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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

天空戦機スカイザーP

 時は二十三世紀、場所は日本。人類は未知なるエネルギー、フローティングライトと永久機関フェネクスエンジンによって目覚ましい発展を遂げた。

 二つの目覚ましい発明はかつてない恩恵をもたらし、また暗礁に乗り上げていた環境問題の解決にも貢献する。

 二十二世紀に勃発した第五次世界大戦通称「人類殲滅戦争」によって絶滅の危機に瀕していた人類は歓喜に沸いた。とりわけフェネクスエンジン開発チームの主席である鶴田智道博士には世界各地から惜しみない称賛の声が届けられた。


 2222年3月18日、ネオ東京ドームにして今や人類再生の旗手と為った鶴田博士は超国民栄誉賞を受賞することになる。全てが運なく行く…はずだった。


 ネオ東京ドームの天井にある大型投影式スクリーンに映し出される巨大な秘飛空戦艦の数々。

 黒い船体には翼の生えた竜の姿が描かれていた。歓声に包まれていた会場内は一斉に静かになる。


 そして次の瞬間、スクリーンに仮面の男が映し出されていた。


 黒いマントに白いスーツ。仮面の端には火傷痕がわずかに見える。

 

 男の姿を見た瞬間、鶴田博士の表情が凍りついた。


 「君はまさか…」


 博士は狼狽えながら大きく崩れた。死んだはずの男が目の前に現れたのだ。その衝撃は計り知れない。


 「ふっふっふっ。お久しぶりです、鶴田博士。お元気でしたか?」


 仮面雄男は豹府に恐れ戦く博士を前にしてにこやかに微笑んだ。

 だが心の中は灼熱のマグマの如きそうおが渦巻いている。彼は感情と過去を隠す為に仮面を身に着けたのだ。


 「嘘だ。君が生きているはずがない。君は死んだはずだ。フェネクス開発チームのリーダー、天龍幻一郎博」


 鶴田博士は恐怖のあまり言葉を上手く紡げない。本来なら恩師の遺児であり、研究仲間でもある彼の生還を喜ばなければならないはずなのにそれが出来なかったのだ。


 「そうです、私は生きていたのです。政府のエージェントたちがフェネクス機関の設計ミスを隠す為に企んだニセの爆発事故から…私は生還したのです。このような身体になってしまいましたがねえ」


 天龍幻一郎は黒い仮面を外すのその下の素顔はひどい火傷痕と欠落した顔の一部分は機械となっていた。


 「わたしは 父を謀殺し、生き証人である母を殺したあなた方を許さない。今の私は天龍幻一郎ではない。血と復讐に飢えた怪人、Drヴァイパーだ」


 天龍幻一郎、もといDrヴァイパーは指をピ陳と為ら水。すると飛行戦艦の下部が開き、円盤型の戦闘機が出撃した。


 「今日は偽りの平和と繁栄が終わる記念式典にして野郎。行くがいい、戦鬼獣シェルスクリーマーV7ッ‼」


 空中に飛び出した円盤は手足を生やし、ついでに蛇の頭と尾ッ歩も出した。

 そして猛獣のような吠え声をあげる。


 「ゴオアアアアアアアアッッ‼」ドシンッ‼


 ドームの駐車場に着陸した怪獣、シェルスクリーマーV7はフェネクス機関を搭載した浮遊式自動車を破壊する。

 メガトンセラミック合金製の鱗に覆われた巨大な手足で踏み荒らし、同様の超合金で作られた頭部の角と尻尾で目に付く者全てを破壊した。


 「やめるんだ、幻一郎君。こんな事は天龍博士も望んではいない。彼はフローティングライトの歓声の為に命を捧げたんだ。それをこんな…」


 「黙れ、裏切り者。俺からすれば貴様は政治家どもに父の研究を売り渡したハイエナの一匹ににすぎん。そこで見ていろ、平和の終焉というものを…」


 万が一の為と会場に集結していたハイパー自衛隊は懸命に応戦したが未知の力を操る戦鬼獣の前にはまるで歯が立たない。フェネクス機関で動くガードロボット、”代官山”がまた一機とやられていった。


 「やれやれ陸自の奴等、何をしているんだ」


 その時、上空から救いの神が現れる。航空自衛隊所属の青いガードロボット、”青山”に乗って馬場一馬が旧縁に駆けつけた。


 「射程外からの攻撃には同「対応するつもりだい?ミサイル、発射‼」


 馬場は操縦簡易ついているスイッチを押す。すると青山の脚部ブースターに装備された大型ミサイル”フレイムイーター”が二発、発射された。

 世界大戦後の軍縮が続く中、戦前の破壊力を有した強力な兵器である。

 搭載された一億ギガトン級の火力も凄まじいが、推進機関として超小型のフェネクス機関が使用されている為に同様の技術が使われたカウンターミサイル兵器でを使用したとしても迎撃が難しい。


 「やれやれ、始末書を何枚書か去れる事になるのやら…」


 馬場は嘆息しながら目標を見下ろしていた。


 「甘いな。アンチ・グラヴィティフィールド発動」


 空中戦艦からそうDrヴァイパーが呟くとシェルスクリーマーV7は大きく口を開けてリング状の可視化された超音波を吐き出した。「何っ⁉」


 「これが我々の”科学”だ!残念だったな、兵士諸君」


 ミサイルは敵に着弾する前に空中で爆散した。

 地面いミサイルの破片が降り注ぐ。会場の各地に設置されていた超重力バリアーによって多くの人々は一命を取り留めたが、それでも逃げ遅れた者がいる。


 「きゃあああ‼‼」


 上空から降り注ぐ、灼熱の鉄片、頭には麦わ帽子、白いワンピースを身に着けたうら若き乙女は悲鳴をあげる。


 「おっと危ないぜ、お嬢さん?」


 一人の覆面を身に着けた巨漢が降り注ぐミサイルの破片をローリングソバットの一薙ぎでを叩き落とした。


 「私は、高原ゆいといいます。危ないところをありがとうございました。貴女のお前を聞いても宜しいですか?」


 「俺は旅の途中のしがないルチャドールさ。どうしてもって言うなら”ミラクルカラス”って呼んでくれ」


 「ミラクルカラスさん…」


 高原ゆいは頬を赤く染める。彼女は生まれて初めて運命の出会いというものを感じていた。


 「さて、お嬢さん。ここは危険だ。あそこのお巡りさんのところに行こうか」


 ミラクルカラスはゆに手を取って避難民を誘導する警備員のもとに向かう。緊急設置された避難所では若い警備員の女性が二人のもとにすぐに駆けつけてくれた。


 「大丈夫?けがはない?‥‥てえッッ‼‼アンタはさっきの変態仮面ッッ‼‼」


 ミラクルカラスの姿を見つけるなり女性警備員は大声を上げる。この二人、バイクの駐車で先ほどまでもめていたのだ。


 「警備員のお姉さん、話は後だ。こっちのお嬢さんを連れてさっさと逃げてくれ」


 「アンタはどうするのよ‼」ミラクルカラスは覆面ごしにニコッと笑った。「悪者ヒール退治さ。これでも正義のルチャドールだからな」


 そう言ってミラクルカラスは駐車場の中央まで歩いて行く。そして空中戦艦が鎮座する上空を睨んだ。


 「ハッ‼空俺の領域テリトリー、お前らのじゃねえよ…」


 ミラクルカラスは口笛の形を作り、大きく吹いた。


 「来いっ‼プリンス・フェニックス‼」


 ミラクルカラスの号令に応じて小型の戦闘機が天の彼方から現れた。


 「糞親父の遺言通りになっちまったわけだな。この後、試合があるからな。さっさと終わらせるか」


 ミラクルカラスは操縦席の各所にとりつけられたスイッチを亡父に教えられた順に押して行った。正面の液晶モニターに「合体準備完了」と表記される。


 「こっちも準備、OKだ。スカイザーP、起動」


 ミラクルカラスが操縦桿を引くと戦闘機は前後を折り畳んで小さくなる。そして何処かから現れた人型の上半身と合体して一体の巨大ロボットとなった。


 「試合開始だ。スカイザーP、派手に決めようぜ‼」


 合体したスカイザーPは連続で前方宙返りを決めながら孤軍奮闘する青山と破壊の権化s権化シェルスクリーマーの戦いに乱入した。


 「トペ・コンピーロ‼」


 スカイザーPは華麗な前方宙返りからフライングボディアタックをシャルスクリーマーに炸裂させた。


 「キシャアアアッッ‼‼」


 強力な奇襲を受けてシェルスクリーマーは唸り声を上げる。二体の巨大ロボットは互いが強力な敵一瞬でと認めい合う。


 「来いよ、鋼鉄タートル(リングネーム。命名した)。まず」


 スカイザーPは自分の頬を差しだした。一瞬、シェルスクリーマーV7は戸惑ったがすぐにビンタ一発を決める。


 「ダシャアッッ‼」


 スカイザーPは大きくよろめいて地面いもんどりうった。打倒したシェルスクリーマーは大きく腕を振りながらフィニッシュアピールをする。すごくノリノリだった。


 「次は俺の番だぜ。らしゃあッ‼」


 スカイザーPは豪快な逆水平チョップを決めた。シャルスクリーマー自慢の装甲にチョップの打撲痕が出来上がる。だがシャルスクリーマーは胸をバンバン叩いて


 「何発でも来いや‼」とアピールをする。


 「うらあッッ‼」


 スカイザーPは後ろに向って走り、シェルスクリーマーV7との間に距離を作った。


 「おりゃあああああッ‼」


 そこからダッシュをして一気に距離を詰め、ドロップキックを決める。シェルスクリーマーの巨体が地面に沈んだ。


 「何をやっているシェルスクリーマーV7‼背部装甲のジェット推進機を使って早く立ち上がれ‼」


 Drヴァイパーの指示を受けてシェルスクリーマーV7即座に体勢を立て直す。


 「その機体、大河博士の発明か。小癪な真似をしてくれる…」


 「フローティングライトもフェクスエンジンも平和の為に創られたものだ。悪用はさせないぜ、Drヴァイパー」


 スカイザーPは空中戦艦にに向って人差し指を突きつける。


 「大河博士とて政府の連中に研究成果を横取りされた挙句、追放されたではな”いか。お前は奴らが憎くないのか?」


 ミラクルカラスは死の直前の痩せ細った父の手を思い出す、だが最後に彼は己の身に起こった不運よりも人類の未来を心配していた。プロレスに理解は無かったが、彼の息子だった事に誇りを感じている。


 「それはそれ、これはこれ”だ!試合が近いんだ、さっさとフィニッシュ極めさせてもらうぜ、ぬおおおッ‼」


 スカイザーPは反対側のドーム会場めがけてるっぱしる。一方、シャルスクリーマーの自身の最恐携帯”アルティメットガードポジション”に変形していた。要するに手足を引っ込めて敵の攻撃に備えていた。核ミサイルの直撃にも耐え得る。


 「行くぜ、必殺ラ・ケプラータ‼」


 ドーム会場の屋根に昇った後、スカイザーPは空中で身を捻じって胸部光線放出パネルを輝かせ、シャイニング・フラッシャーを発射した。

 強力な電磁波によって瞬時におよそ二兆度の熱線が一兆度のヒートウェーブにも対応するシェルスクリーマーの装甲を灼いた。


 「ぎゃああああああっ‼」


 近くにあった自衛隊のガードロボット代官山が一瞬で蒸発する。


 「メテオストライクアタック!」


 そのままスカイザーPは焼け焦げたシェルスクリーマーの上にボディあたっかうをぶちまかした。


 「ぐおおおおお…」


 シェルスクリーマーは全身に亀裂を走らせながらも何とか立ち上がろうとする。


 「1…2…」


 レフェリーのカウントが始まる。


「らあッ‼アスタラビスタ‼」


 スカイザーPは両手を天高く上げて早くも勝利宣言。シェルスクリーマーV7片膝をついて立ち上がろうとする。だが…。ガクン。そのまま前のめりに地面に倒れてしまった。


 「見たか、Drヴァイパー。是がルチャ、これがプロレスだ。俺はいつ何時、誰の挑戦も受ける。それがスカイザーPだ」


 自爆装置が作動し核爆級の破壊力で爆砕する戦鬼獣をバックにスカイザーPは空中のDrヴァイパーに挑戦状を叩きつけた。


 「おのれ、スカイザーP‼次はこうはいかんぞ‼」


 捨て台詞を残し、空の彼方に消え去るるDrヴァイパー。


 かくして二人の戦士は運命的な邂逅を果たしたのであった。 

さて作中で何人死んだでしょうか?

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