プロローグ
とりあえず書いてみました。誤字脱字など、おかしな点があればご指摘のほどお願いします。
ー起きてくださいー
もう少し寝かせてくれ。少し疲れてるんだ。
ー起きてくださいー
うるさいなー、寝かせてくれって言ってるだろ。ほっといてくれ。
ーまあ、起きてくれなくてもいいんですけどね。というか起きてくれない方が私にとっては都合がいいというか…。ね、お兄様ー
俺はその声で跳ね起きた。
俺が飛び起きると、そこにはベッドに頬杖をつき、幸せそうな笑みを浮かべながら俺を見ている妹がいた。
「何度朝一番に俺の部屋に入ってくるなと言ったらわかるんだ!朝目覚めて、横向くと、誰かの顔があるっていうのはむちゃくちゃビビるんだからな!わかったらもう勘弁してくれよ、
「はい、もちろんお兄様のおっしゃることがすごく、ものすごーく、ドが10個つくくらいド正論なのはわかるのですが、それでもお兄様の寝顔をこうして私だけが拝むためにはこうするしかないのです。わかっていたただけますか?」
「いや、わからないから。そもそも俺の寝顔を見にくる理由がわからないから」
「なら、わかっていただけるためにも明日も来ますね!」
「あー、なんかわかんないけどわかったからもう来なくていいよ。だから、ほら。出て行って、早く出て行って」
「まったく、いいではありませんか。減るものではないのですから。しかし今日のところは、まあ、これくらいにしておきましょう。お兄様も仕事がありますので。ではお兄様。また後で」
そう言って はまだ寝起きである俺を気遣ってか、静かに部屋のドアを閉め出て行った。
朝イチから大胆不敵なムーブメントをかましてくれたのは俺の妹である三澤風花。14歳で中学三年生。
肩あたりくらいまでの長さがあるだろうか、彼女の茶髪はサイドテールで結ばれている。大きな瞳は長いまつげと相まって愛くるしさを感じさせるものの、同時にどこか理知的であるとも感じさせる。鼻筋は綺麗に通っており、絶妙に顔のバランスを整えている。
つまり何が言いたいかというと、俺の妹だとは思えないほど俺の妹は可愛いということだ。こんなこと本人に言えば「お兄様は私なんかよりもはるかに素敵です!」とか言い出しそうだから絶対に言わないが。
また彼女は容姿だけでなく、精神面でもよくできた人間なのだ。持ち前の明るさとコミュニケーション能力で幅広い交友関係を築いており、様々な人たちから慕われているとのこと。兄とは正反対に本当によくできた妹だ。本当に誇らしい。
ん?そんな長々と話してるお前は誰かって?説明しろ?はぁ。まあ、非常にやりたくないがここで自己紹介させてもらおう。
俺の名前は三澤和樹。高校一年生、15歳。趣味なし(作る気もなし)。特徴ほとんどなし。まあ、あえて言うならば綺麗な茶髪くらいか?中学の時、染めたんじゃないかってよく生徒指導の先生に怒られた思い出がある。
というふうにこの世のありとあらゆる没個性を塊にしたような人間がこの俺だ。
しかしこんな俺だが実は小さい頃からある仕事をしている。俺の妹と一緒にこの仕事をしている。厳密にいうと部署みたいなものは違うから同じというと少し語弊があるかもしれないが。
で、俺のしている仕事というのがいまどき珍しい住み込みの仕事なのだ。だからここは俺の家ではない。じゃあ、ここは誰の家かって?
おっ、こんな時間か。そろそろ仕事の時間だ。仕方ないな。仕事がてらに教えてやるよ。
今日も俺の騒がしい1日が始まった。