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夢見がちな科学者/5 years ago
夢見る少女の物語の始まりです(少女が登場するとは言ってない)。
よろしければ、どうぞお楽しみください。
※こちらと次話は本編の前置きです。飛ばしていただいても(恐らく)問題はないかと思います。
――もしも一日中起きていられたら。
そんなことを夢想したことはあるだろうか。
人間が生きていくために理想的な睡眠時間はおよそ八時間であることは広く知られている。
一日は二十四時間。
八時間の睡眠を取ったとしたら、残りは十六時間。およそ三分の二の時間しか残されていない。
余暇、仕事、趣味。僕たちにはやりたいことがありすぎる。
三分の一のぶん、僕たちは常に何かを諦め、切り捨てて、日々を過ごしてる。
でも、もしも。
もしも、その三分の一を捨てずに過ごしていられるとしたら?
睡眠を取り、体と脳を休めながら、活動できるとしたら?
――それは夢のような技術なんじゃないだろうか。