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第3話 9

9

 「さあ、疑問が解消したところで作戦会議再開だ!」なんで本能寺さんが仕切るの?

 「量、あなたしっかり考えなさい。何度電話しても出なかったから、わたくしがわざわざ呼びに行ってあげたんだから。片道4時間もか・け・て!」

 「はい!仰せの通りに!ワタクシカンガエマス!」

直立不動ってこういうことを言うのか。あんたはロボットか?


 「でも敵には正殿君がいるのよね?やっかいだわ」あれ?お姉ちゃんも正殿って人知ってるんだ。

 「吹雪や正殿の組織はおそらく、国際的な大企業と繋がりをもっていると思う。半端じゃない資金が流れていそうだ。さっきの『コントローリングスパイダー』なんてあれだけ集めるのに何億かかるか」蜘蛛のくせにそんなに高いの?ロボットなのに?

 「あれはアメリカで軍事用に開発された、対「MoNStEr」戦を想定された最新の兵器だ。「MoNStEr」の動きをハッキングして操る。あんなもの日本では手に入らないはずだ。

 それに正殿のあの身体能力は異常だ。さっき戦ったときどうだった、南部?」

 「あまりにも動きが早く、完全に俺の動きを見きっていた。あれは人間のレベルを超えている」えー、そーかなー。月平が弱すぎるだけじゃないの?

 「そもそも正殿は実験しか取り柄のないひ弱な体質で、20リッターの液体窒素の容器も持ち上げられなかったくらいだ」その比喩わかりにくすぎる。

 「あの動き、体格からして、米軍で装備されているパワードスーツを着込んでいたんだろう。人工知能制御型の」奥さん、それもお高いんですね。わかります。


 「なあ本能寺、ウチらの推測なんやけど、あいつらやはり『カーバンクル』やないかと思うんや。そうなると全て辻褄が合う気がすんねん」

 「ねえ?さっきから何度か『カーバンクル』って名前が出てるけど、なんなの?ゲームのキャラクターであったような?」額に宝石のある可愛いMoNStErだよね。

 「マキさん、『カーバンクル』っていう言葉には『細菌によって起こされる癰(よう)と呼ばれる感染症』という意味もあるんだ。言い換えると人類に対する病原菌。そしてアメリカの軍事産業ナンバー3の会社の名前。つまり、アメリカの会社が吹雪達をつかって雪ちゃんを奪おうとしていると考えられるんだ」

 なにそれ?なんで層君がそんなこと知ってるの?それって一般常識なの?『よう』ってなに?よう、ひさしぶり!とか?


しばらくして、カラスの勘九郎がへろへろになって戻って来た。どうやらアジトの場所を突き止めたようだ。

 「ようやった勘九郎。少し休みや」

 「姐さん、あまりゆっくりしている事態ではありやせんぜ!今からあっしの撮ってきた映像を映しやすんで直ぐに見ておくんなせえ!」

 そういって、勘九郎は右足をカメレオンのロゼッタさんの前足に繋いだ。


 「あはん。うぐぅっ。はぁあんん」

妙に色っぽい声でロゼッタさんは背中に空から撮影したと思われる映像を映し出した。なぜか月平が赤い顔で横を向いている。

 「勘九郎がビデオカメラ付きドローンで、ロゼッタさんがモニターっちゅうわけやな」

 なるほど。んで、ウサギのモナ香ちゃんは集音器付きレコーダーなんだね。あれ?なんか普通にある道具みたいだけど、これって??

 勘九郎は足にモナ香ちゃんをつかんだまま飛んでいるようで、ときどき足下にモナ香ちゃんがぶらぶらしているのが映っている。モナ香ちゃん恐くないのかな?

 映像から山の中の狭い一本道をトラックが疾走している様子がわかった。このトラックは先ほど雪ちゃんを連れさった一味が乗っていたモノに違いない。

 「ここは諏訪湖近くの山の中だぜ。もう少しでアジトだぜ」

トラックは急に右折してさらに狭い未舗装の道に入っていった。上空からだと杉の木立に見え隠れして見失しないそうだったが、やがて三階建てのビルと大きな倉庫のある広場に出て、トラックは停止した。

勘九郎は木の梢に留まったようで、映像は固定カメラのようにぶれなくなった。

 トラックの荷台からは男と赤い着物の女の子、そしてカエルのぴょん吉がビルに向かって歩いているのが見える。ビルの入り口前には黒いスーツを着た二人の男が彼らを迎えていた。

 「場所がわかったので、モナ香を置いて急いで戻って来たんだぜ。今頃モナ香はやつらの会話を聞いて録音している筈だぜ」


 本能寺「まだ作戦は決められていないが、直ぐに出発しよう!」うん!急がないとね!

 乱「でもなんの準備もなく行っても返り討ちに遭うだけやで」

そうだね、準備まだしてないもんね。

 月平「でも、奴らも俺たちが直ぐに来ると思って、雪ちゃんを別の所に動かされるとやっかいだな」

大変!早く行かないと!

 層「こちらの今の戦力は少ない。応援を待ってみてはどうだろうか?」

うん・・・。たしかに弱いよね。

 メル「わたくしたちに協力してくれる人の増員はすでに要請済みでございます。作戦は諏訪湖に着くまでに車の中で考えてみてはいかがでしょうか?」

急ごう!時間がもったいないもんね!

 レイカ「彼らの組織を甘く見てはダメよ。さっきは散々にやられてしまったでしょう?」

うん・・・。ズタボロだったね。


 全員「「「「「「それで、マキちゃんはどうすればいいと思う?」」」」」」

 「ええーと・・・。あたしは少しでも早く雪ちゃんを助けて、安心させてあげたい!かなと・・・」

  

 「わかりました。まずは出発いたしませんか?わたくしが衣カンパニーの特殊部隊を呼んでいますので、戦力は対抗できるレベルになるかと思います。もちろん人員と武器は十分に揃えておきます!」なんでメルちゃんが衣カンパニーを動かせるの?

 「あの、メルちゃん、警察呼んだ方がいくないかな?」誘拐事件だし。

 「マキちゃん、雪ちゃんがもしも第三世代だった場合、これは世間に公表でけんで。世論がどう動くかわからんし。

 なにより特定化学物質(製造または輸入の許可、使用の制限、政令指定製品の輸入制限、物質指定等の際の回収等措置命令等が規定されています)に該当する恐れがあるんや。

化審法(化学物質の審査および製造等の規制に関する法律です)に引っかかっているのを知っとるのに放置しといて、厚生労働省と環境省にばれると経済産業省の立場がやばいんや」

 乱ちゃんなんでそんなに詳しいの?でも漢字多すぎで意味わかりません!

 「あらあ、雪ちゃんは毒性がない筈だから、とりあえず特定化学物質には該当しないはずよ。今のところは」

お姉ちゃん、それって思いっきりグレーなんじゃないの?限りなく黒に近い。

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