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幕間《ハピーと一緒》

今回は、ハルの視点、一人称の文章になってます。

ハピーとハルの会話のみの話です。

説明が多くてくどいと感じるかもしれませんが、メインストーリーを潤滑に進める為なので、ご容赦ください。

飛ばしても、さほど影響が出ないようには構成しています。

 ハピー。

 それはハピネスの屋台骨を支える大切な柱。

 ハピー。

 それはハピネスにとって無くてはならない存在。

 ハピー。

 それは、悪の組織には欠かせない全身黒タイツの戦闘員だ。


「と、いうわけでだ。ハピー達の事が知りたい」

「何がと言うわけなのかは分かりませんが……お話するのは構いませんよ」

 俺の質問答えるのは、ハピー達のリーダー、ハピー一号だ。

「えっと、まずは人数ですが、現在三十名ほどのハピーがいます」

 おお、結構いるな。

「ええ。そして、それぞれのハピーに番号が付いています」

 番号とは?

「慣れてくれば見分けられますが、それでも紛らわしいのは確かなので一人一人番号を持っています。だから、お呼びの時は番号を言ってくれると私たちも直ぐに返事が出来ます」

 確かに。

 ハピー、と読んだら三十人のハピー達が一斉に振り向く。

 その光景を想像し、俺は少し笑ってしまった。

「普段は何をやってるんだ?」

「そうですね。大きく分けて二つです。

 一つはハピネスの業務、もう一つはハッピーハピーの業務です」

 はて、ハッピーハピーとは何だっけ。

「千景様が作られた会社ですよ。ハピネスの存在を隠すために、このアパートを有限会社ハッピーハピーの建物としてたのです」

 なるほど。

 確かに、昼間っから集団で活動しているのを誤魔化すにはピッタリだな。

「その会社はどんな仕事をしてるんだ?」

「主に業者や会社相手の便利屋です。特に最近多いのはイベントの手配ですね。そのほかにも備品の発注や器具の修理など、何でもやりますよ」

「そんなこと出来るのか?」

「ええ。ハピー達の多くが、会社をリストラされたり、何らかの理由で社会から弾き出された者です。なので彼らの多くが就職するための何らかの技能を持ってるのです」

 そいつは頼もしいな。

「ええ。お陰様で今のところ業績も好調なんですよ」

 それは何よりだ。

「やっぱりこの格好のお陰ですね」

 どういうことだ?

「いや〜、この格好で作業をするので、印象に残るらしく同じ会社からの依頼が最近多いんですよ」

 こいつは何を言ってるんだろう。

 全身黒タイツ。手袋に長靴。そしてイタズラ書きのような人の顔が入った白い仮面。

 ダメだろう。

 これで人前に出ちゃダメだろう。

 そもそもどうしてこの格好の人間を怪しまないんだ。

「それがですね。うちの会社はイベントの開設もやってますので、この格好もコスプレだと思われてるらしいのですよ。だから、怪しまれるどころか、むしろ受けてますよ」

 間違ってる。

 世の中間違ってる。

 こんな怪しげな奴ら放置するな。

 俺だったら直ぐに通報する。

「ええ、何回か通報されて警察に職務質問されたこともありますよ」

 をい。

「でも、コスプレですって言い切ると大抵見逃されるんですよ」

 頼むよ警察。

 もうちょっと頑張ってくれ。

「あと、ハピネスの業務ですが、これはハルさんもご存じですよね」

「まあ、大体はね」

 一号の問いに、俺は答えた。

「一番のメインは、奈美さん率いる戦闘部隊の戦闘訓練です。こいつは全員参加の基本メニューですね。怪我とか年による免除以外は例外なく参加です」

 こいつは俺も参加した。

 二度と思い出したくないようなハードトレーニングだ。

 奈美は絶対にSだ。

 特に俺に厳しかった気もするが。

「確かに、アレは明らかにツンデレでしたね」

 お前は何を言っている。

「気にしないでください。まあ、ほとんどデレですけれどね」

 意味不明のことを話し出す一号。

「まあ、それは置いておいて、他の仕事ですが、千景様の下で情報関連業務や事務仕事、広報関連などがありますね」

 確かに、あそこの仕事はかなりきつい。

 仕事が次々入ってくるので、常に幾つもの仕事を抱えている状態になる。

 千景さん以外では運営に支障が出るだろう。

「後は剛……いえ、ローズ様の下で福利厚生に関する業務ですね」

 これはよく分かる。

 一番俺が実績を上げた仕事だろう。

「そうですね。アパートのボロ床を直したり、建物の補修工事をしたりと、ハルさんのお陰で大分過ごしやすくなりました」

 そう言われると悪い気はしない。

「こんなところでしょうか。もっとも今後メンバーが増えれば仕事も増えるしょうが」

 なるほど。参考になった。

「それじゃあ、そろそろ行きましょうか。ハピネスの初作戦が始まるようですよ」

 一号の言葉に俺は時計に視線をずらす。

 集合時間の十分前だ。

「よし、それじゃあ行こうか」

「はい。ハルさん」

 俺とハピー一号は作戦司令室へと向かった。


長い説明文を読んでくださってありがとうございます。

次回より、ようやくハピネスの活動が始まります。

よろしければ、またお読み下さい。

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