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10年前の乙女ゲーライバルから、溺愛されてしまうのだがっ⁉  作者: レイチェル
第一章「私はルシファールートをプレイしたいのにッ!」
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ここからは私の悪あがきっ!

「ん、何だい? アリサ」


 振り返るルシファーの口元には、ほんのり笑いかけるように見えた。しかし、その瞳からは一切温かさを感じることができない。いや、ルシファー自身に他人を見下すという意図はないが、周りにはそう感じさせる。


 だから、周囲の者は唖然とした。

 なぜ、引き留めるのかと。無論、そこでひれ伏しているアレックスまでもが。


「失礼ながらも、申し上げ宜しいでしょうか」

「いいよ、アリサ」

「アレックス様は未だ、万全ではなかったご様子。ここにいらっしゃるまでの道中でお疲れのようでした。なので日を改めて、また試合をするというのはいかがでしょうか?」

「いや、昼間から私に突っかかっていたじゃないか?」

「それは……」


 言葉に詰まるも、その通りだった。

 

 何ともお粗末な引き留め方だ。何の根拠もない。でもここで行動を起こさないと、何も起こらない気がしてして――。


 そこで、苦し紛れにご令嬢の目を見た。


 すると、ご令嬢は何やら分かったかのようにポンと手を合わせた。


「確かに、ここにくるまでの道中、アレックスの体調は良くなかったのかも。ルシファーに立てついていたのも、そう見えないよう隠すためだったんじゃないの?」

「なぜそれを隠したんだい?」

「そんなのおっしゃらなくても、察してくださいな。決闘を申し込んでおいて、こちらの都合で断るなんてできるわけないじゃない」

「はっ、なるほど。そういうことか」


 合点が行ったように、ルシファーは頷いた。


「私の方が浅慮だった。なら、尚更ここで休息するといい。では3日後、改めて仕合うことにしよう」


 そうして、ルシファーは今度こそ屋敷の方へ踵を返す。


 その顛末を見ていて使用人たちも仕事に戻った。

 

 そして去り際に、ご令嬢がアリサにだけ聞こえるようにして耳打ちした。

 

「ありがとうね、アリサ。これで、3日はここにいられるわ。ルシファーは用事が終わったら、すぐ返そうとするから。ナイスアシストよ」


 広場に残ったのは、アリサとアレックスだけになった。

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