素早さ特化──そしてダンジョン攻略
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「・・・ナツメちょっといいですか」
どこかのさびしんぼがフラグを立てそしてそれを回収するという周回を何度も続けながらも、死竜ノ迷宮についた私達。そこで私はイリスから少し離れたところにナツメを手招きする。
「どうしたの? 恋愛話ならのるよ?」
「・・・恋愛話ではないですし、そもそも恋愛に興味はないですよ」
手招きをされたナツメはどこで拾ってきたのか、もふもふしたボールサイズの毛玉を触りながら事らに来る。あの毛玉私も触りた・・・。
そう思ったもののそれが何なのかも分らないので、その思いを心の中に閉じ込める。
「あのですね・・・ぶっちゃけていいですか?」
「ぶっちゃけちゃって」
「イリス強すぎじゃないですか?」
そう。イリスが言っていた通り、魔法の腕はすごいのだが、そのレベルが尋常ではないのだ。ここに来るまでにどこかの誰かさんがフラグを立てまくったせいで何度もモンスターに襲撃されたのだが、そのすべてがイリスの手によって一方的に蹂躙されたのだった。アレを見てしまってはもはやイリスは化け物にしか見えない。
そんな私のぶっちゃけを聞いたナツメは私と同じ思いだったのか。
「わかるそれ。・・・もはや人間の域超えてるよね? 本当はラスボスとかじゃないの?」
「それはありえますね・・・」
その瞬間私たちの頭の中で、イリスはラスボスということになった。
そして。
「後ナツメ、よければ・・・」
「?」
「その毛玉少しだけ触ってもいいですか?」
毛玉が気になり続け、ついに欲望に負けてしまった私はそうナツメにお願いした。
「いいよ!」
「あぁぁぁぁぁ・・・気持ちいですこれ・・・・」
本当にこの毛玉なんなんだろ・・・。
そんな疑問はどこにいったのやら、私は『ダンジョンにはいるよ』といわれるまで、ひたすらそれを触り続けていた。
*********
「【加速】【斬撃ノ流レ】!」
「【認識阻害の光】【ファイヤーボール・パーティクル】!」
「【豪斬横一文字】!」
「【光ノ矢】!」
ダンジョンの中で、私達はオーガの群れと遭遇し、戦闘に入っていた。
戦闘から少したち、次に進みたいと思っていた私達は一斉攻撃を開始する。私達の今の一斉攻撃で、三割ぐらいは倒せただろう。
「アイリス攻撃の威力上げってない?」
「ここに来る前に装備とか武器など新調しましたからね。まあ、先ほどのレベル上げも影響してるでしょうね」
「成程。あの最低なレベル上げね」
「最低言わないでください・・・。正面からやりあうよりよっぽど効率的ですよ」
後方で魔法を連発していたナツメは不思議そうに声をかける。そう。実は馬車に乗る前に武器・装備を新調していたのだ。
そしてレベル上げというのはダンジョンに入ってから、モンスターの群ればかりおびき寄せるクロムを餌にしてそのモンスターたちを背後から狩るというとても効率的なレベル上げをここに来るまでずっと続けていたのだ。おかげでレベルは一気に八まで上がり、大量のステータスポイントも手に入ったのだ。
ちなみに。手に入れたステータスポイントはその大半。実に八割のステータスポイントを素早さに入れ、残りのポイントを幸運値と攻撃力を均等にいれたのだ。
「みなさん! 準備しておいてください!」
そう叫びながら、ナツメの魔法の影響でいまだに私たちを認識できていないオーガ達の群れの中心まで来ると。
「【暗殺ノ刃】【二角電撃大車輪】!」
攻撃した相手にランダムで状態異常を与えるという、デバフスキルを発動し、続けざまに初心者殺し戦の時に使ったスキルを使用する。すると私の周りに電撃をまとった斬撃の嵐が吹き荒れる。攻撃力が少しとはいえ上がったので、勿論のことスキルの威力も少しだけ上がっていた。しかし今は暗殺ノ刃という便利なスキルがある。相手に気が付かれていないときにしか効果がないというところが、残念だが、今はナツメのおかげで認識されてないので効果が光る時だ。
そんなスキルを纏った攻撃はオーガ達に直撃すると、次々に状態異常を与えていく。多くはマヒの状態異常で動けなくなっているが、中には毒の状態異常に侵されながら電撃の影響でしびれているものもいた。そして群れの中の一体は、致命傷にはなりえない攻撃に当たった瞬間即死する。
そう。そのオーガは『即死』の状態異常をかけられたのだ。
ちなみに、状態異常をかけられたオーガ達は。
「地獄の業火で焼き払え【インフェルノ】!」
「愚かなる者に断罪を【ゴッド・ブレイド・インパクト】」
「せ、聖なる光で、け、穢れしもの・・・に・・・やっぱり無理です!【セイクリッド・サンシャインブラスト】」
なぜかそんな中二病発言をしながら魔法を放ち、、三人は残ったオーガ達を殲滅していく。
うわぁ・・・恥ずかし・・・。
クロムとナツメはノリノリなことからどちらか、もしくは両方が中二病をいきなりこじらせたのだろう。私ならイリスと同じく、あんな恥ずかしい言葉は言えないだろう。
「ふう・・・ようやく終わったな・・・」
「やっぱりイリスがいて助かったよ!」
戦闘を追えて一息ついていた二人がそんなことを・・・。
「あ、あの・・・ナツメさん。あ、あれ恥ずかしいんで、その・・・出来れば今後はやめてください・・・ほんとに恥ずかしいんで・・・」
犯人はナツメでした。
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