幕間≪座談会をしよう(3)≫
久しぶりの座談会です。
今回は誰の紹介になるのでしょうか。
久しぶりなので、今までと少し雰囲気が違うかも知れませんが、
仕方ねえなと読んで頂ければありがたいです。
ハル「え~それでは、久しぶりの座談会を始めたいと思います」
奈美「ホント久しぶりよね」
千景「まあ、色々あって座談会をやる時間もありませんでしたから」
紫音「そうだな。……そう言えば、ジャスティスの奴らはどうした?」
柚子「今日は欠席されるそうです。先ほど矢文が幸福荘に射られました」
ママ「今時矢文なんて、なかなか洒落てるじゃないか」
ハル&奈美「ママ!!」
ママ「ああ、二人とも元気そうで何よりさね」
柚子「あの……この方は」
千景「私が招待した、西園寺要さんです。ハル君の恩人で、母親のような方です」
柚子「(千景の言葉に敏感に反応し)初めまして。私、和泉柚子と申します」
ママ「おや、これは丁寧な挨拶を頂いちまったね」
柚子「とんでもない。ハルさんのお母様にお会いできて嬉しいです」
ママ「そうかい? あたしは西園寺要。ママって呼んでくれると嬉しいね」
柚子「はい、お義母様」
奈美「今、何か凄い不穏な発言が出た気が……」
柚子「気のせいですよ」
ママ「はっはっは。面白い子達だね、気に入ったよ」
紫音「要殿は良いとして……剛彦はどうしたのだ?」
千景「少しお使いを頼んであります。もう戻る頃だと思うのですが……」
剛彦「みんなぁ、お待たせぇ」
ハル「お帰り。お使いって何だったの?」
剛彦「忘れ者を取りに行ってたのよぉ」
奈美「者?」
千景「近所の公園で力つきていた、ドクターの回収です」
一同「「忘れてた」」
蒼井「お前ら、この天才である吾輩を忘れるとは何事か!」
ハル「奈美、蒼井は疲れてるみたいだ。休んで貰おう」
奈美「は~い。てい♪」
蒼井「はべぇぇ……ばたり」
紫音「静かになったところで、それでは座談会を始めるとしよう」
和泉柚子について
柚子「わ、私の事ですか」
紫音「ハピネスに一番最後に加入した、謎の多い幹部だな」
千景「無論、私は全てを把握してますよ(にこりと笑顔で)」
一同「「(冷や汗)」」
奈美「柚子って、ハルが勧誘したのよね」
ハル「ああ。ストライキの時だな。保険医を捜してて、その時に」
剛彦「ホント、あの無茶苦茶な条件をクリアした、レア中のレアキャラよねぇ」
ママ「なるほどね。ローズがうちに医者を捜しに来たときのことかい」
千景「加入してからも、なかなかちゃんと紹介する機会がありませんでしたね」
紫音「うむ。それでは、早速紹介して貰おうか」
千景「では私が説明しましょう」
柚子「何でですか」
千景(柚子を無視して)和泉柚子。年齢は二十六才。血液型はA型。十二月二十二日生まれの山羊座」
ママ「おや、見た目よりも大分年が上だね」
ハル「千景さんよりも上。ハピネスの女性幹部では最年長か」
柚子「(少し涙目で)ハルさんは年上の女の人は嫌いですか?」
ハル「いや、別に年齢なんて気にしないけど」
柚子「(もの凄い良い笑顔で)良かったです」
剛彦「ハルちゃんはぁ、相変わらずのフラグハンターよねぇ」
ママ「あたしの教育がいけなかったのかね」
千景「いえいえ要さん。これは天然物ですから」
紫音「そうだ。要殿が気にする必要はない」
奈美「そうですよね……。悪いのは全~部、ハルだものね」
ハル「な、奈美。拳を握って近づくのは……。や、やめ……うあぁぁぁぁ」
奈美「さ~て、スッキリしたところで、どんどん行きましょう」
一同「「コクコク」」
千景「身長は142cm、体重は40kg。視力は0.01です」
剛彦「小さいわねぇ~」
紫音「小さいな」
奈美「小さいですよね」
ママ「少し小柄かね」
柚子「しくしくしくしく」
ハル「と言うか、目がかなり悪いな」
奈美「あ、復活した」
ハル「衝撃を逃がす体術をモノマネしたからな」
千景「本当に、座談会だと便利なモノマネですね。その一割でも本編で使えれば」
ハル「何か……本当にすいません」
紫音「ハルの言うとおり、かなり視力が悪いようだが、見えているのか?」
柚子「はい。いつもはコンタクトをしてますので、問題ないです」
剛彦「メガネはしないのかしらぁ」
柚子「寝る前とか、部屋で一人の時などはたまに掛けてます」
ママ「ふむ、なかなか似合いそうじゃないかい」
紫音「ちょっと見てみたいな」
千景「そう言われると思い、ここにメガネを用意してあります」
一同「「流石ですね」」
千景「少し馬鹿にされたような気もしますが、とにかく掛けてみてください」
柚子「(渡されたメガネをかけ)あの……どうでしょうか、ハルさん」
ハル「うん。凄い似合うよ」
柚子「ありがとうございます。とっても嬉しいです」
奈美「む~」
ママ「ほらほら、奈美ちゃん。あんまりふくれっ面をするもんじゃないさね」
剛彦「それにしてもぉ、雰囲気が少し大人っぽくなるわねぇ」
柚子「本当ですか。それじゃあ、これからはメガネにします」
ハル「即答!」
柚子「(頬を赤らめ)ハルさんが似合うって言ってくれましたし……」
奈美「ハル~。ちょっとお出かけしましょうか。……三途の川まで」
ハル「ちょっと待て。流石に二連発は俺もきつい……」
柚子「大丈夫です。私がちゃんと連れ戻しますから」
ハル「止める努力をしてくれぇぇぇ」
千景「そうですね。メガネを掛けるのはオススメしません」
ママ「おやどうしてだい?似合ってると思うけどね」
剛彦「柚子ちゃんのメガネでぇ、ハピーのみんなが暴走するものねぇ」
紫音「私にも予想出来たぞ……。無用の混乱は避けるべきだな」
千景「柚子は今まで通りで、メガネの着用を禁止します」
柚子「残念です……」
奈美「ほっ」
千景「医師免許を持っていて、ハピネスでは保険医として働いています」
奈美「立場としては、幹部なんですよね」
紫音「無論だ。医療班を率いる、衛生部隊長という肩書きを持っている」
ハル「ひょっとして、うちの組織ってタイツを着てなければ幹部なんじゃ……」
剛彦「ハルちゃん。それは言わないお約束よぉ」
ハル「俺から一つ聞いても良いですか?」
千景「はい、どうぞ」
ハル「初めてあったときに言ってた、スイッチについて少し聞きたいんですが」
奈美「あ、それ私も聞きたかった」
紫音「私も聞いておきたいな。……柚子、構わないか?」
柚子「コクリ」
千景「では。スイッチとは一種の自己暗示だと思ってください」
ハル「自己暗示……催眠術みたいなやつですか?」
千景「当たらずともです。柚子は人の出血によって、意識が切り替わります」
紫音「それはつまり、二重人格と言うことか?」
千景「少し違います。人格は変わらず、意識だけが切り替わります」
奈美「?????」
千景「例えると、運転すると急に人が変わる人がいるでしょう。あれが近いです」
ママ「なるほどね。人格の切り替えじゃなくて、別の思考フレームに切り替わるわけかい」
ハル「思考フレーム?」
ママ「考え方、思考回路なんて言い換えられるかね」
千景「一切の感情、無駄を排除し、最適かつ最善の治療を行えるようになります」
剛彦「あらぁ、でもそれじゃぁ別に技術とかが凄くなる訳じゃ無いのねぇ」
千景「はい。技術、知識は元々柚子が持っているものです」
千景「元々持っている力を、最大限に利用できる。そう考えて貰えるといいでしょう」
ハル「なるほど。つまり、元々柚子は凄い奴だって事だな」
柚子「(顔を真っ赤にして)そ、そんな……。褒めすぎです……」
奈美「むむ~。まあ柚子が凄いってのは同感だけどね」
ママ「おやおや」
紫音「むむ、柚子の説明で大分時間を使ってしまったな」
剛彦「そうねぇ。今日の座談会はここまでかしらぁ」
蒼井「ちょぉぉっと待てぇぇ。次は吾輩の紹介じゃないのかぁぁ」
千景「あらドクター。起きちゃったんですか」
蒼井「吾輩はこの小娘より先に登場したんだぞ。どうしてまだ紹介されないのだ」
奈美「いや、別に知りたくないし」
紫音「需要がないからな」
千景「特に説明することもありませんし」
蒼井「うわぁぁぁぁん。ぐれてやる、ぐれてやるぞ」
ママ「ぐれても今と変わらなそうさね」
ハル「ママ、なにげに酷いね」
奈美「それに、次の紹介はローズさんって決まってるのよ」
紫音「そうだぞ。主人公、女性陣と終わったら次は剛彦の番だろう」
千景「剛彦は説明のしがいがありますよ」
剛彦「いやだわぁ、もう。お手柔らかにねぇ」
ママ「話はまとまったようだね」
蒼井「(部屋の隅で体育座りして)ぶつぶつぶつぶつ」
千景「それでは、今回の座談会はここまでです」
紫音「一度に一人、もしくは二人紹介という感じだな」
奈美「次はローズさんね」
ハル「どんな事が語られるのか」
ママ「まあ、お楽しみにさね」
剛彦「それじゃぁ、座談会はお開きで~すぅ」
一同「「お疲れさまでした」」
凄い説明っぽい座談会になってしまいました。
次回の座談会はもっとはっちゃけたいです。
柚子が主役の話は用意しているのですが、ちょっとシリアスなので、
なかなか出すタイミングが難しいです。
次回は今回欠席したジャスティスのお話の予定です。
またお付き合い頂ければ幸いです。