特訓あるのみっ!
「で、マジな話すると、どうやったらあの野郎に勝てるんだ」
「ちなみに、ルシファー様に勝てるような人っているの? あなたの学園に、何人くらいいる?」
「ば、馬鹿じゃねぇのっ⁉ 学園トップクラスの生徒会長でも、一撃すら入らなかった相手だぞ。無理に決まってんだろ」
「そんなに強いんだ?」
「攻撃を仕掛ける前に、あの素早い一刀で瞬殺だ。アイツの一刀に勝てるはずがねぇよ。学園試合のときのアイツは、それ一本で決勝戦にまで勝ち進んだんだ」
(……なんか現実味がないというか、異世界味がないわね)
そんな魔法的じゃない方向で瞬殺とは、アリサは戸惑いを感じた。魔法を発動する前に、何よりも素早い一太刀で倒すとは。脳筋にもほどがある。
でも、それならば――。
「ルシファー様にも凌ぐほどの速さを極めなきゃね」
「お前の前向きすぎる姿勢は逆にスゲェぜ」
「逆にそうでしょ。それでルシファー様をギャフンと言わせてやるんだから」
「そのギャフンというすら、誰も達成できなかったんだが」
「無理ゲーって言われるほど、やる気がでるものなの」
「ふっ、むりげーって何だよ。でも、なんだがおもれぇな」
アリサは得意げにふっと笑う。それにアレックスはつられて笑ってしまった。無邪気で楽観的なアリサの性格に、アレックスは不思議と元気が貰えた。
「じゃぁ、やってやるかっ!」
「特訓あるのみよ」
「応っ!」
二人の特訓は終わらない。




