中学以前~無意識に聞いてたクラシック~
初めからいきなり自分史を語るなんてどうよ?……とは思ったが、まあ理由は前話で書いた通りなので。これから四話程度、(自己満足で)今までの自分をクラシック関係の出来事に基づいて書かせてもらいます。
さて、私の中学以前の人生だが……私は中学時代までは、どちらかと言えば音楽に興味がなかった。小、中学時代は運動(主に陸上競技)好きな少女だったのである。
今では、私が運動していた面影は全く無いが、昔はそこそこ運動神経が良く、足も速い方だった。部活はもちろん体育会系である。小、中学時代の私の意識は、終始運動方向へ向きっぱなしであった。
一方の音楽はと言うと、決して嫌いじゃ無かったし、むしろ好きな科目であった。リコーダーも歌も好きで、授業は楽しかった。だが、クラシックというものはあまり知らなかったし、知る気も無かった。時々、弦楽部の発表を聞く機会があったが、聞いても「へぇー、弦楽器弾けるんだ。すごいなぁ」程度の認識であった。
上記のように、クラシックをそんなに積極的に聴かなかった私。しかし。そんな体育少女の私は、実は赤ん坊の頃から、無意識にクラシックを聞いていたのであった(事に最近気付かされた)。
いきなり話が変わるが、「タマ&フレンズ」を知っているだろうか。十数年前に放送されていた、タマという子猫とその仲間の猫、犬達が繰り広げるほのぼの日常アニメである。果たして、覚えている人はどのくらいいるのだろう。
私は小さい頃、このアニメをよく見ていたらしい。ビデオに録画もしていて、小学生、中学生の時も、たまに取り出しては見ていた。とにかく、この可愛らしい猫達が好きだったのである。
時は過ぎて、大学に入った後のある日。クラシック曲を携帯に取り込めるサイトで、「なんかいい曲無いかな〜」と曲を粗探ししていた時、私はある曲名が目に入った。「ワルツィング・キャット」……作曲者は、「そりすべり」や「トランペット吹きの休日」で有名な、ルロイ・アンダーソンである。
この曲名に、私はあのアニメを何となく思い出しながら、ちょっと聴いてみた。――聴いた瞬間、飛び上がった。そして心の中で叫んだ。
「これ、タマ(のアニメ)で流れていた曲じゃん!」
忘れかけていた「タマ&フレンズ」のあるシーンを思い出す。すると、そのシーンと一緒に、使われていたクラシック音楽も頭の中に流れてきた。今まで何となく聞き流していた音楽だったが、何度も見ていたおかげか、曲の旋律を無意識のうちに覚えていたのである。
そういえば、私はたまに、頭の中で「ワルツィング・キャット」(当時は曲名を知らなかった)の旋律を歌っていた。私は知らず知らずのうちに、クラシックに親しんでいたのである。
後一曲紹介するが、小学生の頃に無意識に聞いていたクラシックに、デュカスの「魔法使いの弟子」があった。
この曲は、かの有名なミッキー○ウスのビデオで聞いていた。確か、○ッキーは赤いローブ(だっけ?)を着て、青い、星模様がついたとんがり帽子を被っていたような気がする。 内容は、歩く箒がミッ……の言う事を聞かず、洪水を起こした事しか覚えていない。ああ、箒恐ろしや。
トラウマになりかけた内容(特に箒が)はもちろんだが、一緒に流れていたBGMも、私はどうやら覚えていたらしい。この曲も偶然聴いて、箒が歩くシーンと一緒に流れていた曲だと、一瞬で分かった。
これはついでの話。曲名が分かった後、改めてあのネズミさんのビデオを見ようとした。しかし、どんなに探しても、あのビデオは見つからなかった。母も、捨てた覚えはないと言うのに……世の中には、不思議なこともあるもんだ。
……とこんな風に、私は小さい頃から、偶然か親の意図的行動か分からないが、知らず知らずのうちにクラシックに親しんでいたのである。
確か、母は私が産まれる前、胎教にいいからとモーツァルトを聞いていたらしい。なら、タマやマウスさんを見せたのも意図的かもしれないが、別に悪い事ではないから、まあいい。
とにかく、私は中学以前、運動ばかりでクラシックとは関係ない生活を送っていたように見せかけて、実は結構、クラシックと縁がある生活をしていたのであった。以上、中学以前編終わり。
次回は、高校の吹奏楽部編に行きます。