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能力判定
「特別な魔法や技、ってそんなラノベみたいなの、ほんとにあるのかよ」
「ラノベというのが何なのかは存じませんが……」て言いながら、杖のお婆さんがあたしたちを2列に並ばせる。
それぞれの列の先頭に教室のと同じくらいの大きさの机があって、上に赤ちゃんの頭くらいの大きさの透明に光る玉がおいてある。
魔力を測定する水晶玉?
あたしたちは順番にその水晶玉を触らされて、杖のお婆さんが判定したそれぞれの魔法や技の能力を、助手の女の子が記録していく。
あたしは紫魔導士、ていうのらしい。精神干渉系の、紫魔法、てのが使えるようになるんだって。暗示をかけて命令通りに他人を動かしたりできるのかな。
全員の能力判定がおわって、大食堂で夕食やら、大浴場で入浴やらのあと、騎士団宿舎の部屋を割り当てられた。
ふたり部屋で、あたしは幼馴染のミーヤと同室になったけど、ふたりとも疲れ果てていて、おしゃべりもせずに泥のように眠った。