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エッセイ

花畑のような時間

 私の生活時間はまるで使い古された白いビニルタイルの床のように黒ずみ、風で転がる塵埃のごとくまとまりがない。柔らかさはあるが、灰燼を揉めば崩れるに似たそれであり、整頓された明るいオフィスの硬さに比ぶればふざけているようなものである。

 私の脳は気を抜くとすぐに隣の敷地に散りばめられてある遊具施設のほうへ走り出す。さて今夜は5時間も創作に費やすことの能う茶室の裡のごとき時間ありと余裕をこけば、あっという間にそれはブランコや滑り台や可愛いジェットコースターのために消費され、ふと周りを見渡せばセキュリティーアラームが鳴り渡っている。

 早く寝ろと。

 もう寝る時間だぞと。

 いつの間に5時間が経ったというのだ。


 私は花畑のような時間を求める。薄汚れた白いタイルの上を咲き誇れと願う。みっともない塵埃の上を、覆い尽くして整然と咲けと口ずさむ。

 ひとつでも花が咲けば。それを切っ掛けに色とりどりの時間が立ち並ぶだろう。ゆったりとして、それでいて有意義な、茶室にいてコンとシシオドシ聴こえるような、邪魔するフェレットは傍にいても別によく、もふもふと、しんしんと、時が流れて行くならば、私はあの連載作品の続きを書こうとするに違いない。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 花束のような時間、彼女の頭の中が連想させられてとても面白い文章だと思った。確かに私の頭の中もそういった時間が流れているのかも知れない。
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