大学編〜縁があって、ここに来た〜
六月にオーケストラ体験をしてから、「大学ではオケに行く!」と決意を固めた。そんな著者に待っていたのは、受験勉強地獄なのであった……あらすじ終わり。自分史最終話では、今所属している大学オーケストラについて語ろうと思う。
私が通っている大学との出会いは、夏休みのオープンキャンパスであった。そこでは音楽系の部活の発表会があったので、興味本意に行ったのである。
発表していた部は、合唱部、マンドリンクラブ、そしてオーケストラ。オケに興味があった私には、ちょうど良かった。
ただし、このオーケストラの演奏は、あまり記憶にない。どっちかというと、演奏会後に偶然出会った、ヴィオラの素敵な先輩との会談タイムの方が、鮮明に思い出せる。
詳しい内容は伏せるが、この先輩との話を聞いて、何となく思った事がある。
「私、来年はこのオケにいるかもしれないなぁ」
本当にぼんやりした、不鮮明な思いだった。しかし、私があのオケで弾いている姿は、容易に想像出来た。
時は進んで十月末。推薦試験を間近に控えた私は、受験勉強の癒しにと思って、第一志望大学の学園祭に来ていた(もちろん、夏休みに来た大学と同じ大学である)。
大学に着いて真っ先に行ったのは、オーケストラが運営している音楽喫茶である。この喫茶では、団員の演奏を聴きながらケーキを食べる事が出来るという、素晴らしい仕様であった。
ケーキを食べながら、先輩達の演奏を聴く。ケーキも美味しかったし、何よりも、演奏に驚いた。
演奏は、私が思っていたよりもずっと上手かったのである。この大学オケに入部するのは、初心者がほとんど(特に弦楽器の人)だと聞いていたが、初心者だとは感じさせないほど、素晴らしい演奏であった。楽器が違うから比べようが無いが、正直、私よりも確実に上手だった。
私は、色々な意味でショックを受けた。そして、改めて決意したのである。この大学に入れたら、絶対にオーケストラに入ろうと。
結局、前期試験でその大学に受かり、入学式や新入生コンサートで先輩達の演奏を目の当たりにし、「皆カッコいい」という感想を抱きながら、私は晴れてオーケストラの一員になったのである。夏休みに感じた通りになったので、「これは運命だったのか」と思ったものだ。少なくとも、私はこの大学、このオーケストラとは、何か縁があったのだろう。だから、私は今ここでコントラバスを弾いている。
オーケストラに入団してからは、とにかく怒涛の毎日。あっという間に月日が過ぎていった。特に、十月に入ってから三ヶ月は、目も回るような忙しさ。大変だった。
でも、今年はマーラーの「巨人」やベートーヴェンの「第九」を始め、色んな名曲を弾かせてもらった。アマチュア、しかも楽器歴数年にしては、ずいぶん頑張ったと思う。難しかったが、弾いていて楽しかった。
二回生はもっと忙しくなるそうだが、一生懸命頑張りたいと思う。今度は、弾くだけで精一杯という状態では無く、多少は余裕を持っていきたいものだ。
来年は、チャイコフスキーの年になる。ロシア音楽、十分に堪能したい。
……と、ここまで書いた所で気付いたが、テキトーなエッセイとか言っといて、だんだん文章が真面目になってきた気がする。自分の歴史を語るからか、テキトーな感じにならなかった。来年は、もうちょい気の抜けた文章を書きたいものだ。
これを書いてる今は、8時5分。年越しクラシックが始まってしまった。やばい。では、ここらへんで、自分史は終わっとこう。ここまで読んでくださった皆さん、自分の自己満足に付き合ってくれて、本当にありがとうございます。
では皆さん、よいお年を。来年もよろしくお願いします。