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1-1 運のいい日

「う、美しすぎるっっ、、、!!!!」


私は窓からある人を見て呟いた。


夜空を駆ける流れ星を思わせる白銀の髪、ハワイの海以上に澄んだアクアマリンの瞳、そして糖度120%と言っていいほどの甘い声の持ち主。そう、それこそが彼、尊い推し様「シリウス・ファレンティ」である。シリウス様はアニメ、劇場版まで出た大人気小説「青薔薇の貴公子」の男主人公で、一途すぎる男として名を馳せている大人気キャラだ。


そう、小説の中のキャラクターの()()だった__




少し遡り二週間前


私‘櫻井 陽菜’は今日も青薔薇コラボのカフェに出向いていた。なぜかその日は運が良く、特典のコースター全てシリウス様だった。私はとっっても上機嫌で帰路につくと、いきなり後ろから急ブレーキ音が聞こえて振り返った。急に体に渡った刺激と共に体がだんだん冷えていくのを感じる。


‘早く帰ってアニメ見なきゃいけないのに’


そんなことを考えて私の意識は途絶えた。





「…リリ!?目覚めたのね!?!?」


お医者さん、、、?


「うぅん……ん、、?」


ぼやけた視界がだんだんと鮮明になっていく。

目を擦る手はなんだか小さいような、、。


、、私死んだの、、?



「神様ありがとうございます!リリ、調子はどう?」

「、、え?」


私が横になっているベッドの横で手を握って泣いているお姉さんがいた。


なんか見たことある顔してるな、、美人だ、、、。

私は彼女に見惚れつつも辺りを見回した。


ななな、なにここ!?!?どこかのスタジオ!?


見たこともないような豪勢な部屋に驚いていると、綺麗なお姉さんが心配そうに話しかけてきた。


「リリ、大丈夫なの、、?」


リリ、、?

まてよ??

私はこの名前を知っているはず。


「はい。あの、あなたはどなたれすか、?」


おそらくこの体が幼いため滑舌が悪くなっている。は、はずかしい、、


彼女はその美しいアクアマリンの瞳がこぼれ落ちそうなほど目を見開いた。


「、、!!そんな、記憶がなくなってしまったの!?…わたくしはルシア・ファレンティ。ちなみにあなたはリリア・ファレンティ、私の大切な娘よ。」


「、、えぇぇぇ!?!?」


ルシアにリリア、青薔薇の貴公子で序盤で死んじゃうシリウス様の家族じゃん!?!?はい!?


「あぁ、可哀想な私の娘、、」


私のお母さん?が涙を流していたけれど、今はそれどころじゃなかった。


私事故で死んでシリウス様の妹になったの!?!?何事!?!?





そのあと私は母にあらまし情報を教えてもらった。


私はシリウス様の3歳下の妹であるリリアに転生してしまったらしい。リリアは4歳のお誕生日パーティーで誤って池に落ちてしまい1ヶ月生死を彷徨っていたけれど、奇跡的に目覚めたという。


本来ならここでシリウス様の妹は亡き者になってしまうはずだったのに__!


リリアとして生きられることは私からしたら万々歳な話だけど、これから先、小説に載っていない未知な世界が広がっているというわけだ、、。



なにそれすごく楽しみなんだけど!?!?これから推し様の妹ポジで、推し様の幸せを見届けられるなんて最高すぎる!!


怖くないと言えば嘘になるが、それ以上にとてつもなく楽しみだった。


リリアは小説でもアニメでも描写されたことはなかったけど、シリウス様やお母様とはあまり似ていなくて、空色の髪に、くりくりで黄金の蜂蜜のような色をした瞳だった。いわゆる美少女ってやつだ。



まあこの世界に来たからには最初にやることは決まっている!!


「おにーさま、あいにいきます_!!!」


私は心に熱い炎を燃やしていた。

これからよろしくお願いします!

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