表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【旧】中年おっさんサラリーマン、異世界の魔法には賢者の石搭載万能パワードスーツがステータス最強でした ~清楚幼女やツンデレ錬金術師と家族生活~  作者: ひなの ねね
第二章 灰色だった俺と山吹色の魔道士

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/113

灰色だった俺と宝石の魔導士

初めての方はこちらから

『黒い流星と極彩色の罪人 ー異世界の魔法に対抗するにはパワードスーツしかないー』

あらすじ

https://ncode.syosetu.com/n6321fs/

「アトラはマリアベルを押さえ込め!」


『承知しました、マスター』


 承諾の後、俺の腕からアトラはバラバラに分かれて、立ち上がろうとしているマリアベルの右太ももに取りつき、そのまま地面に押し倒す。


「な、なにこれ、ま、魔術?」


『地面との同化完了いたしました。それとそちらの方も、すぐに』


 俺はラプチャーから目が離せないので、後方を見ることはできないが、きっとマリアベルはアトラによって地面に貼りつけ状態だろう。


「ああ、予定通りだ」


 生身となった俺は一心不乱にナイフを振り回す。


 ラプチャーは高速で魔術を紡ぎ、火球の他にも風の塊や水の竜を呼び出すが、アドレナリンが全開で出ている俺に当たるわけがない。当たるわけがない、当たるわけがないんだ。


 水流の首を切り落とし、かまいたちをナイフで切り上げ、上空の火球へコンバットナイフを投げつけて消滅させる。奇跡だ、奇跡過ぎる動き。


 そして俺はラプチャーに、一発の拳を見舞うため、腰を大きく捻り、


「な、なまみで、グロウスををなぐって、も、自分が痛い目見るだけ、」


 マリアベルの叫びは無視して、全身の体重を拳に乗せる。


「ううううぁぁぁあ!」


 俺の気合の声と共に、体の中央から生命力の塊のような焔が拳に集まっていく。


 白い焔が右腕を包んだ。


「おらああ!」


 ゴキッと音がしたのはどちらの骨か。殴った衝撃は俺の肩までもろに伝わり、俺自身が悲鳴を上げる。


 ラプチャーの右頬にクリーンヒットした拳の力は、直接ラプチャーに伝わり、白い焔がラプチャーの頬に付着したまま、彼は大きく吹っ飛んだ。


「今だ、アトラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアス!」


『承知しました。一度覚えた道ほど、楽なものはないですね。マスター』


 軽快な口調と共にアトラスの残りのパーツが全て、倒れたラプチャーの上に集まっていく。細かすぎてまるで虫が集まっているようだ。


『異世界未確認生物確認モード起動、及び保存を開始します』


 俺の耳元だけに響くアトラの説明は、要するに異世界の生物のデータとるから保存しますよ、ということだ。対異世界探索強化型パワードスーツなのだから、素材を確かめる術があるはずだとは思っていた。


「悪いなマリアベル、シエロも警戒していたようだが、シエロは一人じゃ何もできない」


 俺が倒れているマリアベルに語り掛けている間も、アトラスは形を変化させバラバラになった部品がラプチャーを取り囲む黒い半休体として変化していく。


「アトラ、マリアベルも解放していいぞ」


『承知しました。右腕も確認作業へ加わってよろしいでしょうか』


「ああ、頼む」


 体をやっと起こしたマリアベルは、フードを深く被ったまま、力なく歩き、拳を強く握ったかと思うと、俺の右頬を強く殴った。


 指に宝石は挟まれておらず、俺はなんとか口内を切っただけで済んだ。




 終幕 灰色だった俺と宝石の魔導士

いつも最後まで読んでいただきありがとうございます。

またお時間がございましたら、次話でもお待ちしております。

一刀想十郎@小説家になろう

@soujuuro

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ