第3話 16
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「マキちゃん、あの白蛇は雪ちゃんで間違いないと思う。こうなったのはわたしのせい。雪ちゃんは、雪ちゃんの意識は蛇の方の『ジェムストーン』に飲み込まれてしまったんだわ」
「蛇の方って?雪ちゃんはもともと蛇じゃなかったの?」
「これは、この製造方法は誰にも、たとえ量にも言ってなかったけど、実は雪ちゃんの体には『MoNStEr』の『ジェムストーン』が二つ使われているの。普通の『MoNStEr』は一つしか『ジェムストーン』を持っていない。雪ちゃんの場合は、一つは白蛇、そしてもう一つはマキちゃん。正確には昔毒蛇に咬まれたあとにマキちゃんの血がついたハンカチ」
お姉ちゃんはなんで十五年くらい前のあたしの血のついたハンカチ持ってたの?お姉ちゃん当時中学生だったでしょう?何をするつもりだったのよ?恐いよ!
「そうか!それで人間型の『MoNStEr』が作られたのか!盲点だった!」
本能寺さんが叫んでいた。うるさいよ、いいとこなのに。
「二つの『ジェムストーン』はそれぞれが自分だけが残ろうと争って、結局力の強かった方の意識が表に出てきたんだと思うの」
「ということは、いつもは雪ちゃんの意識が出てるけど、今は蛇の方が強くなって表に出てきた、ってこと?」
「そうね。そうとしか思えないわ。雪ちゃんが第三世代かどうかは、まだわたしにはわからない。でも普通の『MoNStEr』とは違うのはこれが理由。そして、さっきの爆発の後に白蛇が出てきたってことは、爆発のせいで雪ちゃんの意識が弱くなってしまったのかも知れないわね」
特殊部隊を追いかけていた巨大な白蛇は、次のターゲットとして、あたし達のいる方に向かってきた!
こっちにはお姉ちゃんや月平、層君達、そして白衣のおほほ星人たちがロープで縛られている。あのスピードで来られたらとても逃げられない!
あたしは何も考えず白蛇の前に飛び出した!
「雪ちゃん、雪ちゃんなんでしょ?あたしだよ、マキだよ!いったいどうしちゃったの?」
白蛇はあたしの前で停止した。あたしが誰だかわかったのだろうか?
「雪ちゃん、遅くなってごめんね。捕まっちゃって恐かったでしょ?爆発に巻き込まれて痛かったでしょ?ごめんね。あたし達人間が勝手に雪ちゃんを振り回して」
白蛇は何も言わない。
「雪ちゃんなの?それとも白蛇さんなの?お姉ちゃんに聞いたよ。体の中にもう一人もいるなんて。白蛇さんも押さえつけられてつらかったよね?本当にごめんね」
すると白蛇から二つの声が重なって聞こえてきた。
『クワセロ、クワセロ、クワセロ、クワセロ、フヤセ、フヤセ、クワセロ・・・』
『マキちゃん、恐いよ。マキちゃん、助けて。もう食べたくないよ。気持ち悪いよ。わたしがわたしじゃなくなっちゃう。わたしが違うモノになっちゃう。こわいの。マキちゃん、助けて・・・』
「雪ちゃん!」あたしはどうしたら助けられるか、全くわからなかった。
そのとき、白蛇の頭があたしの方へ動いて・・・・・・・、
あたしを頭からぱくりとひと呑みにしてしまった!あれれ?
あたしの意識は一瞬で無くなった。




