隻眼の俺と黒靄の残留
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あらすじ
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俺たちは更に奥へ進む。
「おおお」
「すげえ……」
完全な開けた場所に出ると、そこは超巨大な円形上のドームになっていた。
俺たちは横穴を抜けて中心地に辿り着いた雰囲気がある。
「なんだあの建物の形……」
シュラクが指をさすと、地下水に沈んだ街が湖の中に見える。そのどれもが縦長で——なんか見慣れている。
「ビル?」
「あん、なんだそのビルってのは」
「ビルっていうのは、長方形に縦長で中に部屋が何百個もあるような奴だ」
「何百個もあるはずねーだろ」
「あの規模ならあるんじゃねーかなあ」
どう見ても六本木ヒルズレベルだ。
目を凝らすと周囲の建物は全てがビル群で、鉄くずは車のようにタイヤが四つついていた形にも見て取れた。
「科学が発展してたのか……」
沈む信号機に剥がれたコンクリートの道路。そこかしこに生える草木。そして黒い影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。影。
水中の中を抵抗もなく歩ていたが同時に同じ動きで俺たちを見上げる。
「げ、見つかった!」
『センサーはこの地中まで反応していたようですね』
俺はアトラスフェイスを落として、状況を確認する。確認するが、留まることをしらないマルチロックオンが響き渡る。
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピッ——。
『三千五百六十二名です——それと中央に』
「これ以上聞いても無駄だ、アトラ!」
『対異世界武装、奇術喰いを展開します』
俺を中心に次元を変換する光が展開される。
「シュラクは自分の身を守ってくれ!」
「言われなくても!」
腰のナイフを向いて近くに生まれた影たちを切り裂いていく。口だけではないようだ。心配するのも失礼だろう。
「ほら、お前がやりたがってた焼け野原だ!」
左手を強く振るとアトラスの背中から、多段マルチミサイルが次々と宙に生まれる。
「ファイヤ!」
俺は地面をしっかりと踏んで衝撃に耐える。
ランチャーからは煙を糸のように吐き、次々と飛びかかってくる黒い靄を撃墜する。
次に右手を正面に突き出すとパーツが細かく分かれ、腕の形が次々と変化し、剣のような形をした銃へと生まれ変わる。
「おらあ!」
ビーム兵器のようなその弾丸はマルチロックミサイルで打ち漏らした影を叩き落とす。
「正面を見ろ、義贋総司郎!」
影たちは目にも止まらぬスピードで中心へと集まっていく。
初めは黒い点だったが、黒い球へ、球が巨大な鉄球へ、加速度的に巨大化し、最終的には俺たちを指の一本で潰せそうなほどの人型になる。
「で、でけえ」
シュラクはすぐさま壁際を走り出した。俺も腕に生えた銃を使って遠距離攻撃を試みるが、あまりに大きくて決定打にはならない。
「おいおい、よく見るとキモイじゃねーか」
この黒いの、人間の集まりで出来ている。身体の端々で人の手足が出たり生えたり落ちたり切れたり、しかも何千体もいる全てが手招きをしている。
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心にグッときます。感謝してもしきれないほど、毎日喜んでいます。
それでは、またお時間がございましたら、次話でもお待ちしております。




