うま神様とバズり神様
神の国のお正月。
大神様のお屋敷では宴会が開かれます。
神様たちが次々あらわれて、大神様に新年のごあいさつをしていきます。
大神様のとなりには、今年の主役の神様もいます。
今年の干支、うまの神様です。
うま神様に拝むと、元気いっぱいになれる、足が速くなる、どこにでも駆けていける、勝負ごとに勝てる、にんじんのような好きな食べ物をご褒美に用意しておくと馬力が出せるなど、ご利益が沢山あります。
「もっと足が速くなりたいです、ご利益をください」
若い神様が必死に拝みながら願いました。
「どうぞ、私の足をなでてください」
うま神様は前足をさしだしました。
「ありがたや、ありがたや」
若い神様は両手で一生懸命なでました。
「私は旅行にいきたいですわ。よいところへいけますように」
女神様が拝みながら願いました。
「どうぞ、私の背中にのってください」
うま神様は首を少しさげました。
「わぁ、どこへでもいけそうですわ」
女神様は背中にのって喜びました。
こうして次々と神様たちが、ご利益をもらっていきます。
うま神様は美しい立ち姿で立派にお役目をつとめていきます。
そこへ、バズり神様がやってきました。
バズり神様は見たこともない姿をしています。
着物も振る舞いも話すことも全てが凄いです。
神様たちはバズり神様をほめたててさわぎます。
バズり神様に拝むと、あっという間に有名になれる、あまりにも突然に、おどろくばかりの速さで、いっきにもの凄い、ご利益がある大変ありがたい神様です。
「うま神様、今年もよろしくお願いいたします」
「バズり神様、今年もよろしくお願いいたします」
うま神様とバズり神様は笑顔をかわしました。
速さ自慢のうま神様とバズり神様は仲良しなのです。
速さ比べをしたり、バズり神様がバズらせた場所へ一緒に旅行にいったり、うま神様の大好きなにんじんや、バズり神様がバズらせたものを一緒に食べたりしています。
「今年は、うま神様が主役で、私もとても嬉しいです」
バズり神様は喜びの舞をひろうしました。
これまた見たことのない美しさ。
うま神様と神様たちは夢中になりました。
そしてさっそく、バズり神様の真似をして舞はじめます。これもバズり神様の持つ力なのです。
いっきに宴会がにぎやかになって、
「バズり神様、ありがとうございます」
うま神様も前足をかかげてヒヒンと鳴きながら舞にくわわりました。
「よかったな、うま神よ」
大神様も大いに喜んで手をたたき、
「バズり神よ、うま神の背中にのって願いごとをしてはどうじゃ? 今年の主役のうま神と力を合わせれば、いつもよりもっとすごい速さで、もの凄い、ご利益があるだろう」
それを見たいと期待しながらいいました。
神様たちも舞をやめて注目しています。
「バズり神様、ぜひのってください」
うま神様も期待して首をさげました。
「喜んで」
バズり神様はひらりと背中に飛びのり、
「うま神様に、よいことがありますように」
願うと拝みはじめました。
うま神様の背中にバズり神様がのった姿。
見たこともない神々しさです。
神様たちは夢中になり一緒に拝みました。
そこへ、勢いよく神様が飛びこんできました。
「あけましておめでとうございます!」
うさぎの神様です。
もふもふと可愛い姿をしています。
ぴょんぴょんと大神様の前までくると、
「少し、おくれてしまいました」
ていねいに、ごあいさつしました。
うさぎの神様は、うま神様の前にもきました。
バズり神様が背中にのっているのを見て、おどろいて耳がピンとなりました。
その可愛いうさ耳に神様たちが、
「うさ神様、実はね」
どういうことか教えると、
「そうでしたか」
うさ神様は笑顔になって、
「うま神様、バズり神様、大変おめでたい新年ですね」
にこやかに、あいさつをかわしました。
うさ神様も、うま神様と、バズり神様と一緒に、速さ比べをしたり、にんじんを食べたり、バズったものを楽しんだりしています。
うさ神様は仲良しな神様が力を合わせた姿に、
「ありがたや、ありがたや、ご利益がありますように」
うさ耳をさげて拝みました。
それから神様たちにもあいさつすると、
「おそくなってしまったのは、畑でこれを引っこ抜いていたからです」
手に持っているものを見せました。
美しい日の出の色をした大きな、
「馬の形をした、にんじんです!」
うさ神様は高々とかかげました。
「うま神様、そっくりだ!」
神様たちはいっせいにざわつきました。
「凄いものじゃ。どれ、うま神のとなりにおいてごらん」
大神様もおどろいていいました。
うさ神様はにんじんを、うま神様のとなりにおきました。
バズり神様も背中からおりて見てみました。
うま神様と、にんじんのうま神様。
仲良く並んだ姿はとても魅力的で。
まだ誰も見たことのないものでした。
「おおっ、凄い! 凄い!」
神さまたちは、大こうふんしてさわぎました。
うま神様のまわりには神様だかりができて、にんじんのうま神様からも、ご利益をもらおうと行列もできました。
「さっそく、よいことがありました」
うま神様はバズり神様に笑顔をみせました。
「今までで一番の速さでしたね」
バズり神様もほほえみました。
「とても凄いものをありがとうございます、うさ神様」
うま神様とバズり神様は輝いて喜びをつたえました。
「どういたしまして! 私もさっそく、ご利益をいただきました!」
うさ神様も自分の持ってきた、にんじんのうま神様がバズったので、ぴょんぴょん飛び跳ねて喜びました。
こうして、うま神様と、にんじんのうま神様は、一年を通して話題となりました。
人の国でも、うま神様にそっくりの何かが見つかってバズるかもしれませんね。
みなさんにも、うま神様とバズり神様の、ご利益がありますように!




