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第1話 4

4

 入社式から始まるおおよそ一週間は、会社の研修センターに宿泊してのオリエンテーションの予定だ。

 中央道に乗って山梨方面に向かい、勝沼インターで高速を降りてからもしばらく走って、ようやく研修センターに到着した。

 研修センターの敷地は高い塀に囲まれていて、ゲートを通過するときのチェックが厳重に行われていた。さすが大きい企業はやることが違うね。

 センターの建物は二階建ての白塗りで、ゲートからさらに奥へ走った先の森に囲まれた所にあった。


 研修期間中の土日休みもセンターから出られないなーと、ぼんやり思っていた。しかも山奥のためか、あたしの「柔らか銀行」社製のスマホも、メルちゃんの「イツデモ」社製のも電波が届かず圏外になっていた。

 講習会場の大ホールは、五十人くらい座れる広さで、座席は後ろの方に向かって段々に高くなる構造になっていた。

 あたしはその中段にメルちゃん、乱ちゃんと三人で並んで座った。

 層君は一番前の席で熊男の隣に座った。同じ工場配属なので、交友を深めようとかかな?時々あたしの方をちらっと見ながら二人してなにか話をしていた。

でも熊男は図体がでかいんだから後ろの人が前を見られないでしょうが。あんたは後ろにでも座ってなさい!


 やがて本社での入社式で案内をしていたお姉さんがステージにて説明を始めた。

「遅くなりましたが自己紹介をしますね。わたくしは本社人事部研修担当の万歳梨奈乃まんざいなしなのと申します。みなさんの一年先輩になるんですよ?まだまだ不慣れですが、これから五日間よろしくお願いします。それでは研修の予定を説明いたします」

 さすが大人の女性。立ち居振る舞い、流れるようなスピーチ。理想のすてきな女性像だよー。都会の人は違うなー。

「最初の日は会社説明と人事関連の説明をわたくしから行います。その後、翌日から始まる特別研修について、特別講師の先生からお話があります」

さすが大きな会社だねー。特別講師かー。


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