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47. ホブゴブリン討伐

 全員がボス部屋の中に入ると、中央に影が生まれてホブゴブリンへと姿を変えていく。

「よーし、始めるぞー」

 Theodore(セオドア)が気合をいれてホブゴブリンへ向かって突撃していく。

「挑発」

 Theodore(セオドア)のスキルに反応してホブゴブリンが動き出す。

 広樹たちから見れば大剣だが、ホブゴブリンから見れば片手剣サイズの剣をまずはTheodore(セオドア)に向かって振り下ろした。

「カウンターシールド」

 その剣をTheodore(セオドア)が受けて立ち、タイミングを合わせてカウンタースキルを放った。

 スキルは決まったようだが、ホブゴブリンはわずかに後ろへ弾かれただけで、ダメージ量は少なかった。

「決まったと思ったんだけどなー。意外にダメージ(ダメ)入ってないよな?」

「思ったより硬そう」

 広樹もホブゴブリンへ向かって駆けていき、スキルを放つ。

「サンダースラッシュ」

「ダークスラッシュ」

 ほぼ同時にJude(ジュード)の攻撃もホブゴブリンの背中に向けて撃たれ、Gillian(ジリアン)、晴樹と続く。

「ダブルショット」

「シャドーボール」

 しかし全体的にダメージは与えられていなかった。

「いくらなんでも硬すぎじゃない?」

「だよなー?」

「なにかしらギミックがありそうね」

「ジリアンさん、攻略サイトでホブゴブリンの情報はありました?」

「いいえ。なかったわ。エリアボスがホブゴブリンだって書いてあっただけね」

「それは怪しいな。いかにもなにかありそう」

「だね」

 広樹たちがそんな話をしていると、ホブゴブリンが雄たけびを上げ始めた。

 どうやらそれは配下の召喚だったようだ。ホブゴブリンの周囲にゴブリンが5体現れた。

「やっぱり出た」

「雑魚狩りにはやっぱチェインライトニングだよな」

「みんなでいっせいに使ったらどうなるんだろう?」

「試してみるか」

 Jude(ジュード)たちも魔法屋で合流した際に広樹の話を聞いて『チェインライトニング』のスキルは全員購入済だ。

 皆面白そうだということで話はまとまった。

「せーの」

「チェインライトニング!」

 5人同時のスキルはボスのホブゴブリンを巻き込んで大きなダメージを与えた。配下のゴブリンは5体ともすでに倒れている。

 だが、1体に戻ったホブゴブリンに攻撃を再開しても、やはりダメージ量は少なく、先ほどとは雲泥の差だ。

「チェインライトニング」

 もう一度同じスキルを試してみるが変化はない。よって雷属性が効果が高いというわけではなさそうだった。

「どういうことだ?」

「ねえ、もしかしてボスはゴブリンが生きているあいだだけ効果的な攻撃ができるんじゃない?」

「そうかも」

「じゃあ、次にゴブリンが湧いたら、僕がボスから離れたところに引っ張っていくから、ハルは僕へのヒールとリジェネを頼める? みんなはその間にボスを攻撃して倒してほしい」

「りょ。ほかのみんなもそれでいいか?」

 特に問題はなかったようで、広樹の案が採用された。

 なかなかダメージが入らないがそれでも攻撃を繰り返しているうちに、またしてもホブゴブリンが雄たけびを上げた。

 再び現れたゴブリン5体に広樹が攻撃を加えていき、自分へと襲い掛かってくるゴブリンたちを剣でいなしながら、徐々にホブゴブリンから距離を開けていく。

 基本は剣で攻撃をしてくるゴブリンだが、たまにファイアボールを撃ってくるのでそれをサンダーシールドで防御する。広樹は自身へヒールとリジェネをかけながらゴブリンたちを倒さない程度に軽い攻撃を重ねた。ときおり晴樹からも広樹へヒールやリジェネが飛んでいった。

 そうやって広樹がゴブリンの相手をしている間に他のメンバーはホブゴブリンへとスキルを叩き込んだ。

「お。ちゃんとダメージ入るようになったわ」

「やっぱり」

「おっし。対策はわかった。今のうちにどんどん削っていくぞ」

 Theodore(セオドア)が盾やメイスを使って攻撃していく。

「シールドバッシュ」

 Gillian(ジリアン)たちもそれに続く。

「パワーショット」

「ダークスラッシュ」

「シャドーボール」

 ホブゴブリンはホブゴブリンで『アースインパクト』や『アーススピア』などのスキルや魔法を使って反撃したが、どんどんHPは削られていき、Jude(ジュード)のバトルアックスでとどめを刺された。

「ダーククラッシャー!」

 ボスが倒れても配下のゴブリンは消えなかったので、広樹の『アースインパクト』とGillian(ジリアン)の『アローレイン』、そして晴樹の『シャドーボール』とTheodore(セオドア)の『チェインライトニング』で片づけていった。

「お疲れー」

「お疲れ様ー」

「GG」

「GG」

「GJ」


 今回はみんなの推薦があった広樹が一人で宝箱を開けることになった。いいものが出ますようにと祈りながらふたを開けると、全員のインベントリに『ドリッテの通行許可書』『幸運のネックレス』が届いた。

 さらに宝箱の中には『蘇生薬』が5本入っていた。

「ここで出てきたか……」

「いよいよ本格的に魔物が強くなってくるってことだね」

 一人1本ずつ蘇生薬を受け取ると、現れた魔法陣に乗ってボス部屋の外へと出た。

 巨大スライムを倒したときのように、遠くにドリッテの町の門が見える。

「それじゃドリッテを解放しに行きますか」

「今度はどんなクエストが出るかなー?」

「それもあったね」

 それぞれが楽しみにしている事柄を話しながら門に向かって歩いていく。

 楽しそうなみんなの笑顔と裏腹に、ドリッテの町に近づくにつれてあわただしい喧騒が聞こえてきた。

「なんか様子が変じゃない? どうしたんだろう?」

「なにかあったのか?」

「イベントの予感がしますねー!」

 Jude(ジュード)の言葉に、それはあるかもと全員が納得しながら、一行は門へと近づいていった。


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