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【旧】中年おっさんサラリーマン、異世界の魔法には賢者の石搭載万能パワードスーツがステータス最強でした ~清楚幼女やツンデレ錬金術師と家族生活~  作者: ひなの ねね
第二章 灰色だった俺と山吹色の魔道士

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無色の俺と極彩色の魔女の休息

初めての方はこちらから

『黒い流星と極彩色の罪人 ー異世界の魔法に対抗するにはパワードスーツしかないー』

あらすじ

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 二人の受付のお姉さんにもみくちゃに撫でられたシエルを回収し、紙に書いてある行商人ギルドへ向かった。


 行商人ギルドはハローワークからほど近い建物だった。それなりに大きな木造平屋と馬車が出入りしてる大きな倉庫がある。


 俺はこの姿を見て、工場から食料を運び出していくトラック運転手を想像を思い出した。


 子供連れで不審がられながらも、ギルドをまとめているギルド長に顔を出した。ギルド長は人の良さそうなおじさんで、その場で軽く筆記試験を受け、小学生レベルの割り算くらいまでの問題を解いて、筆記試験は合格した。


「へえ、そうじろうって頭いいんだね」


「このくらい楽勝さ。良かったら教えるぜ?」


 シエロに褒められて少しばかり気をよくした俺だ。これからの時代、シエロも算数くらいはできた方が良いだろう。


「いい、別に。そうじろういるし」


「俺に全部計算させる気かよ……」


 面倒くさがりめ。大人になって苦労しても知らんぞ。


 次に実技試験に通される。


 行商人の実技試験は実に簡単だ。馬車で隣村まで商品を輸送して、金を受け取って帰ってくる。ただそれだけだった。


 その後は行商人ギルドへの加入の証として、行商売買許可証をもらって完了。あとは好きに旅に出て売買を行ってくれという。


 戦闘職ならば『転職の儀』のようなものがあるらしいのだが、戦わない者たちにそういった類のものはないらしい。


 俺とシエロはテスト用の馬車を受け取り、食品を詰めた馬車がのんびりと街道を走りだした。


 荷馬車は初めてだが乗り心地は悪くない。引っ張る馬は一頭。たてがみを揺らしながらのんびりと歩く。


「たまにはこういうのも悪くないな」


 空は青く雲一つない。


 大都会とは違い遮るものが何もないので空は限りなく広い。種類の分からない鳥が群れを成して飛んでいる。左右は何処までも広がる草原で風は春のように暖かい。


 ホロの中にいるシエロも御者席に出てきて俺の隣に並ぶ。


「気持ちいいの」


 柔らかな風がシエロの白髪を揺らす。


「帽子飛ばすなよ」


「うん、抱いてる」


 いそいそと魔女の帽子を外して、胸にぎゅと抱きしめた。

いつも最後まで読んでいただきありがとうございます。

またお時間がございましたら、次話でもお待ちしております。

一刀想十郎@小説家になろう

@soujuuro

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