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10年前の乙女ゲーライバルから、溺愛されてしまうのだがっ⁉  作者: レイチェル
第一章「私はルシファールートをプレイしたいのにッ!」
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ルシファールートの為なら、何でもしますっ!

 しかし、よくあることだ。

 唯一の特技であり、自身に満ち溢れていたものが、一瞬で地に落とされる。上には上がいるのだと。アリサ自身から励ました声をかけようが、それでは彼の心の内を満たすことはできないだろう。代わりに、熱い何かがもっと必要なのだ。

 

 こういった()()()()()()が己の未熟さを痛感するシーンでは、これからの自信への成長する糧へと受け止めなければいけない。次に繰り広げられる困難に向けて、立ち直り頑張らねばっ!

 

(そういう展開を、アリサ、いや現世の私はいくらでも知っている! というか、読んだ()()でっ!)


「アレックス様、あなたなら絶対勝てる。私が保証してあげるからっ」

「お、おう」

「なんなら私が鍛えてあげるから、知ってるから。特訓や修行する術を」

「あ、そ、そうなのか」


 アレックスは、思わずテンパった。

 今まで誰にも期待されていなかった。ただでさえ、チェンバレン家の中でも厄介者扱いなのだ。跡継ぎ以外では、誰もアレックスに将来性を求めていない。


 だが、今のアリサはどうだ。アレックスに向けられる瞳には、純粋で混じりけのないものだった。ただ真っすぐ、自分を信じてくれるその瞳。ルシファーに勝てるのだと、しかもそんな期待の眼差しで見つめられると――。


(くそっ、よく見るといい女じゃねぇかっ! なんなんだ、この感情はよぉっ!)


 アレックスは咄嗟に、ぶっきらぼうに顔を逸らした。恥ずかしさを隠すため、口角を無理やり釣り上げた。そんな様子も知らずに、アリサは自信満々に話を続けた。

 

「私が鍛えてあげる、アレックス。きっとルシファー様に勝てるから」

「分かった、なら騙されてみたと思って、やってみるか。今の俺、全然らしくねぇしな」

「そうよ、その勢いよ、アレックス」


(確かに、女の前でくよくよしてんのも、カッコ悪いしよ……でも、この胸の高鳴りはなんなんだっ!)


「どうしたの? 胸なんか抑えて」

「ちげぇよ、ただその、オメェのそばかす、何だかいいってなって」

「ん? 私に喧嘩売ってんの?」


 それは、アリサというか、私のコンプレックスだった。

 急に顔を赤らめて胸を抑え始めたから、どうしたのかと心配したら、すぐに嫌みが跳んできた。


(やはり、ルシファー様がいい。ルシファー様も()()のことをいいと言ってくれたけど、不良でガキっぽいコイツがいうと嫌みでしかない。やはり私はコイツのことを利用してやるだけ、利用しよう)


「みっちり鍛えてあげる」


 そう、にっこり微笑むアリサ。


 アレックスはあくまでも、ルシファールートの布石なのだから。

面白いと思って頂けた方は、ブックマークと評価をして頂けると幸いです!

何卒よろしくお願いします。

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