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10年前の乙女ゲーライバルから、溺愛されてしまうのだがっ⁉  作者: レイチェル
第一章「私はルシファールートをプレイしたいのにッ!」
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転生したと思ったら、私のままでした

 前世で日本人だった私は、どうやら通勤途中に交差点で車に跳ねられ、プレイしていた乙女ゲームの使用人『アリサ』に転生した。


 まだほとんどやったことない乙女ゲーに、だ。

 通学する道中だったから、20分程度しかプレイしていない。ゲームのタイトルすらも覚えていないのだから、こちらの世界観など分かるはずもなかった。


「けど、完全に私は私だなぁ」

 他人事のように、呟いた。

 

 現在、使用人部屋の個室。

 

 等身大の鏡に映った映った自分は、まさしく生きていたときと瓜二つというか、そのままだった。


 (何となく薄い印象で、顔立ちも普通とか、言われたことあったなぁ)


 一重のタレ目で、まつ毛は長くて黒い、髪型はセミロングのストレート。体型はやせ型。身長は160センチくらい。


 乙女ゲーの主人公の顔は、前髪が隠れて分からなかったり、後姿しか映っていなかったりする。

 だからそのまま『私』の顔ををそのままはめ込んだのだろう。西洋が舞台になっているゲームなのに、ザ日本人って感じになっているのだが、それは仕方がない。新しい自分になりたかったと言えばウソではないのだが……。


 けど、これだけは納得していない部分があって……。


「これは引き継いでほしくなかったなぁ」

 

 それはそばかすだ。


 あろうことか、鼻の下に、黒いゴマに散りばめられている。


「そりゃないよ、神様」


 そばかすは消してほしかった。

 小学生からこのそばかすのことでからかわれ、病んでいた時期もあるくらいだ。大抵のことはどうでもいいと割り切れる自分でも、このそばかすだけは許せなかった。


「化粧ってそもそもあるのかなぁ。隠せないかなぁ、このそばかす」

「別にいいじゃないか。私は好きだぞ、それ」

「そうは言ってもですねぇ、昔からのコンプレックスで……って、ルシファー様いたのですかっ!」

「何回もノックしたのだぞ。全く、鏡の前でぶつぶつ独り言を」

 

 まるで天候すらも味方に付けたかと……。

 彼の顔に、窓から程よい陽光が差し込み、柔らかく照らしている。鼻筋は整然と通り、顔の輪郭はしっかりとした男らしさを漂わせていた。


(いい感じに陽光が差し込んでますわっ!)


 いついかなるときでも、キュン死させてくる。

 

「心配したぞ。君が苦しそうに胸を抑えていたから、一旦自室にして休んでもらっていたが……というか、また胸が痛むのか、アリサっ!」

「何も心配ありませんっ! 私は元気ですっ!」

「そ、そうか」


 私のテンションに押され気味に、ルシファーはとりあえず頷いた。


 もう前世の私なんかどうでもよくなってきた。


 今からは、使用人のアリサとして生きよう。そうしよう。


「ほら、呆けてないで来客が来る。私と一緒に来てほしい」

「誰ですか?」

「誰って、決まっているだろう」


「アレックス・ベルナルドーネ。私のライバルにして、仇敵ともだ」


 仇敵と読ませて、友と呼ばせるのは、漫画やアニメの世界あるあるだよなぁとは、そのときに私ことアリサは思いましたとさ。


面白いと思って頂けた方は、ブックマークと評価をして頂けると幸いです!

何卒よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
・まるで、普通で、普通をそのまま形にした感じって、言われたことある →普通で、を除くか、普通という概念を形にした〜と比喩につながる文にしては ・主人公の顔の「空白」が概念的すぎる 前髪が隠れてよくわか…
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