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第十六話 召集と方針


 お嬢様の案内により、俺たちは最上階にあるボスの部屋へと向かう。


「さっきは悪かったな、お嬢様」

「もういいんですの。アキレアさんの発言で、わたくしもトキマさんのことを理解出来ていませんでしたので」

「ああ。あれはちょっと俺が悪かった」

「いえ、わたくしが悪かったですわ」

「いや俺が悪かったって」

「わたくしですわ」


 お互いに譲らない俺たち。

 俺はさらに意地を張った。


「俺が悪かった!」

「いいえ! わたくしが!」

「俺が!」

「わたくしが!」

「俺が!」

「わたくしが!」


 …………俺はしばらくして笑い出してしまう。


「ふっ……、はははははは!」

「ふふっ……、あはははは……」


 俺たちは笑い合った。

 べつにおかしかったわけじゃない。

 ただ、楽しかっただけだ。


 そうして、気がつくとボスの部屋の前に着いていた。


「あ、ボスの部屋だ」

「ですわね。『BOSS's ROOM』……社長は相変わらずのセンスですわ……」


 俺はガチャッとドアを開ける。


「やあ、トキマ。マーガレットも。喧嘩していたわけではないんだね? そうやって、ずっと仲良くしているんだよ」

「はい! あ、秘書の人!」

「オグルマさんですわ」


 秘書の人の髪の長さはセミロングから、かなり短めになっていた。

 ……相変わらず鋭い目つきだったから、誰なのかはわかったけどな!


「久しぶりです、トキマ君。イチャイチャしてたし、仲がよろしいんですね」

「イチャイチャ……?」


 よく考えたら、イチャイチャってどういう意味だ?

 仲が良いってことなのか……?


 とりあえず、元気に返事しておこう。


「はい! ありがとうございます!」

「いやトキマさん、意味がわかっていませんわよね!?」

「そうかな?」

「そうですわ!」


 俺たちが言い争いしそうになると、ボスが口を開く。


「そんなことより、本題に入ろう。僕たちは君たちを待っていたんだ」

「えっ?」

「そうなんですの?」

「うん。詳しくはオグルマから聞いてくれ」

「はあ……」

「はい。では、皆さん注目してください」

「皆さん……?」

「どなたかいらっしゃりますの……?」

「はい。じつは社長の部屋に、既に皆さま集まっています」

「マジか」

「いつからですの?」

「お二人がイチャつき始めたくらいからですかね」

「ふーん……」

「本当ですの?」

「いま丁度、通信モニターが繋がっていてね。見るかい?」

「はい!」

「お願いしますわ!」

「わかった」


 お嬢様やけに必死だな……。

 もしかして、ボスたちが嘘をついてないか気になるのか……?


 ピッ……という音がして、大きなモニターに映像が映る。


「はい! こちらはシュンくんと、そのお友だちでーす!」

「これこれシュン君、少し静かにしたまえ」

「でも社長、ビデオ通信ってテンション上がらないですか?」

「……藤君。君からも、シュン君になにか言ってくれ」

「えー……っと、シュンく……」

「はい! 静かにします!」

「あの、まだ何も言ってないんですけど……」

「賑やかな男だ……」

「よう! トキマに若いの!」

「トキマさん! マーガレットさん! さっきぶりですよね」

「久しぶり、トキマくん! ……と、マーガレットさん……は初めて」


 ……シュンさん、藤さん、スバルさん、正志ただしさん、あとすけさんも!

 みんな元気そうでなによりだ。


 …………そういえば、みんな顔見知りだな。


「それでボスさん? 皆さんわたくしたちの顔見知りですのね」

「だな! ……どういう意図がおありで?」

「…………べつに君たちの知り合いを集めたわけじゃないんだけどね。たまたまさ」

「…………たまたま……」

「でもそうだね。お互い、若きエースを集めたのは間違いないかな。君たち九人がメインさ」

「えっと……、一、二、三、四…………秘書の人もですか?」

「うん。一応、君たち九人がいなくなったら、また候補者を募って集めるだけだから、心配しなくていいよ」

「心配しなくていいって……」

「雑ですのね……」

「うん。だって……いざとなれば、リーダー以外は僕が倒せるからね。君たちは、成長してほしいから出す、いわば捨て駒みたいなものさ」

「ひどいですわね……」

「それで、俺たちの誰かがエンと対峙した場合はどうすればいいんですか?」

除去クリーンアップという能力で除去するから、安心してくれ。スバルの寿命は、それで伸びたからね」

「ふーん」

「というか、わたくしたちの目的が一つ潰えましたわね……」

「あ、そういえば……」


 ……でも、それって良いことじゃないのか?


 俺は密かに安堵した。

 これでスバルさんも、「新・時空自警団」のメンバーになってくれるだろうからな。


「サポート役は介広、正志、マーガレット、オグルマ。メインは、トキマ、スバル、藤、アキレア、そしてシュンだ。どちらもトキマを除くと四人ずつだね」

「それでボス! どういった作戦で?」

「うん。介広と正志は情報の共有。マーガレットとオグルマは戦闘面でのサポートだ。いいかな?」

「はい!」


 四人が一斉に返事した。


「残りは、そうだな……各自作戦を立てるように。じゃあ、僕と社長さんは『はじまりの世代』の場所の特定をするから解散するね。あまり騒がないでね」

「はい!」

「それじゃあね」

「はい!」

「頑張ってくださいまし」

「うん」


 そうして、社長とボスは退室した。


「よし。それじゃあ作戦を立てる……」

お姉さん(・・・・)! 付き合ってください!」

「はい! で、どこに行くんですか?」

「そうじゃなーい!」

「それより、トキマさんとマーガレットさんって、本当に仲が良いですよね」

「だな!」

「仲睦まじくて可愛かったです」

「それより、作戦を……」

「それで、馴れ初めはいつなんだい?」

「すけさん。俺たちべつに、付き合ってない……」

「二〇一〇年ですわ」

「え?」

「いや馴れ初めってのはだな……」

「仲良くなったきっかけ的な意味ですわよね!」

「そうだけど、たしかそれカップルだったような……」

「それよりも、作戦をだな……」

「それで、いつ付き合うか決めてるんですか? 気になるんですよね」

「時間旅行の際に告白してみますわ!」

「時間旅行?」

「それより、若いのの方から告るのかよ!」

「すごいですね、マーガレットさん」

「ええ! なんたって、おれの妹ですから!」

「納得です」

「それより、作戦を立てないか?」

「スバルさん……」

「なんだ正志?」

「みんな聞いてないです……」

「はぁ……」

「なら、こういうのはどうでしょう? マーガレットさんの能力で予測した結果をすけっちくんの情報力で共有してから各自対応。正志くんは視覚共有で先陣を切ってください」

「おおっ! さすがお姉さん(・・・・)!」

「……オレは意義ないですね」

「俺も! さすが藤さん!」

「わたくしもですわ!」

「おれもおれも!」

「ぼくちんも意義ないんですよね」

「俺もだぜ。さすが藤さんだな!」

「じゃあ、わたしもだ。これにて解散!」


 こうして、藤さんの意見で戦うことになった俺たち。


 一体何人の「はじまりの世代」が特定できるのだろうか。

 こうしてボスと社長に、命運は託されたのだった。

介広すけひろ   男  23歳

一話の任務での相方。

Fの中では特に優秀な逸材。

特殊能力は機械化メカニック

800年後の未来まで跳べる。

「~ね」というのが口癖。

本人は「スケっち」や「すけさん」と呼ばれたがっている。

一人称は「オレ」

藍色の髪色で目はタレ目。性格は穏やか

髪型はシースルーマッシュ(短髪)


スバル  男  28歳

三話に出た師匠キャラ。

FUTURESの最高幹部のひとり。

特殊能力は模倣トレース

未来と過去、両方に行き来でき、

過去には1万4000年、未来へは3000年跳べる。

口調は厳しめ。

一人称は「わたし」

青髪でビジネスショートツイストスパイラルパーマ(短髪)

メガネをかけていてツリ目


ふじ  女  25歳

五話での対戦相手。

FUTURESの最高幹部のひとり。

特殊能力は再生リプレイ

未来と過去、両方に行き来でき、

過去には2万年、未来へは8000年跳べる。

口調はハキハキと話す。

一人称は「うち」

茶髪でセミロングで外巻きワンカール。

切りっぱなし

メガネをかけていて微乳

タレ目

黄色のチェック柄のプリーツスカートに黒のドレープシャツ(カジュアルな服装)

グレーのハーフパンツ

黒いコート


オグルマ  女  18歳

一応、初登場は二話。

特殊能力は消音ミュート

過去に12000年戻れる。

黒髪でアップバングショートウルフ。(短めでキリッとした髪型)

目はキリッとしている。(ツリ目)

黒いスーツ。ズボン。

剣術をアキレアに習っている。

微乳

開発の腕はピカイチだが、まだまだ社長には劣る。

一人称は「わたし」

男を「~君」、女を「~さん」と呼ぶ。二人称は「君」

年上の人は「~さん」と呼ぶ。

基本的には敬語。

クールで、自分からはあまり話さない。

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