1-2 やっと会えた
私は早速シリウス様の尊顔を拝みに行こうとした。
でも困ったことに、
「今おにーさまはどこにいるの…」
そう、家が広すぎて居場所が全く分からないのだ!!
ほんとにいるのかなぁ、なんて思いながら私はその場にしゃがみこんだ。幼いうえに病み上がりのこの体は既に限界を迎えようとしているらしい。
「うぅ〜………」
「あら、お嬢様ここにいたのですね!」
私がしゃがみこんでいるのを見てメイドさんらしき人が話しかけてきた。
………………そうだ!!!
私はすくっと立ち上がりメイドさんの目を見た。
「あなただぁれ!!」
メイドさんは一瞬驚いた顔をした後にっこりわらってしゃがんだ。
そして、
「私はリリアお嬢様の専属侍女のスーザンと申します。」
と言った。
スーザン?は聞いたことない名前だから重要人物ではないだろう。
「スーザンっていうんだ!!よろしく!」
私がこういうとスーザンは宝物を見るかのような優しい目で「よろしくお願いします」と返してくれた。 なんだかとてもいい気分になった。
それはそうと、
よし!!!!聞いてみよう!!
私は蜂蜜色の目をうるうるさせながら、
「あのね、おにーさまがいないの…。どこにいるの…?」
とスーザンに聞いてみた。
「シリウス様を探しておられたのですね!」
スーザンは少し考える素振りをした後、
「シリウス様でしたらあちらの図書館で本を読まれていますよ!会いに行くのでしたらご一緒しますよ?」
と指をさしながら教えてくれた。
なるほどね!本を読んでるシリウス様かぁ…!!
でも初見のシリウス様には1対1で会いたい!
私は
「ううん、すぐそこだからひとりで行く!ありがとー!」
と言って、再び活力を取り戻した足を弾ませた。
スーザンは少し戸惑ったような笑顔で私に手を振っていた。
いよいよご対面ね!!!
私は重い扉をそぉーっと開けた。
これは………想像より図書館広くない!?!?
視界一面に広がる本たちに呆気にとられてしまった。
スーザンと来ればよかったとちょっと後悔していると、何やら視線を感じた。
バサッ_____
本が落ちたような音のした方向に私は目をやる。
あぁ、やっと会えた…!!
私の視線の先には驚いた表情をしてこちらを見ている銀髪の少年がいた。その少年は私が幾度となく見てきた彼の幼少期そのものだった。
かっこいい~!!!!!
この一言に尽きる。
私がうっとり見つめていると視界の少年がだんだん大きくなっていく。
「リリ!?!?目覚めたのか!?」
その少年に肩をがしっと掴まれる。
私ははっと現実に引き戻された。
わ、私推しに肩掴まれてる!?!?!?
「え、えっと、うん、へへ」
あれ、
語彙力がほんとに赤ちゃんになってしまった。これはシリウス様が悪い。
「は、そんな……」
私が浮かれた顔をしている中、銀髪のその少年は密かに歯を食いしばっていた。