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ジェイド騎士団長
だらしない姿を見かねたのか立派な剣を腰にして姿勢良く立っていたがっしりと体格のいいおじさんがデルフト宰相をかばうように前に出て名乗る。
「騎士団長のジェイドです。
みなさんのお怒りはもっともですが、どうかお静かに」
ジェイドさんはそう言って頭を下げた。騎士団長なんて偉い人だろうに、あたしたち高校生を一人前の大人と同じように扱って謝るなんて、さっきのスポドリべたべたのデルフト宰相とはえらい違い。
それでみんなも少しの間騒ぐのやめた。
ジェイドさんの後ろからは、ウェーブのかかった燃えあがるような紅の髪と、髪色によく合った真っ赤なドレスをきたお姫様が出てきた。
「このアラザール公国に皆様を召喚するに至ったのは、わたくし、カーマイン・アラザールに責任がございます。どうか話をお聞きください」
お姫様、堂々としてる。あたしたちより2つくらい年下かな。