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二人の出会い

神社界での実体験を折り混ぜながらの創作です。

日々少しずつ書いていきたいです。


朝日向あさひな うた

 紅 一葉くれないかずは



私は朝日向詩。

普段から和風の小物が好きで、神社で働いてみたいなと言う気持ちはあったけれど、

普通の会社のようにいつでも募集しているわけではない。

運よく神社の巫女という職業の募集を見つけることができ、その世界に飛び込むことになった。

こういうものは縁だなぁ、とつくづく感じた。

無事面接に受かったのは2人。

私ともう一人、いるみたいだ。

一緒に過ごすのは、どんな人なんだろう。


初出勤

今日から、正式に赤い袴を着て仕事をすることになる。

それでも、初出勤なのでスーツを着なくちゃいけない。

就活の時に散々来たスーツだけど・・・

まだ着ているというよりも、着られている、と言った感じだろうか。

昨日の夜は、期待と不安が入り混じったような感じで、あまりぐっすりとは眠れなかったはずなのに、

妙に今日は目がさえている。

きっと緊張のせいだろう。どうか、今日一日を無事に過ごせますように。

「いってきます!」

短く母にそう言い、カバンを持って駅のホームへ向かう。

私は、おそらく最初の朝礼かどこかである、自己紹介の時のための文章を考えていた。

えっと・・・趣味は何て言おうかな・・無難なところにしておこうか、それとも、

早く覚えてもらうために、もっと印象的な事にした方がいいかな・・ああどうしよう!


そうこうしている間に、紫珠神社むらさきのたまじんじゃの門の前についた。

すると、彼女の横をすっと通り過ぎた、背の高いすらっとしたスーツ姿の女性が妙に気になった。

(こんな時間に一人で神社にくる女性なんて・・凄く信仰熱心な人なのかな?

ん・・?もしかして、もしかして、あの子が、私の同期かな??)


「えーっと・・社務所へまずいかなくちゃ・・」

私が社務所の方向を見ると、スーツ姿の女性も同じ方向を向かって歩いているようだ。

社頭にいる巫女服姿の女性と何か話している。

やっぱり、あの子そうなんだ!!


彼女がこちらへ振り向く。

すると、彼女は

「あ・・もしかして、あなたも、今日こちらに入社される方ですか?」

初対面なのに物おじせず、すらすらと喋る。

しかし威圧感は感じなかった。

「はい、そうです。」

「この鍵で、あそこの建物の中にある更衣室に行けって言われたんです。

そこで、先輩が待っていらっしゃるみたいで」


「今日からよろしくお願いしますね。」

「こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。」

「緊張、しますね・・・・」

「そうですね・・・でも、私、この神社に知り合いがいるの。」

「そうなんですか?」

「私の兄がいるんです」

「へえー!神職さんなんですね!では少し安心ですね^^」

「いえ、それが・・・」

一葉は、何か隠しているような表情で、言葉を詰まらせた。

「あ、あそこで庭の掃除してるの、私の兄なの」

「そうなんですね・・!」

その神職は彼女と同じく、背がとても高かった。

短髪でメガネをかけ、きりっとした眉が印象的。一瞬、こちらを見た。

詩は、少しびっくりして慌てて軽く会釈をした。

だが一葉は、気まずそうにすぐ顔を背けた。

「とりあえず、早く慣れるといいですよね、お互い」


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