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プロローグ

 響き渡る剣戟の音。

 周囲に漂う血肉の臭い。生々しいモノもあれば、既に腐ったモノもある。

 火の手があちらこちらで上がり、嗅ぎなれない焦げた肉の臭いもした。

 息をするのも辛い。苦しい。自分ももう直ぐ周囲に転がる人だったモノの仲間入りをするのだと、ただただ疑わずにいた。

 恐怖はある。しかし既に絶望の淵に立たされている為か、ある種の諦めを覚えていた。

「お前は生きろ」

 誰かに、そう言われたことがあった。

 いつどこで言われたのか、誰に言われたのかも覚えていない。

 ただ、そう言われたことだけは覚えていた。しかし……

「もう、無理だよ」

 自分の口からそんな言葉が発せられ、ふと気がついた。

 ――それは、自分の声ではなかった。

「ファナ……ごめん……」

 そう呟く声も、自分のものではなかった。しかし、紛れもなく自分の口から発せられたその言葉は、自分の意思で発したものではなかった。

 自分が喋っているのだと理解出来る。だけど、まるで別人の視点で物事を見ている様な感覚。そう、まるでこれは――

「夢みたいだ」

 途切れかけた意識の中、その声と自分自身の声が確かに――

 重なった……

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