「「好きだよ」」
君と帰る放課後。
授業が終わると、私は当たり前のように君に声をかけて。
君もまた、当たり前のように私と帰る。
周りからは「どういう関係なの?」ってよく聴かれるけど…
ただの、幼馴染み。
そう…ただの幼馴染みなんだよね。
君と並んで歩く帰路。
下らないことを言い合いながら、笑い合う。
俺にとって、楽しくて細やかな幸福の時間。
本当は君と手を繋ぎたいけど…
中々そういう関係になれずにいる。
告白したいけど…
フラれて「幼馴染み」っていう関係まで壊れてしまうかも。
そんなことを考えると、怖くて告白できなくて。
君のことは異性として好きだ。
だけど俺はヘタレだから…君に想いを伝えられずにいる。
隣で揺れる、君の手。
その手に
どうしても触れたくなって─
ぎゅっ…
繋いだ、君の手。
いっせーのせって合わせたかのように、お互い手を繋いだ。
繋ぐ手が…熱い。
顔も、火が出そうなほど熱い。
手が繋がれると、お互い照れ笑って。
そして。
私は
俺は
いっせーのせっで合わせたかのように、言った。
「「好きだよ」」