幕間《座談会をしよう(1)》
今回は、完全に本編世界とは別世界のお話です。
パラレルワールドでの会話という設定です。
セリフのみの話となりますが、どうぞお楽しみ下さい。
ハル「それでは、座談会を始めたいと思います」
紫音「……それは構わないが、何故お前が仕切る」
ハル「い、いや……それは一応主人公だから……」
千景「そうですね。貧弱で頼りないけど……一応主人公ですね」
奈美「大体いつも殴られることで落としてるけど……一応主人公ね」
剛彦「女の子みたいにぃ可愛いけどぉ……一応主人公よねぇん」
蒼井「オタクに一騎打ちで負けてるが……一応主人公だな」
ハル「しくしくしく……ぐれてやる」
柚子「泣かないでください。私はハルさんは主人公として一生懸命やってると思いますよ」
ハル「うぅぅ、ありがとう柚子。君だけが俺の味方だ……」
柚子「(抱きつかれて)あ、あ、あぅ……」
奈美「な、な、何をやってるの〜〜!」
葵 「お兄さん……この間のではまだ殴られ足りないのですか?」
ハル「何で葵がここに居るんだ」
千景「私が呼びました」
ハル「千景さん……なんて事を」
美園「まあ良いではないですか、御堂ハル。今回は本編とは何の関係もないのですから」
葵 「そうそう。今美園さんが良いこと言った」
千景「まあ、こうしていてはキリがないので、もう始めましょう」
ハル「そうですね。……それでは座談会を始めます。最初のテーマは、これです」
御堂ハルについて
ハル「いきなりかよ……」
葵 「でも、そう言えばお兄さんの事ってあんまり知らないですね」
奈美「私も興味あるな〜」
ハル「そんなこと言われても……今更話す事なんてないぜ」
剛彦「それじゃぁ、プロフィールを教えてよぉん」
千景「私がお答えしましょう」
ハル「何故?!」
千景「(ハルを無視して)御堂ハル。年齢は十九歳。血液型はB型。九月十五日生まれの乙女座」
美園「乙女座……ですか。ふふ」
ハル「昔から言われてるから……もう慣れたよ」
千景「身長は165cm、体重は50kg。視力は両目とも1.2」
紫音「ふむ……やっぱり小さいな」
剛彦「でもぉ、このくらいの方がぁ可愛いわよぉ」
千景「本人が言うように、学力などは全て平均です。ただ、他の人と違う点が一つ」
蒼井「吾輩も注目している、モノマネだな」
柚子「私はまだ見たことがないのですが……どのようなものなのですか?」
ハル「ん〜、説明が難しいな。要は見たものや聞いたものを真似るだけだよ」
紫音「だが、本編を見るとそれほど便利な能力でもなさそうだな」
美園「幾つかの制約がありましたよね」
奈美「えっと……確か本物と比べて、何かが劣化するんだよね」
千景「本編だと、奈美の瓦割りでは純粋に力が、美園の思念読解の時には能力をオフにする能力が、潜水の時には呼吸を止めていられる時間が、それぞれ劣化してますね」
葵 「では、モノマネする元の能力が高ければ高いほど良いと言うことでしょうか?」
千景「そうはいきません。二つ目の制約が、モノマネの持続時間です」
美園「確かに、私の思念読解を真似したときも、大体十分くらいしか持ちませんでしたね」
剛彦「これってぇ、真似したモノによって持続時間が違うわよねぇ」
千景「はい。これに関しては、真似をするのが難しいモノほど持続時間が短いようですね」
蒼井「超一流の技ほど、モノマネしたモノの質も上がる。だが」
葵 「持続時間はその質に反比例して、短くなるのですね」
柚子「では、持続時間が切れそうになるたびに、またモノマネをすればよいのでは……」
千景「はい。柚子さんの質問に答えたいところですが、次回の話がハル君のモノマネの話になる予定なので、あんまりここで答えてしまうと書くことが無くなるので、ここで質問をうち切ります」
ハル「……良いのか……それで」
紫音「まあ良いではないか」
千景「総括すると、実は元暗殺者だったとか、何かのエキスパートだったりとか、遺伝子操作されてたり、なんて事は一切ない普通の子、だと言うことです」
美園「……一言でまとめちゃいましたね」
紫音「それも良かろう。……ハルだし」
千景「ハル君ですし」
ハル「しくしくしくしく……」
奈美「そ、それじゃあ、次のテーマに行こうか」
早瀬奈美について
奈美「わ、わたし?」
葵 「姉さんの事ですか……」
美園「今サラッとばらしましたが、奈美と葵は双子の姉妹です」
ハル「衝撃の事実を、あっさりとばらしたな」
葵 「まあ隠してる訳でもありませんし」
紫音「それじゃあ、まずはプロフィールからだが……」
千景「では私から発表させて頂きます」
奈美「何故ですか!?」
千景「(奈美を無視して)早瀬奈美。年齢は十六歳。血液型はB型。七月七日生まれの蟹座」
ハル「確かにB型だな」
奈美「どういう意味よ!(ハルの腹に拳を入れる)」
柚子「あの……そう言うところが……ではないでしょうか」
蒼井「直球であるな」
剛彦「まぁそれがぁ、奈美ちゃんの良いところでもあるんだからぁ」
千景「身長は156cm、体重は――」
奈美「わぁぁぁぁぁぁ。千景さん、ストップ、ストップ!!」
ハル「何だよ奈美。体重なんてそんなに気にしなくても……」
葵 「ちっちっち、お兄さんは乙女心が分かってませんね」
柚子「好きな人の前では、女の子はいつだって可愛くいたいのですよ」
紫音「もうよい。千景、他のプロフィールは?」
千景「はい。実家は早瀬流古武術の本家です」
剛彦「じゃぁ、奈美ちゃんが強いのはそのお陰なのねぇ」
葵 「それだけじゃありません。私たちには兄がいますが、弱いですよ。姉さんが突然変異で常人離れした怪力と戦闘センスを持っているのです」
ハル「なんだいそりゃ。じゃあ、奈美が強いのは生まれつきって事じゃないか」
葵 「もちろん、実家の道場で鍛錬をしたことも、強さの要因の一つですが、根本的に姉さんの強さは天才的なものです」
蒼井「怪力か……吾輩も何度か喰らっているが、具体的にはどれほどのモノなのだ?」
千景「私のデータでは、握力は400kg以上、背筋は2t以上ですね」
一同「んな、アホな!!」
奈美「うぅ、みんな揃って……非道い……しくしく」
紫音「まあ、まあ。お前の力はハピネスにとって欠かせないモノなのだから」
柚子「そ、そうですよ。奈美さんがいなくてはハピネスは語れませんよ」
ハル「俺も奈美のお陰で、何度も救われてるしな」
美園「敵ながら恐ろしい相手です……」
剛彦「奈美ちゃんはぁ、とっても魅力的な女の子なんだからぁ、自信をもってぇね」
奈美「うぅ、みんなありがとう……」
葵 「といいますか、姉さんの怪力を知った今、姉さんを怒らせることなんて誰も言いませんよ」
一同「余計なことを言うな!」
奈美「……みんな……今のは……本当かな」
一同「………………………………」
奈美「本当なんだね……」
紫音「さて、急な仕事を思い出した。これで失礼する」
千景「では私もお付き合いします」
剛彦「あらぁいけなぁい。会議の時間だったわぁ」
柚子「で、では……私も出席しましょう……」
蒼井「吾輩も……参加させてください」
美園「では葵。戻りましょうか」
葵 「そうですね。ではお兄さん、頑張ってくださいね」
ハル「へっ。いや、みんな、ちょっと……待って。俺も……」
奈美「ハル……捕まえた」
ハル「な、奈美さん……。手が、手が折れるぅぅぅぅぅ」
奈美「ごめんね。今日はもう、止められなさそう」
ハル「止めて!全力で止めてくれ!」
奈美「ちょっと……激しく行くよ」
ハル「助けて、みんな……助けてくれ〜〜!!」
座談会の途中ですが、不慮の事故のため、一時中断させて頂きます…………。
いつもと違う感じのお話となりました。
今回はハルと奈美しか、紹介できませんでしたが、いずれ全部のキャラクターでやりたいと思います。
次回は、話の中で千景が言っていたとおり、ハルのモノマネについての話になります。
読んでいただけたら、幸いです。