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一章 裏生徒会始動!!

 授業が終わり、皆は部活に行くなり、帰宅するなりとする中で今日も一人生徒会に紹介され裏生徒会にやって来る者がいた。


 「今日は誰も来ないのか?」

 ケイがそんな事を言っていると、部屋のドアをノックする者が現れた。

 「敵か!? 皆戦闘準備だ!」

 「要らん事すんなや!」

 そう言って美香が扉を開けに行った。

 「はーい。どちらさーん」

 扉を開けると其処には一人の女子生徒が立っていた。

 そしてその子の顔は少し寂しそうな顔をしていた。 

 「取り敢えず入り」

 美香はそう言って彼女を中に入れた。

 ここに来たという事は生徒会が手に負えないというレベルの案件か。

 「その前に、いつまで全員戦闘準備しとんねん!!」

 ケイは改めて彼女に名前と要件を尋ねた。 

 「彼女の名前は高橋かおり。私と同じ一年生ですよ兄さん」

 「流石俺の妹だ!」

 モエが名前を教えてくれた後、彼女は深刻そうな顔で要件を話した。

 ここは長かったので、まとめるとこうだ。

 昔から仲の良かった親友の茜ちゃんがいたらしく、今年の初めまでは普通に学園生活を送っていたのだが、 ある日突然彼女はクラスで虐められるようになってしまったらしい。

 そしてそのまま引き籠るようになってしまったという事だ。

 この話からして、きっとその茜ちゃんを学校に連れ戻してほしいとかそう言う所だろう。

 「で、かおりちゃんは俺達にどうして欲しい訳?」

 「それは、彼女を連れ戻したい」

 「そうか分かった」

 ケイはその場に立ち上がると、真剣な顔で皆に指示を出し始めた。

 「モエ、美香は茜ちゃんの家に明日の放課後行ってこい」

 「俺と鈴谷は校内で聞き込みだ!」

 「久しぶりの共同作業だねリーダー」

 鈴谷はケイに抱き着いた。

 「それじゃあ、今日は解散!」

 

 そして次の日。

 俺と鈴谷は休み時間などを使って校内を聞き込みして回った。

 「ねーねー、ボス私の事忘れてない」

 そう言って俺の服を引っ張ってきたのはハルカだった。

 「あ、ごめんお前全然喋らないから」

 「じゃあ俺達と一緒に聞き込みだ!」

 ハルカは少し嬉しそうに笑った。

 そんなに嬉しいのか?

 そして三人で聞き込みをしていると、ある三人の人物の名が挙がってきた。

 だがこれは後で話すとしよう。

 一方で美香達二人はと言うと放課後になり茜ちゃんの家へと向かっていた。 

 だがそこで二人は苦戦していた。

 家に入れたのいいものの、茜は部屋から出てきてはくれなかった。

 「茜さん、もう一度私達と学校に行きませんか?」

 モエが必死に茜を説得するが反応は無かった。

 説得は一時間にも及んだが彼女は中々返事を返してはくれなかった。

 二人は一旦諦めて、帰る事にした。

 そしてモエが最後に言った。

 「かおりさんがあなたの事を待っていますよ」

 そう言うと彼女は突然怒鳴りだした。

 「嫌‼ 帰って‼」

 その言葉を聞いて二人はそのまま帰った。

 だがモエは何かに気づいたのだった。

 「おーい、二人ともどうでしたかな?」

 「何や、その意味わからんキャラ」

 「ダメだった、ごめん兄さん」

 「謝る事じゃないさ」

 そもそもこれは生徒がやるような事じゃない。

 生徒会に一度回されたという事は、教師も無理だったという事でもある。

 それを俺達生徒がやろうとしてるんだ、簡単なものではない。

 「それとさっきから気になってるんだけど、いつまで兄さんに出抱き着いているの鈴谷さん」

 「ごめんごめん、あんまり怒らないでよ。目が笑ってないよ‼」

 「モエちゃん戻ってき~」

 その後、俺は部屋で今日の情報をまとめていた。

 そして翌日俺はまとめた事を皆に伝えた。

 「それでだな聞き込みで、三室、柴咲、三枝の三人の名前が挙がった。誰か知ってるか?」

 「その人達は虐めグループで有名だよ」

 モエが言った。

 「それと私も気になる事があって」

 「何や? モエちゃん」

 「実はこの前、茜さんの家に言った時私がかおりさんの名前を出したら、声が凄く震えていたの」

 ケイはホワイトボードに今の事をまとめて書いた。

 どちらにしろ、虐めたという証拠か承認が必要だ。

 承認だとかなりの目撃者が必要になって来る、どうにかして集めなくては。

 そしてケイは少しでも多くの人達が承認人になってくれないかと、放課後一人一人に頼み込んだ。

 「ハルカ、少し頼みたいことがある」

 俺はハルカの耳元で言った。

 「分かりました。ケイ君」

 そして俺達は皆で茜ちゃんの家に向かった。

 ピーンポーン

 『はい?』

 「僕達茜さんに会いに来たのですが、茜さんいらっしゃいますか?」

 『少しお待ちください』

 そして五分後ーー。

 『すみません。茜は会いたくないとの事で』

 「そうですか。なら明日の土曜の九時にどうして学校に来るようにお伝えください」

 そう言って俺達は帰って行った。

 「ホ、ホ、ホ。腕が鳴りますな」

 「そのキャラおもろないから止めろや」

 「兄さん私は面白いと思うよ」

 「私も思います」

 「僕は君のすべてが好きだよ」

 「鈴谷に関しては良く分からん」

 こうして俺達は明日に備えて、家に帰った。

 そして土曜の朝。

 天気も良く、朝日が差し込む中、俺達は裏生徒会で待機していた。

 すると部室をノックする者が現れた。

 「どうぞ」と俺が言うと、入ってきたのは茜ちゃんだった。

 「よく来てくれたね」

 鈴谷が優しく言う。

 そしてソファーに座らせると、少し待機してもらった。

 「あの何をするんですか?」

 茜ちゃんが不安そうな顔で聞いてきた。

 「まー、そう慌てないで」

 すると今度は虐めグループの三人が現れた。

 「うち等をここに読んで何の用?」

 そう言いながら茜ちゃんの方を見ると彼女達はニヤついた。

 「なるほどね」

 「話が分かるなら早いです」

 「そうや! 今回アンタらを呼んだのはこの子を虐めた件についてや!」

 美香がそう言うと、彼女達は予想通りの言葉を放ってくれた。

 「証拠はあるわけ?」

 「ないです」

 「無いのに決めつけてんのかよ‼」

 「証拠はないですが署名ならありますよ。ほらこんなに」

 これを学校側に出されると困るのはこの三人の方だ。

  流石に馬鹿でもこれぐらいは分かるだろう。

 「私達にどうしろというんだよ!」

 「簡単です。教えてくれればいいんですよ。誰が指示したのかを」

 そう言うと彼女達は困った顔をし出した。

 言えない相手なのか。

 「早く言わないとこれ出しちゃいますよ」

 「分かった、言うよ」

 「高橋かおりだよ」

 茜ちゃんの顔は青ざめていた。

 実はこうなる事をケイは最初から分かっていた。

 だから敢えてこのようなやり方をした。

 彼女には現実を見てもらうためだ。

 こうしていよいよ終盤へと入っていくこととなった。

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