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高校編1〜クラシックの編曲は〜

 クラシック編曲の事を話す前に、まず吹奏楽部に入った経緯を話そうと思う。

 中学生までは運動一筋な感じの私であったが、高校では同じ運動部に入るか、それとも新しい事に挑戦するか迷っていた。運動部に入るのをためらったのは、中学三年の引退試合で、色々燃え尽きたからである。

 そんな迷える子羊(?)に転機が訪れたのは、高校合格後にあった新入生説明会の日だった。

 実力テスト等疲れる事を終えた後、さっさと家に帰ろうとした時。私は、先輩方に渡された沢山の部活勧誘のチラシを抱えながら、校門へ向かって歩いていった。その途中で、金色の楽器が演奏している所に遭遇したのである。 何の曲を吹いていたのかは忘れたが、楽しげな音だったのは記憶している。聴いていて、私はワクワクした。今まで疲れていたのに、演奏を聴いているうちに、疲れなどいつの間にか忘れていた。

 先輩方の生き生きした演奏を聴いて、吹奏楽に興味を持ったと同時に、改めて音楽の素晴らしさに気付いたのである。

 その後、春休みに吹奏楽部に見学に行き、改めてこの部に入ろうと思い、入学後も他の部は見学しないで吹奏楽部に入ったのであった。何故コントラバス担当になったのかは、話すとちょっと長くなるため、割愛する。コントラバスについては、またいつか話したい。


 そんな経緯で入った吹奏楽部。そこで初めて聞いたクラシックは、ボロディン作曲「イーゴリ公よりだったん人の踊り」。この曲は、吹奏楽コンクールの自由曲であった。

 先輩達の演奏を聴いているうちに、私はこの曲にハマっていった。特に、娘の踊りの流麗さと哀愁漂うメロディーには、思わずため息をついた。この曲を弾きたい!と思ったが、オーディションに落ちて叶わず。当時は、非常に残念に思ったものだ。

 この曲がクラシックの編曲であり、しかもカットや転調されていた事を知ったのは、確か六月頃。一人の部員に、だったん人の踊りのCDを貸してもらって聴いた時だった。

 先輩達の演奏とCDの演奏、雰囲気がまるで違ったのである。そう、吹奏楽とオーケストラの演奏なのだから、違うのは当たり前だ。

 最初は、CDの演奏に違和感を持った。先輩達の演奏を先に聴いていたので、吹奏楽版の方がしっくり来ていた。だが、何度もCDを聴いているうちに、オーケストラ版の方も好きになっていった。

 こうして私はクラシック、そしてオーケストラを知り、意識し始めたのである。

 後に、吹奏楽ではクラシックの編曲も多く演奏されている事を知った。クラシック編曲ではコントラバスも目立つと聞いて、私はクラシック編曲をぜひ演奏したいと、度々思った。

 その後、私の在部中に、クラシック編曲を二曲程演奏した。コントラバス担当の私にとっては、喜ばしい事である。……しかし、私は何故か、演奏してもしっくり来なくなってしまった。

 クラシックの編曲では、コントラバスが中心になれると思っていた。しかし、それは違ったのである。少なくとも、私が弾いた二曲はむしろ、チューバの方が低音の主役であった。だって、吹奏楽オリジナルでもそうなのに、コントラバスの楽譜はクラシック編曲でも、チューバと同じ所ばっかりだったのである。

 どんなに頑張っても、コントラバスはさほど音量が出ない。音量が出るチューバの方が主軸になるのは当然の事だった。吹奏楽という形態では、コントラバスはあくまでサポートなのである。

 私は、自分の隣にいるチューバを羨ましく思い、同時に、吹奏楽でのコントラバスの扱いに疑問を持っていったのである。オーケストラの方に興味を持ち始めたのは、ちょうどその頃であった。


 次回……初めてのオケ体験へ続く。

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