お祈りしても大丈夫ですか?」


シスターの人が立つと2m以上になり私は見上げないといけなかった。見つめる目は鋭く金色でウィンプルからは赤い髪が垂れていた。流石はオーガ、背が高く女性でも体格が良い、自慢げに生えている角はオーガの誇りの証だ。


 「祈るのに許可はいらないよ、勝手に祈りな。あとサボってた事は内緒な、いいな?」


 「わ、分かりました。すぐに帰りますから」


シスターの人はそのまま壁に立てかけて合った掃除道具を手に取り掃除を始めた。なんか、ブツブツ文句言ってるけど。


 「今のシスターはみんなあんな感じなのか?信じられん」


 「今のは例外だと思うけど・・・さて、女神は応えてくれるかな?」


教会椅子に座り目を閉じて両手を重ね胸の前に持って目を瞑る。教会で祈るなんていつ以来?小学生とか幼稚園以来じゃない?というかクリカラに言われてここまで来たけど祈っただけで女神は応えてくれるのかな?応えてくれなかったら・・・皇さんと話すんだっけ?


 「お主、お主よ。目を開けよ、呼ばれたぞ」


 「へ?急に何・・・」


クリカラに言われて目を開けるとそこは白しか無い世界だった。


 「・・・は?」


 「驚くのも無理は無い。ここは女神様に呼ばれた者が訪れる空間だ行くぞ」


 「え?え?一体なんなの?」


クリカラが私の体から現れるとふよふよと浮いて先に行ってしまう。あれも魔法なのか?戸惑ってここにいても始まらない着いていこう。周りを眺めても白一色だ、地面も白、空も白。ここに本当に女神がいるの?


 「着いたぞ、ここだ」


 「ここ?地面に何かある・・・ここで呼んでください?」


地面にそう書いてあった・・・え?こんなのでいいの?


 「女神様!女神様!クリカラです!覚えていらっしゃいますか?勇者と魔王の約束の事で来ました」


クリカラがそう話すと目の前に光が現れて眩しさに目を瞑った後目を開けるとそこには身長3m程の神聖な雰囲気を漂わせる美人がいた。


 「クリカラ・・・久しいな」


 「お久しぶりです、女神様」


 「うわ・・・マジで女神だ、やば」


本当に女神とかいるんだ!凄い!


 「言葉遣い!女神様の前だぞ」


 「別に構わぬ。定命の者の言葉に気を立てたりせぬ」


 「おお、女神っぽい!へぇー!マジで女神だ!」


目の前で空中に浮かぶ女神は白銀の髪と緋色の目をしており白いローブの様な物を身に纏っている。


 「女神様、その喋り方にまた戻られたのですか?いつもとは違いますね」


 「え?」


クリカラのその一言を受けた女神は。


 「もう!なんで言っちゃうの?せっかく女神っぽい感じで降臨したのに!」


柔らかく明るい口調で女神は笑いながら言った。先程までの神聖な雰囲気はどこへやらそこにはただのお人好しのお姉さんの様な人がいた。


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